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猫科人科目。  作者: 黒字
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サイドストーリーⅢ異世界で漫画を読む。

あっちの世界でなのはとみよちゃんから「彼氏を作れ」と散々言われておりました。

死んだ旦那に申し訳無いと思っている訳でも無いのだけど、その気になりませんでした。

中年合コンにも連れて行かれたりしたけど会費分と思って美味しい料理をせっせと食べ、お土産を貰って帰ってくるだけで終わってしまい二人からは呆れられておりました。

恋愛は楽しいものだと散々話を聞かされて(結局二人とものろけてるだけだったけど)適当に相槌を打っていたら、恋愛のバイブルだと言われてハーレクインコミックなる物を手渡されました。

みよちゃんはマンガ大好き主婦なので沢山持ってます。中でもハーレクインシリーズは大好きで、時々「こんな恋愛してみたい!」と言いながら本を持ってきます。


こっちの世界に来た時のカバンの中には丁度2冊のマンガが入っておりました。

上下巻完結物語だと言っておりましたっけ。まだ読んでなかったのと、こっちの世界で読むのも乙かなと思い読んでおります。

超能力を持つ一族の3人兄弟のお話がそれぞれ語られ、最後には一つの話に繋がるという大スペクタクル恋愛超大作と帯には書かれておりました。読んでみたけど内容薄いし。少し残念ね。でも絵はとても好き。一族の王なる人がフェイに似ていて、恋人が美人でナイスバデーな所は少し寂しかったけど。所詮マンガだもん!

しかし超能力ですか・・・似た様な現状なんですけど。今現在の私の居る世界って。

マンガだけど妙にリアルで、眉間に縦皺作って読んでいたようです。

「そんなに難しい本なのか」と眉間にキスをして聞いてきます。

「難しくは無いけど・・・ね」と曖昧な返事を返すと、私の手からマンガを取り上げます。

「フェイが読んでも面白く無いと思うよ」ハーレクインだし。


「絵を見ながら物語を読むのは、実に楽しいな」読んだ感想は結構いいみたいです。

「これはマンガと言う本です。こっちには無いよね?」

「この様な本は初めて見るな。絵の入っている本はお伽噺や児童書で有るが、風景画や動物の絵が小さく書かれている位だと思う」それなら私も見たよ。

「私は文字を読む方が好きかな。自分で想像したり空想したりする方が夢が有って楽しいもの」マンガは作者の固定観念が定着してしまってる感じがして苦手なのである。だからか、なんていうマンガを読んでどんな内容だったのか直ぐ忘れてしまう。

マンガを読み終わったフェイが私に向き直り片手で顎を掴み上を向かせ腰を引き寄せる。

「なっ!どうした!」慌てるが遅い。

「私のキスが一番上手いぞ」口角を上げて不適に笑うフェイに何か言おうとしたけれど・・・

「・・・んっ・・あ・・」(マンガに対抗意識を燃やすな!)


ある晴れた麗らかな昼下がり、女4人で賑やかにお茶会です。

「ニホンに行きたいわっ!」声を発したのはサン。

ララァとシアもうんうん頷いてます。

「マンガ喫茶ですわ!マンガと言うのが沢山あるのでしょう?」シアちゃんマンガ大好きみたい。

「コスプレってのを生で拝見したいですわ。アキバでしたか?そこへも行きたいです」とはララァ。

「コスプレも見たいけど、マルイって所に行きたいわ!沢山のお洋服が売っているのでしょう?」サンはショップ巡りをしたいらしい。

「うん。いろいろ日本は楽しい国だったよ。でも残念行けないんだよねー」と笑っておきます。

この話のきっかけは私のマンガを読んだ感想から発展したものです。

3人共ハーレクインコミックを顔を赤くしながら読みまして、もっと読みたいと言い出しました。(ハーレクインは恋愛要素満載だから少しエッチ系。それが良いらしい)

マンガ喫茶にコスプレに二次元の話とか教えて上げたらもー興味津々です。こっちには無い物だから余計に興味が湧くのだろうと思います。


マンガ喫茶やアキバは無理だけど、ショップなら出来そうな気がします。

「サン。ショップを開いてみたら良いんじゃない?」

ワイシャツ類やズボン類ならサイズを数種類作っておけば何時でも買えるから便利だと思うんだよね。ワイシャツも白だけじゃ無く柄物とか色物とか作ってみると楽しそう。

ドレスは注文だけど、普段着ならある程度形を決めて何時でも買えるようにしておくとか。

「ウインドウにディスプレイすると宣伝になるしさ」

日本のショップを思い出しながら独り言のようにぶつぶつ言っていたら、サンに肩を掴まれ揺すられてしまいました。(やめてー目が回るー)

「それいいわ!もっと詳しく教えて!ヒカル!」

その後は4人で作戦会議です。


私のハーレクインは只今お出かけ中です。

面白い読み物が有ると言う話を聞きつけたマムから貸出要請があったので、先日城へ行った時に持って行きました。その本が今度はお姉様の手に渡ったそうです。お姉様の手からお兄様へと行ったらしく、お兄様がいたく気に入ったようでまた返って来ません。

多分シアが取に向かうと思われます。また読みたいと何度も催促してたからね。

そうそう、そのお姉様ですが目出度く御懐妊です。

マムとダッドが物凄く喜んでおりました。もちろん私もフェイも家族皆が喜んでます。可愛い赤ちゃんに会える日が待ち遠しいです。


後日談

マンガはこの世界では発展せず、ひかるの持っていた2冊しか有りません。

しかし、ひかるがお姉様の出産祝いにと手作りした『飛び出す絵本』が評判となり、今ではいろいろなシリーズとなって人気の絵本となっているようです。

サンのショップも人気のお店になり、お針子さんを3人雇って奮闘しているようです。

サンのお隣に帽子やさんもオープン予定です。これはシアのお友達のお店です。


何だかんだと毎日が賑やかで楽しいようです。

このまま幸せを楽しめる毎日が続くように作者も祈っています。



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