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ゆるゆるエルフ系ヴァンパイアの旅日記  作者: ぬるま湯
ゆったりのんびり2人旅
22/40

友達再び

寝落ちって怖いですね。

リリィたちと別れてから数時間がたった頃。

「お前か?うちの商品逃したのは」

突然現れた男。強面で筋骨隆々な狼の獣族。

「何のことかな?」

(とぼ)けんな!うちの檻から森霊族の2人を逃したのはおまえだろ」

あ、この人あれだ。奴隷商人だ。後ろにさっきの人たちがいるから、偉い人?たぶんあの鼻だよね。あれで追ってきたんだよね。

「まあ、そうだね。私たちだよ」

「よくもやってくれたな!あれはいい値がついてたんだよ!それを台無しに………」

「いやーなんかごめんね。でもさぁ、奴隷商売とか良くないと思うんだよね。いくら儲かるとはいえねぇ」

「てめぇよ。ふざけてんのか?さっきからヘラヘラしやがってよ」

「いやいや、ふざけてなんかないよ。真面目だよ」

「てかこの際そんなこと、どうでもいいんだよ!問題は今回の損失をどうしてもらうかなんだよ!」

相当怒ってらっしゃるようで。今にも襲われそうな勢いで話してくるから、ちょっと怖い。見た目もあれだし。

「私たちにどうして欲しいの?」

「あの商品を連れ戻す。もしくはお前たちが代わりになる」

「その2択?それはできないかな。せっかく助けたのに戻れとか言えないし、私は奴隷とかなりたくないし。どっちも嫌です!」

「どっちか選ぶんだよ!できないってんなら、強引にやらせてもらうぞ。おいてめえら!行け!」

やっぱりこうなる。でもさっきの人たちだし、問題はないでしょ。



問題なかった。残すは偉い人?だけなんだけど。

「おじさんもやる?手加減しないよ」

「舐められたもんだな。こいつらが弱いだけなんだよな!!」

速い!さすが獣族、身体能力が高い。でも、追えないわけではない。

「おじさんできる人だね」

「上から目線がイラつくんだよ。経験の差を教えてやるよ」

確かに、蹴りもパンチも全部ガードされて、攻撃パターンも読まれてる。


「さっきから、そこの人魚はなんもしねえな。役に立たせてやるよ!」

「いや、離して!痛い!」

しまった。セラのこと忘れてた。

「人質とは卑怯な!」

「卑怯で結構。こうやって、平和的に解決できるんだ。へへ、どうだ?やる気になったか?」

ぐぬぬ。変に断るとセラに何されるかわからないし。ここは……

『ワシノ出番ジャナ』

『うん、どうにかして』

『見タトコロ、セラヲマッタク警戒シテイナイ。ナラバ、セラニヤラセヨウ』

なにさせる気だろう。

『シルフィーニ合図送ルカラ、セラニ攻撃サセルヨウニ言ッテクレ』

『わかった』



ん?アイコンタクト?なになに?グラントが何かするから、おじさんに攻撃をして。あれでも試してみようかな。

『身体能力強化。サラニ強化』

力が湧いてきた、気がする。よし、これでいけるかな。せーの!


グラントが何かかけた。私はおじさんの注意を引けばいいかな?

「おじさん!私にはやっぱり選べない!ていうか選びたくない!」

「ではこの人魚はどうなってもいいんだな?」

「よくない!セラは渡さない!」

セラが動く。身体の鱗の部分がキュッと縮んで、硬くなっているようだ。そのままヒレを前に出して……。

バチンッ!ドカーン!!

セラのヒレでおじさんが吹き飛んだ。セラってあんなに強かったっけ?

「うぐぁ、なんだ、なにが起きた?いきなり、人魚が……」

「人魚族だからって、甘く見ないでください!」

そのままおじさんは気を失った。


その後、兵隊さんにおじさんを渡して今回の件は丸く収まった。




宿にて

「ねえセラ。さっきのやつどうやったの?」

「うんとねえ。私って鱗があるでしょ?この鱗って硬さを変えられるのよ。それで、最大まで硬くしてから振ったの。一瞬でできるから隙は少ないと思うよ」

「それだけで強力になっちゃうんだから恐ろしいよ」

「人魚族のヒレは元から強くできてるからね。あとグラントもいたし」

「それでもだよ。あのおじさん肋骨数本折れてると思うよ」

「いいじゃない。あんな奴どうだって。それよりシルフィーに怪我がなくてよかった」

「パパよりは弱かったからね」

「バレットさんって何者なんだろう」

「竜族のドラゴン型と引き分けだったってママが言ってた」

「竜族と闘ったんだあの人。シルフィーの家族って飛び抜けた実力の人たちだよね」

「そうなの?みんな同じじゃないの?」

「そんなわけないでしょ。私の家族はみんな平凡……じゃないわね」

「もしかしてジーブさん?」

「うん。お父さんも竜族のドラゴン型の水龍と闘ったって」

「うちは飛龍だって」

どうやら私たちの家族は他人から見ると異常らしい。


『雑談スルノハイイガ、レージュノ所ニ行クンジャロ?』

「そうだった。早く行かなきゃ」

「シルフィー、全力出していいからすぐに帰ってこようよ」

「いいの?セラ影に入れて行くけど」

「構わないよ。同じ道をゆっくり何度も見ても変わらないわよ。この街の先にも行かなきゃだし」

「そっか。じゃあそうする。ここからだと1時間で着くよ」

「ねえ、夜で影薄いけど入れるの?」

「グラントがいるじゃない」

『ワシニ1時間同ジ場所ヲ保チナガラ移動シロト!?」

「木の実いっぱい出すから」

『ヨシ引キ受ケタ』

グラントの中で木ノ実ってどれくらいの価値なんだろう。

「それじゃあ出発しよう。今日中に戻るからね」

「うん、よろしく」



感覚で言ったけど、本当に1時間で着いてしまった。

「やあ、レージュおじいちゃん。無事に終わったよ」

『オオ、戻ッタカ。ヨクヤッテクレタ。アリガトウ』

「ねえ、私頑張ったよ。何かないの?ねえねえ」

『オオウ、ソレハ困ッタナ。何カアッタカ……』

『マタ加護デイインジャナイカ?』

『加護カ。ウム、人ノ名前ト性別、種族ガワカルヤツハドウカナ?』

「正直いらない」

『即答デ断ラレタ。デハ何ガイインダ?』

「そうだね〜。植物、動物が食べられるか食べられないか。毒を持つか持たないか。がわかるようになるやつで」

『ソウキタカ。マアイイ、ヤッテヤロウ』

「やった〜。レージュおじいちゃんすごいね」

『ドウッテコトナイ。コノ前ト同ジヨウニシナサイ』

この前?ああ、触ればいいのか。

『汝ラニ加護ヲ』

すごい省略されてる気が…。

『近クノ草ヲ見テミナサイ』

「おお〜わかるぅ〜。ありがとうレージュおじいちゃん」

『礼ヲシタノハ我デアルノニ感謝サレルトハ』

これで旅の途中の食料調達に問題はなくなる。もうお腹壊さなくていいんだぁ。

「あの、私までありがとうございます」

『イイッテコトヨ』


「それで?そこで何してんの?出てきなよ」

「え?誰かいるの?」

「リリィでしょ?そんなとこに隠れて」

「なんで見つかったの?ちゃんと隠れてたの」

なんでってチラチラ見えてたし。

「で、リリィはなんでここにいるの?」

「あのね。リリィはシルフィーとセラ姉と一緒にいたいの。パパとママはいいよって言ってくれたの」

「うん、まあ来るとは思ってたけど…。早かったね」

「頑張ったの」

「よく許可されたわね」

「うん、助けてくれた恩人なら問題ないって」

『私モツイテイルノデ、大丈夫デス』

絶対帰りがけの馬の上での話だよね。じゃないとこんな早くに来れないし。

「うん、いいよ。一緒に行こう」

「よろしくねリリィ」

「よろしくなの!」

『ヨロシクオ願イシマス』


リリィとリムが仲間になった。


『賑ヤカニナルナ』

『我モ行キタイ』

『動ケナイダロ。アト、レージュガ仕事放棄シタラバランスガ崩レル』

『ソレクライ知ッテル。チョット言ッテミタダケダ』

『割ト本気デ言ッテイタヨウナ』

『ダッテ、羨マシインダモン。変ワレヨグラント』

『嫌ダ。ワシハ縛ラレタクナイ』

『我ダッテ好キデ縛ラレテルワケジャナイ』

『面倒ジャノオ』




レージュおじいちゃんに挨拶して宿に戻った。本当に今日中に戻れた。さすがに疲れたよ。

「もう寝よう。疲れた。おやすみぃ」

「あ、もう早いなあ。仕方ないか」

「リリィ、お風呂行こうか」

「シルフィーは大丈夫なの?風邪引かないの?」

「大丈夫よ。起きたらお風呂に行かせるし、体調崩したとこあまり見ないし」

「そうなの?でも、心配なの」

「リリィも風邪引かないか心配なんだけど」

「セラ姉の心配を増やしたくないの。お風呂先に行ってるの」

「え?そんなつもりじゃ……行っちゃった」

『リムヲ見テマスノデ、ユックリ来テクダサイ』

『ワシモ風呂ニ行ク』

「みんな行っちゃった。ってことはシルフィーと2人っきり?え、どうしよう。シルフィーは寝てるし、こうなったらなかなか起きないし。何してもいいのかな?いやいや寝込みを襲うとかないない。でも、…ね。ちょっとだけなら……」

チュッ。


きゃあ〜2回目しちゃった〜。唇にしちゃった。柔らかかったなあ。はぁ〜なんでシルフィーって可愛いのかしら。寝顔がたまらないのよねぇ。ああ〜顔が熱い、ドキドキが止まらない。どうしようニヤニヤしちゃうぅ〜。こんな顔みんなに見せられないよぉ〜。

「セラ、何してんの?」

はっ、見られた?今の全部見られた?

「あはは。な、なんでもないわよ。これからお風呂に行くとこなの。シルフィー疲れてるでしょ?明日の朝お風呂に入ればいいから寝ていいよ」

「そうなんだ。いってらっしゃい。おやすみ」

「おやすみ〜」

よかった〜。気づいてなかったぁ〜。別にバレても構わないけど、そうなると恥ずかしいから…とにかく助かった。お風呂行こう。


やっと行った。寝たふりしたらセラがいきなりキスして来るから焦ったよぉ〜。2回目奪われちゃった。思い出したら恥ずかしくなってきた。触れた時ちょっと動いちゃったんだよね。気づかれてないよね?目瞑ってると触覚が敏感になるからピクッてなっちゃって。いつものセラもいいけど、あんなセラも可愛いよね。悶えてるセラも良かった。ニヤけてなかったかな?暑い。なんか急に火照ってきた。寝られないかもしれない。起きてお風呂に行こうかな。でもどうしよう〜。


などと考えて2人とも眠れませんでした。

やあ皆元気かな?私か?私は最初の1ページにいた私だよ。いやー友達のぬるま湯が出てって言うから仕方なく来たんだけど。皆楽しんで読んでくれてるかな?私は言ったとおり登場しないけど、これからここで喋らせてもらうからよろしくね。言っておくけどレージュじゃないよ。ん?長い?ごめんごめん。じゃ、あと一言だけ。これからもよろしくね!

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