2週間の看板娘たち〜前半〜
セラ視点です。いつもより短くなってしまいました。許してください。
シルフィーの朝の弱さによって、遅刻しそうになりました。今は、ローアさんのお店の準備中です。
「………よし。完璧だ。シルフィーちゃん、セラちゃん、2人とも更衣室で制服に着替えてきて。ロッカーに名前書いてあるから」
「わかりました」
「覗かないでね」
「しないよ。制服の確認とかするから、早く行ってきて」
「セラは着るもの少なくて楽そうだね」
「いつもより多いから、ちょっと違和感があるね」
私に用意された制服は、白のロンググローブ、白のエプロン、リボンのついた白黒のチョーカー。全て防水で、ロンググローブの中には水が入らないようになっています。
「かわいいよ。似合ってる」
「そーかなー。恥ずかしいんだけど……」
「セラ、後ろの紐結んで」
「届かないのね。いいわ、背中向けて」
シルフィーは私と同じ小物と、上は黒でふわふわ、フリルのついた見えるか見えないか際どい短さのスカートです。かわいい。
「できたよ。シルフィー、お客さんには気をつけてね。変なことされないようにね」
「その時は、お仕置きを……」
「影で縛るだけにしなよ。店に影響が出るから」
ほんとは起こらない方がいいんだけど。
「ローアさん、どうですか?」
「うん、2人ともよく似合ってるよ!調整もしなくて良さそうだね。そうだ、2人のことを看板に書いていいかな?集客率が上がると思うんだけど」
「構いませんが、変なことを書かないでくださいね」
「できたら確認する。必ず見せてね」
「ありがとな。ちょっと待ってて。あ、待ってる間に髪型ポニーテールにしてね。それで身だしなみバッチリだから」
ローアさんの書いた看板は、普通でした。
かわいい新人女子が2人、2週間だけ働きます。ご理解よろしくお願いします。
看板というより注意書きみたいですね。これで私たちは文字通り看板娘になったみたいです。すごく緊張します。シルフィーは気にしてないみたいですけど…。
「時間よりちょっと早いけど、店を開けるか。頃合いを見て、休憩挟んでね」
「わかりました」
「了解!」
こうして、大忙しなお金稼ぎが始まりました。
「いらっしゃいませ。2名様ですね。こちらの席へどうぞ。ご注文が決まりましたら、このベルを鳴らしてください」
シルフィーは笑顔で接客している。初めてなのにすぐできちゃうなんて……私も頑張らないと。
チリンチリン
「はい!ただいま!」
6番だよね。え〜と、あった。ザパァー……。
「お待たせしました。ご注文をお伺いします」
「オムライスとビーフシチューで」
「オムライスとビーフシチューですね。少々お待ちください」スイスイ
「店長さん、オムライスとビーフシチューお願いします」
「あいよ!」
「すみませーん!会計お願いします!」
「はーい!」スイー
「銀貨1枚と銅貨3枚です」
「はいよ」
「ちょうどですね。ありがとうございました」
「また来るよ」
やっぱり、お昼は混むよね。多すぎて間違えそう。シルフィーは歩いてるはずなのに、滑って運んでるみたいに滑らかな動きをしてるし。
「オムライスとビーフシチューです。ごゆっくりどうぞ」
落ち着いてる。シルフィーを見てる場合じゃないよね。がんばらないと。
この後、午後3時までお客さんでいっぱいでした。
「2人ともお疲れ様。少し休んで来るといいよ。お昼用意してあるから食べて」
「ありがとうございます。では、休憩入ります」
「ありがとう、てんちょー。休憩入りまーす」
「そういえば、グラントはどこいったの?話してるとこ、まだ見てないけど」
「この前、視線を感じる。とか言ってたでしょ?それが誰なのか探しに行ってる。そろそろ帰って来るよ」
「働きものだね。…ん!これ美味しい!」
「見た目普通のサンドウィッチだけど、見えないところに色々入ってるね」
「これは混むわけだね」
『ハラヘッタ、キノミー!』
「お、帰ってきた。お疲れ様。どうだった?」
『サッパリジャナ。ミツケタガ、ショウタイハワカランカッタ』
「そう。もう少し頑張って。と言ってすぐに悪いんだけど、私たちに疲労回復かけて」
『ショウガナイ、ヒロウカイフク!ワカイノニ、ナサケナイナ』
「やればわかるよ。やる?」
『エンリョスル』
「ねえシルフィー、早く食べないと次始まるよ」
「そうだった。それじゃグラント、引き続きよろしく!」
『ヤレルダケ、ヤッテミルヨ』
3人で店を回すなんて、すごいなあと思ってました。書いた自分が1番驚いてます。店の構造上セラの移動が大変です。どうしてこんな風にしたんだろう。




