2週間の看板娘たち〜後半〜
タイトルと書いてることが合ってないのでは?と思いつつ諦めました。この世界の食べ物は私たちのと一緒です。
「休憩終わり!っと、戻るよシルフィー」
「うん。グラント、もしかしたら店にその人来るかもしれないから、一緒に居ようよ」
『タシカニ、ワシデハナク、シルフィータチヲミテタノカモナ。コッソリテツダイナガラ、ミハッテイヨウ』
グラントはどうしても誰なのか知りたいみたいですね。変態さんは勘弁です。
「2人とも休めたかい?夕方からは、昼より忙しくなるよ。がんばってね」
「酔っ払いさんは嫌ですね。何してくるかわかりませんし」
「その時は抵抗して、最悪追い出せばいい。金は払ってもらってな」
「殴ってもいいの?」
「こら!言い方に気をつけなさい、シルフィー」
「いいよ。昔からうちはそうしてるし、そうさせてる。客もそれを承知で飲みにくるからな。最近は殴られに、わざわざ来る奴もいるぞ」
「つまり、いろんな変態がくると」
「そういうこと」
身の危険を感じても、何もできないかもしれない。私、ヒレ以外の力は人間族と変わらないから。店の構造上ヒレを水から出せないし。
「大丈夫。セラに何かあったら、私が助ける」
「ありがとう。でも、やりすぎないでね?」
「わかってる」
「これからの注意点を言っておこうか。まず、酔っ払いは今言った通りに対処。次に、昼よりも酒の注文が多くなるはずだ。君たちはまだわからないだろうから、精霊に聞くといい。以上だ!」
「はい。わかりました。って、ローアさん精霊認識できるんですか!?」
「見えないよ。シルフィーちゃんの目線があっちこっち動いてたからね。推測だったけど、当たりだな」
「人間族には見えないはずなのに、見えるんだって思ったよ」
「俺たち人間族は、特徴がないが、個人で持っているものを高めていくんだ。俺はたまたま観察眼だったわけだ」
「案外人間族が1番恐ろしいかも」
「それは言い過ぎだ。無駄話はこれくらいにして、そろそろ始めるぞ」
始まってすぐに店内はお祭り騒ぎになりました。グラントはお酒の並ぶ棚の前にいるらしいです。
「姉ちゃん、とりあえず安いものから持ってきてくれや」
「はい!」
安いものか。種類を言って欲しいんだけど。
棚に近づくと、すぐにお酒が一本浮いている。グラントが聞こえたものを用意してくれていたみたい。精霊って力が弱いって聞いたけど、どうやってるんだろう。あとで聞いてみよう。
「お待たせしました」
「確かに安いなこりゃ。姉ちゃんよくわかったな」
「勘ですよ」
精霊が選んだなんて言えない。
どうやら、夕方から来るのは常連のお酒が大好きな人たちみたいですね。厨房のローアさんとも楽しそうに喋ってる。
ビシッ!
ガッタァーン!
シルフィーがお尻を触られてデコピンしたみたいです。手加減してるよね?
「お触りは禁止ですよ。お客様」
「いいじゃねえか、ちょっとくらい。減るもんじゃないし」
「減る減らないは関係ないですよ。次はお金払って出て行ってくださいね」
「わかったよ。もうしないよ。………俺はな」
「なにか?」
「いえ、なんでもありません」
おいおい、なにやってんだよ。ワハハハハ!
と盛り上がってます。いやらしい視線を感じてます。
いつ自分が触られるかわからない恐怖がありますね。
「見ろよ、あの姉ちゃん、胸デケェぞ」
「はあ?何言ってんだよ。あのちっこい嬢ちゃんのがかわいいだろ」
「なんだと?お前また言ってんのかよ。懲りねえな」
「胸がでかけりゃいいお前にはわからんだろうよ!」
「あ?やんのか?」
「やってやろうじゃねえか!」
あらら、喧嘩が始まりました。酔っ払いはこれだから嫌いなんです。食器とか壊さないで欲しいです。
いいぞ!もっとやれ〜!おい、こっち来んな!
などと、このままだと大変ですね。
「シルフィー、お客さんの注目を私に集めてくれない?」
「いいけど何するの?」
「いいから」
「お客様、他の人に迷惑です。喧嘩はやめてください」
「うるせえな!今日こそはこいつと決着つけんだ!」
「お前は負けるがな」
「やめてと、言っているんです!その、胸の大きい子が何かするみたいですよ?やめなかったらやりませんよ?」
「何かするだと?どこでだよ」
「あそこです。あの人魚族用の場所」
私ならできる。と思って言ったけど、緊張してきた〜どうしよう〜。皆こっち見てるぅ。
「グラント!お願い!」
キラキラ
なんだか、落ち着いてきた。グラントが緊張を沈めてくれたのかな?ありがとうシルフィーたち。
「グラントってなんだ?姉ちゃん何してんだ?」
「始めるみたいですよ」
〜〜♪〜〜〜〜〜〜♪♪〜〜〜♪〜〜♪
「歌?聞いたことない歌だな」
「でも、なんだか楽しい。いや、安らぐみたいな。そんな気分になってきたな」
「お客様、席に座って聴かれてはいかがですか?」
「そうだな。そうするか」
『シレーナノウタハ、ハジメテカ?』
「うん。セラの声が透き通ってるみたい」
『シレーナハウタウシュゾク。ウタデ、カンジョウヲヒョウゲンスルノガ、スキナンダ』
「へえ〜」
「すみません。ワインください」
「はい、ただいま」
私、今歌ってる。歌えてる。いつから歌ってなかったんだっけ?まあいいや、そんなことは。歌うって楽しい。
「2人ともおつかれ〜。セラちゃん上手だったよ」
「いえいえ、そんなことないです。すみません、勝手に歌っちゃって」
「いいよいいよ。こっちも良い歌が聴けたし、店の損傷もなかったし、助かったよ。また、よろしく」
「はい。私でよければ」
「給料上げとくね」
「やったー。ありがとう、てんちょーさん」
「なんでシルフィーが喜んでるのよ」
「なんとなく」
「ハハハ、賑やかでいいね。じゃ、2週間頼むよ」
「はい!」
「おー!」
宿にて
「グラント〜。見つかった?」
『ダメダッタ。ケハイハアッタ、スガタハアラワサナカッタナ』
「悪い人じゃなきゃいいんだけど。無理はしないでね」
『ワカッテイル。シルフィーニメイワクハカケナイ』
「ねえねえ。グラントってお酒どうやって持ってたの?」
「普通に持ってたよ。手で」
「え?力弱くて持てないんじゃないの?」
「自分に効果を付与した。って言ってる」
「そうだったんだ。できるんだね」
「ワシにしかできんよ。だって」
「シルフィー大変だね」
「面倒なんだよね。疲れてるから余計に」
「ごめんね。もう寝よ。おやすみ」
「うん。おやすみぃ」
セラ視点難しいですね。グラントの声はセラには聞こえていませんよ。シルフィー以外にもです。言い忘れてましたが、セラはグラントに「さん」とかつけて呼んでいません。




