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勇者パーティーから追放された異常な【賢者】のイカれた行動と【勇者】の善行  作者: 金銅才狸


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え、4章、姉妹5【デッキブラシ?】



 遠い目で昔の事を語る老マフィアボス。

 その話は想像以上だった。

 イカれてやがる。


ニコは男を欺くのが上手いのじゃ」

「マジカ」


(俺も欺かれたのだろうか?)


「あの時も妹の幼馴染を上手く騙してな。高笑いした孫姉。そして……


『恋人なのに、やらせてくれない女が悪い』


 とワシの孫妹を責める妹の幼馴染彼氏」

「うわ〜〜〜」


 想像するだけで胃が痛くなる修羅場が脳裏に浮かんだ。


「マフィアのワシがドン引きする程の地獄じゃった。ワシとニコの血のつながりを強く感じてしまった」


(なんだそりゃ?? ああ……同類って事か?)


「テメェ〜も似たような最悪の過去があるって事じゃね〜か」

「ウム」


 マフィアのボスは頷いた。


「ウムじゃね〜よ。いや、ジジイの恋愛など、どうでも良い。問題はニコの事だ」


 ………想像した。

 確かに地獄絵図。

 修羅場だ。


「うっわ〜〜〜酷え。ニコ人でなしすぎる」

「永年マフィアしとる儂でも、中々お目にかかれ無い地獄絵図……じゃった」


 俺の恋人が、そんなに鬼畜ビッチな訳が無い。 そう思いたかったが……

 

 ジジイの話。

 軽く想像するだけで修羅場間違いなし。

 一体全体何やってんだ?

 あの姉妹?


「うわっちゃ〜」

「その日からワシの孫、妹の方は言葉を喋らなくなってしもうた」

「……え? 妹の無口。あれって先天性の病気じゃ無かったのか?」


 てっきり生まれつきかと思ってた。


「幼馴染彼氏を、姉に取られたショックのせいじゃ。浮気は心の殺人じゃ。妹の場合。心だけで無く声と頭脳も姉に殺されたんじゃ」

「うわ〜〜〜悲惨。その幼馴染彼氏の方はどうなった?」


 俺の疑問に老いたマフィアボスは……


「しらん。浮気するようなクズ男。孫姉の方も、そんなクズ男を大切にする訳無い」

「……まぁそうかな?」

「姉は、そもそも男にモテたから。妹の彼氏だから欲しがっただけで、用が済んだらアッサリと妹の元カレを捨てよった」


 スゲー。

 伊達に『ビッチ』や『公衆便所』と呼ばれてねえなニコ。

 いちいち行動が強すぎる。


「……ニコの奴。その様子じゃ、自分は浮気するのに男が浮気するのは駄目とか?」

「浮気するようなのは、男女共に総じてクズ。自分の事しか考えんじゃろうからなぁ。自分は良くても他人にヤラれたらキレるじゃろうな」


 老マフィアボスの言葉に……

 ……うん。まぁ、そのなんだ。

 俺も身に覚えがある。

 自分は浮気して良くても、恋人が浮気したらキレるクズ。

 俺の事か?


「そうだな」

「浮気するようなクズに、モラルを期待しても無駄じゃ」

「マフィアがモラルを、どうこう言うなよ。自分の孫にクズとかも言うな。ニコは俺の女だぞ」


 俺の批判にマフィアジジイは……


「なんでお主、そこの感覚だけはマトモなんじゃ? 聖人みたいな事を言いおって」

「そもそも俺はマトモな人間だ!」

「え? なんでじゃ? ぬしゃあ狂人じゃろ? 自覚無い狂人は危険じゃからな。自覚しておけ」


 マフィアの爺さんに………

 え? どうしてそんな嘘つくの?

 って顔をされた。


 勇者パーティー時代。

 イロイロと悪さして、他人から暴言を浴びる毎日に、負け犬の遠吠えは心地良いと返していた俺の日常。


 そんな俺でもジジイの態度には……

 ちょっと傷ついた。


「オマエこそ、どうしてそんなに浮気者に厳しく浮気者の心理に詳しいんだ?」


 俺はふと疑問に思った。

 老マフィアボスに聞くと………


「すまん。実際ワシも何度も女には裏切られてるから、つい……な。熱くなった」

「どうせオマエも浮気してただろ?」

「………………」


 沈黙する老マフィアボス。

 図星か。


「自分は浮気するのに、相手は駄目って、それじゃあニコとかわらない。と言うか、ニコはオマエに似たんだな」

「違う! 違わないけども違う!」

「何が違う?」

「男の浮気と女の浮気は違うじゃろ」


 ジジイは言い切った。


「性差別か? ん? マフィアが?」

「マフィアなんて案外保守的なもんだが……そうじゃ無い!」

「じゃあ何故、女の浮気は悪いんだ?」

「単純な話じゃ。わからんか?」


 マフィアジジイに聞かれて考えたが………


「わからん?」

「男は浮気しても子供を産めないが、女は浮気で子供を産むから罪が男より重いんじゃ」

「托卵か?」

「そう、それじゃ。何処の国でも托卵は浮気よりも重罪じゃからな」

「まぁ、そうかな」

「そして浮気で男は子供を産めない。托卵する事は出来ない」

「……托卵は女の特権……か」

「嫌な特権じゃ。最低の特権じゃ」


 この様子だと托卵された事がありそうだ。

 ま、深くは聞くまい。


 仮にニコや、その妹、彼女らの親が托卵であっても別に良いや。

 興味ないし。

 ソレよりもニコだ。

 俺はニコをどうするべきか?


 全て過去の事だと割り切るべきか?

 そして何代目か、わからぬ『公衆便所』の『デッキブラシ』の、2つ名を本格的に襲名するか?


 それともスパッとニコと別れるべきか?


 別れられるか?

 難題だ!

 なんだかんだ良いニコではあるんだ。可愛いんだ!


 だが……しかし

 【デッキブラシ】かぁ?

 賢者時代につけられた【人類の戦犯】とかよりも多少マシだろうか?


 あの時は特に報酬も出なったが、今回は不名誉な二つ名に美女ニコの報酬がついてくるんだよなぁ。

 

 自分の彼女がビッチだとか、頭がおかしくなるわ。




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