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契約妻は氷血公爵に縛られる  作者: 三日月
冷血公爵に縛られる(本編)
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第一章:氷点下の誓約書と冷血公爵の真意

〔一〕

叩きつけるような猛吹雪が、ガタガタと異音を立てるポンコツの辻馬車の木枠を

容赦なく打ち据えていた。車内にまで吹き込んでくる隙間風は、

針のように鋭くアリスの肌を刺し、指先の感覚を遠い昔に失わせている。

すり減った薄い靴底を通して伝わる靴底の冷たさは、

まるで骨の髄まで氷漬けにしようとしているかのようだった。

「……あ、う……っ」アリスは小さな身を縮ませ、膝の上で手垢のついた小さな風呂敷包みをぎゅっと抱きしめた。

中に入っているのは、死んだ実母が残してくれた古ぼけた手鏡ひとつと、

継母たちに破かれて継ぎ接ぎだらけになった替えの洋服が二着。

それが、ボールドウィン子爵家の長女として生を受けた十数年の人生で、

アリスが手に入れたすべての「財産」だった。ガタリ、と馬車が大きく揺れ、

アリスの華奢な体が壁面に叩きつけられる。鈍い痛みが走るが、

アリスは声すら上げなかった。実家では、少しでも痛みに声を上げれば

「うるさい」「不快だ」と継母のマリアや異母姉のエレノアから激しい罵声を

浴びせられ、さらなる暴力を引き出すだけだったからだ。

(耐えなければ…どんな場所であっても、あそこに戻されることに比べたら……)

アリスは蒼白な唇を噛み締め、凍てつく窓の外を見やった。

うねるような吹雪の合間から見え隠れするのは、北方の雄大な山々に抱かれた

漆黒の巨大な影——ヴァルハイト公爵城だ。ヴァルハイト公爵家。

王国の北方を一手に統制し、数々の国境戦線で敵国を破ってきた

黒竜騎士団(こくりゅうきしだん)を率いる最高峰の武功(ぶこう)の家系

そして現当主ルードヴィヒ・フォン・ヴァルハイト公爵は、

その類まれなる凄絶な強さと、敵味方問わず容赦なく切り捨てる冷徹さから、

王国中で『氷の公爵』『冷血の怪物』と恐れられている男だった。

本来であれば、貧しい零細貴族に過ぎないボールドウィン子爵家など、

公爵家の視界にすら入るはずもない。

だが半月前、子爵家に唐突に舞い込んだ一通の書簡が、

アリスの運命を決定的に変えたのだ。

『ヴァルハイト公爵家は後継者となる子を求めている。期間は一年。

我が家に相応しい子を授かれば十分な手当を与えて離縁する。

ただし、妻としての愛も情も一切期待するな』

と、恐ろしいほど整った文字で書かれたその手紙は、実質的な

「子供を産む道具の買収要請」だった。提示された結納金の額は、

没落寸前だったボールドウィン子爵家が何十年かけても

返せないほどの莫大な金貨の山。

だが、同時に「冷血非道と恐れられる公爵のもとへ嫁げば、命の保証すらない」

「後継者を産めなければ暗殺されるのでは」という恐ろしい噂も渦巻いていた。

大混乱の子爵邸で、実父と継母、そして異母姉が取った行動は明快だった。

『こんな(バケモノ)のもとへ、私のかわいいエレノアをやれるはずがないでしょう!

父さん、あの役立たずの女を代わりに差し出しなさいよ!』

継母マリアがヒステリックに叫び、愛娘のエレノアは

「そうよ、あんなブスで泥くさいアリスなら、

公爵様に殺されたって誰も困らないわ!」と嘲笑った。

実父は眉ひとつ動かさず、ただ冷たい目で見下ろしながら頷いたのだ。

『そうだな。お前のような無能(やくたたず)でも、公爵家の種馬の腹になれるなら

安い買いものだ。莫大な結納金はお前の育て代としてありがたく使わせてもらう。

せいぜい買い叩かれて捨てられないよう役に立て』旅立つの朝、

アリスには暖かい防寒具どころか、まともな食事すら与えられなかった。

手垢のついた小包ひとつだけを抱えさせられ、身を刺すような寒風の中、

ガタのきた辻馬車へと押し込まれたのだ。

(大丈夫……。私なら大丈夫。期待されないことにも、冷遇されることにも、

私はとうに慣れているんだから…)アリスは震える手で自身の肩を抱きしめた。

アリスの記憶にある最後の温もりは、七歳時に病死した優しい実母の笑顔だった。

母が亡くなった直後、父が後妻として連れてきたマリアと、

その連れ子エレノアによって、アリスの穏やかな日常は完膚なまでに破壊された。

前妻に瓜二つの美しさを秘めていたアリスの存在は、継母マリアにとって

激しい嫉妬の対象でしかなかった。アリスは「令嬢」としての立場を奪われ、

「名ばかりの無給の使用人」へと(おとし)められた。朝は誰よりも早く起きて、

井戸から凍てつく水を汲み上げ、広大な屋敷の廊下を雑巾がけする。

真冬の吹雪が吹き荒れる日であっても、庭の樹木の薪割り作業を命じられた。

出される食事は、継母や異母姉が残したカビの生えたパンの耳と、

具のない冷え切った残飯のようなスープのみ。

あてがわれた居場所は、冬場には隙間風が猛威を振るい、屋根裏の物置部屋——

破れた薄い毛布一枚で、寒さに震えながら朝を待つ日々だった。

アリスの手には、あかぎれや裂け傷、痛々しい(たこ)が幾重にも刻まれている。

痩せた体は、彼女が受けてきた過酷な酷使と理不尽な差別の証拠(しるし)そのものだった。

「おい、着いたぞ! 降りろ!」御者の粗暴な声と同時に、

馬車が激しく揺れ停止した。アリスは呼吸を整え、意を決し馬車の扉を開けた。

「……っ!」外に出た瞬間、あまりの冷気に息が詰まった。

そこは、見上げるほど巨大で重厚な黒鉄の門の前だった。

そびえ立つ公爵城の城壁は、まるで巨人の兵士たちが陣を組んでいるかのように

威厳に満ち、真冬の青白い月光を浴びて冷ややかに輝いている。

「ボールドウィン子爵家からの使者か」重厚な門が開かれ、中から全身を

深紅と漆黒の甲冑で身を包んだ威厳ある騎士たちが現れた。

その鋭い眼光に見つめられ、アリスは思わず身をすくめそうになったが、

必死で背筋を伸ばした。ここで怯えて無様に泣き出せば、

ボールドウィン子爵家だけでなく、自分という人間そのものが完全に

砕け散ってしまう気がしたからだ。「……はい。ボールドウィン子爵家が長女、

アリス・ボールドウィンと申します。ルードヴィヒ様にお会いしに参りました」

アリスは使い古しの無地のドレス——色あせ、幾度も自分の手で手縫い補修した

粗末な衣服の裾を静かに持ち上げ、淑女の礼(カーテシー)を捧げた。騎士たちは一瞬、

驚いたように目を見開いた。公爵家に嫁いでくる「令嬢」とは思えぬあまりにも

貧相な身なりと、しかしその所作の完璧な美しさ、そして何より、

吹雪の中で折れることのない透明な瞳の輝きに圧倒されたのだ。

「……案内する。ついて来い」騎士の先導のもと、アリスは城の広大な敷地へと踏み込んだ。


〔二〕

公爵城の中は、外の吹雪が嘘のように静まり返っていた。

…だが、暖かいわけではない。

城全体を支配しているのは、静寂という名のピンと張り詰めた緊張感だった。

磨き上げられた黒大理石の床には一切の塵すら落ちておらず、

廊下の両脇に飾られた古今東西の武具や絵画は、

このヴァルハイト公爵家が重ねてきた歴史と勝利の誇りを

無言で物語っている。すれ違う使用人や騎士たちは、

皆が一様に無駄のない洗練された動きを見せ、アリスの姿を目にすると立ち止まり、深く頭を垂れた。

実家で「飯つぶ潰しの穀つぶし」と罵られ、使用人からさえも蔑まれていた

アリスにとって、その光景はあまりにも現実感がなかった。

(……きっと、私に頭を下げているんじゃない。ヴァルハイト公爵家の『契約相手』という立場に対してお辞儀をしているだけ……)

そう自分に言い聞かせながら、アリスは緊張で固くなった指先を強く握りしめた。

長い回廊を抜け、城の最奥に位置する最も巨大な重厚な黒檀の扉の前で、騎士が足を止めた。

「ルードヴィヒ様。ボールドウィン子爵家よりアリス殿が到着いたしました」

「……入れ」扉の向こうから響いたのは、低く、地鳴りのように重厚な声だった。

部屋の四隅にまで波紋のように深く届くその響きには、

人間らしい一切の感情の揺らぎ(ゆらぎ)すら存在しない。

ただ耳にするだけで、全身の毛穴が収縮するような恐ろしい威圧感。

騎士が重厚な扉をゆっくりと押し開ける。豪奢なレリーフが幾重にも施された扉が

開かれた瞬間、アリスの全身の皮膚を突き刺したのは、

真冬の絶望的な湖底から吹き上げるかのような、針のように鋭い冷気(れいき)だった。

広大な執務室の窓ガラスには、繊細かつ禍々しい氷晶がびっしり咲き誇っていた。

室内を暖めるはずの巨大な石造りの暖炉の火さえも、

その尋常ならざる冷え込みに圧されているかのように、

小さく青白い炎を細々と揺らしているに過ぎない。

(……なに、この寒さは……? 暖炉がついているのに、外よりも寒い……?)

アリスは戸惑いと恐怖に体を震わせながら、部屋の奥へと視線を向けた。

最高級の黒銀木(こくぎんぼく)で作られた巨大な執務机の前に腰掛けていた男——

黒竜騎士団(こくりゅうきしだん)総長にして、最高峰の武功を誇る公爵

ルードヴィヒ・フォン・ヴァルハイトが、そこにいた。

「……あなたが、ボールドウィン子爵家から寄こされた娘か」

ルードヴィヒが静かに顔を上げる。アリスは息をのんだ。

流れるような美しい銀髪は、真冬の蒼い月光を浴びた氷結晶のように輝き、

彫りの深い完璧な顔立ちは、

古代神々の手によって削り出された不可侵の氷像(ひょうぞう)を思わせる。

だが、その圧倒的な美貌の裏にある漆黒(しっこく)の瞳には、

血の通った温もりなどひとかけらもない。数々の血塗(ちぬ)られた戦場を駆け抜け、

幾多の敵を屠ってきた本物の怪物(かいぶつ)だけが放つ、人を呑む圧倒的な威圧感(オーラ)が、

その場に立つアリスの膝をガタガタと恐怖で震えさせた。息を吸い込むことすら、

この強烈な覇気(はき)の前では過酷な作業に思えた。

「はい……。アリス(・ボールドウィン)と申します、ルードヴィヒ様」

アリスは必死に声を絞り出し、再び深く、静かに淑女の礼を捧げた。

指先は冷気と恐ろしいほどの緊張によって固く凍えついている。

だが、どんなに体が震え、恐ろしさに胸を引き裂かれそうになろうとも、

背筋だけは絶対に丸めまいと強く伸ばした。ルードヴィヒは手元の厚い書類から

一切視線を外さず、手にした高級な羽ペンを紙面に滑らせる。

カリカリ、カリカリという機械的な音だけが、静まり返った室内に虚しく響く。

「話は聞いているな、アリス」「……はい。我が家に提示された

契約条件(けいこく)につきましては、すべて把握しております」

「ならば余計な挨拶も言葉もいらんな。あらかじめ言っておくが、

私に愛を期待するなと言ったはずだ。私が金を払って買い取ったのは、

お前の血統(からだ)であって、お前という人間そのものではない。

私的な会話も感情の交流も、この屋敷では一切不要だ」冷酷に切り捨てられる。

常人であれば涙を流して絶望し、その場に立ち竦むような氷点(ひょうてん)の告白。

だが、過酷な実家で感情を殺し、理不尽に耐え抜いてきたアリスにとって、

その言葉はむしろ安堵をもたらすものですらあった。

期待されないこと、愛されないことには、とうに慣れ切っていたからだ。

むしろ、「道具」として扱われるほうが、過剰な期待をかけられて

裏切られるよりもずっと気が楽だった。

「承知いたしました、ルードヴィヒ様。私はただの契約の履行者として、

公爵家のご要望に沿うよう務めます」アリスが静かに、しかし迷いのない

透明な声でそう返答した瞬間——カリカリと心地よく響いていた羽ペンの音が、

ピタリと止まった。ルードヴィヒはゆっくりと顔を上げた。

その漆黒の瞳が、初めてアリスの姿を真っ直ぐに捉える。

瞳の奥に宿る眼光の鋭さに、アリスの背筋に冷たい戦慄が走った。

ルードヴィヒの視線は、アリスの表情ではなく、彼女が身に纏うボロボロの衣服、

足元の擦り切れた靴、そして何より、袖口から覗く無数のあかぎれと

酷使の跡が刻まれた痛々しい手に向けられていた。ルードヴィヒの眉根が、

ほんのわずか——肉眼では分からないほど微細に引きつる。

「……それが、ボールドウィン子爵家が『大切に育て上げた箱入り娘』の姿か」

低く落ちた声に、先ほどまでの冷淡さとは異なる、

静かだが危険な苛立ちの気配が混じる。

「あっ……申し訳ありません、このような見苦しい姿で……」

アリスは慌てて傷ついた手をドレスの袖の中に隠そうとした。

しかし、ルードヴィヒは机の上に置かれた一枚の羊皮紙——

誓約書(けいやくしょ)を引き寄せると、無造作にアリスの前へと滑らせた。

「無駄な言い訳は不要だ。……そこに署名しろ。それが済めば、お前は今日から

このヴァルハイト公爵邸の『契約妻』だ。自室は東棟の離れを用意してある。

必要なものは執事に言え」机の上に差し出された羊皮紙には、

恐ろしいほど整った美しい文字で、冷酷な条項が並んでいた。

【一、契約期間は一年とする。一年の間に公爵家の後継者を授かること】

【二、妻は公爵の私生活および執務に関与せず、互いに深い愛憎を持たないこと】

【三、満了後は相応の報酬と自由を与え、一切の関わりを絶って離縁すること】

【四、契約期間中、妻の安全と最低限の生活環境は公爵家が保証する】

それは、まさに自分という存在を道具として扱うための契約。

しかしアリスにとって、それは実家という絶望の檻から抜け出し、

生き延びるための唯一の蜘蛛の糸でもあった。「……サインさせていただきます」

アリスは差し出された重厚な羽ペンを手に取り、震える指先を必死に抑えながら、

自らの名前を署名した。『アリス・ボールドウィン』インクが紙に染み込み、

乾いていくのを見つめながら、アリスは深く息を吐き出す。

この冷酷非道と恐れられる氷の公爵のもとで、

これから一年間の夫婦生活が始まるのだと、彼女は静かに覚悟を決めるのだった。


〔三〕

署名を終えたアリスに対し、ルードヴィヒは冷淡に目線を逸らすと、

静かに呼び鈴を鳴らした。カラン、と澄んだ鈴の音が響くとほぼ同時に、

執務室の扉が静かに開く「お呼びでございますか、ルードヴィヒ様」現れたのは、

白髪を綺麗に整えた老執事ジャンだった。折り目の正しい燕尾服を纏い、

その温かな瞳には長年の経験を感じさせる深い知性が宿っている。

「ジャン、契約は完了した。この者を東棟の離れへ案内しろ。

……それと、腕利きの医師の手配と、必要な衣服および

食事の準備を最優先で整えよ。一切の妥協は許さん」

「かしこまりました、旦那様。ただちに万全の態勢を整えます」

ジャンは深々と頭を垂れ、それからアリスに向かって柔らかく微笑みかけた。

「……アリス様、どうぞこちらへ。長旅でお疲れでしょう」

「あ、はい……ありがとうございます、ジャン様」

「ジャン『様』などという敬称はお控えください。

私はヴァルハイト家に仕える一個の使用人に過ぎません。

今日からヴァルハイト公爵家の正当なるお妃となられたアリス様こそが、

私どもの敬うべき主君のお一人でございます」ジャンの言葉に、

アリスは胸が締め付けられるような感覚を覚えた。主君。お妃。

そんな言葉、自分にはあまりにも不似合いだ。

だが、ジャンの瞳には一切の嘲笑も嘘もなく、ただ純粋な敬意と

気遣いだけが満ちていた。アリスはルードヴィヒに向かって最後の一礼を捧げた。

ルードヴィヒはすでに手元の書類に目を落としており、

アリスの礼に応えることはなかった。執務室の重厚な扉が静かに閉じられる。

廊下に出ると、先ほどまでの刺すような激しい冷気は嘘のように和らいでいた。

執務室を満たしていたあの異常な冷気は、一体何だったのだろうか。

ルードヴィヒ公爵自身が放つ圧倒的な「覇気」と「孤高」が、

あの部屋の空気そのものを凍らせていたとしか思えなかった。

(ルードヴィヒ・フォン・ヴァルハイト様……。氷の公爵……)

アリスは歩みを進めながら、そっと自らの胸に手を当てた。

冷酷で、感情がなく、自分をただの「道具」として買い取った男。

だが、あの激しい苛立ちを含んだ瞳の奥に、何か触れてはいけない深い闇と、

理由のない熱が隠されていたような気がしてならない。

老執事ジャンの静かな先導のもと、アリスは本邸の重厚な廊下を歩を進めていく。

足下に敷き詰められた深紅の絨毯は、どれほど体重をかけても

靴音ひとつ立てぬほど厚手で滑らかであり、

壁面に掛けられた巨大な油彩画や貴金属の細工品は、

ヴァルハイト公爵家が誇る莫大な財力と歴史の深さを

無言のうちに語りかけてくる。

長い回廊を抜ける途中、アーチ状の窓から見える広大な中庭には、

真冬の凛とした冷気が満ちていた。

整然と整えられた薔薇の剪定庭園は白銀の雪に覆われ、

真冬の月光を反射して青白く妖しく輝いている。

実家のボールドウィン子爵邸で吹雪の中、

素手で庭木の薪割りをさせられていた記憶がよみがえり、

アリスは思わず自身の両肩を抱きしめるように小さく身を縮めた。

「……奥様、お寒くはございませんか?」前を行く老執事ジャンが、

静かに足を止めて振り返った。「いいえ……大丈夫でございます。

ただ、あまりにも素晴らしいお屋敷で、少し気圧されてしまいまして」

「そう言っていただけると光栄でございます。

……ですが、これからはここがアリス様のご自宅でございます。

どうか心ゆくまでお寛ぎください」ジャンの温かな言葉に支えられながら、

アリスはこれから始まる新しい生活——

そして、氷の公爵ルードヴィヒとの歪な契約夫婦生活への一歩を踏み出すのだった

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