52,迷子の女性を助けたよ
宿への帰り道
帽子をかぶった綺麗な女性がキョロキョロしてる
どうしたのかな?誰かを探してるみたい
「どうかしたんですか?」
「えっ」て振り返る キョロキョロしてるが下ですよ
「下です。小さくて」 悲しい
「あら、ごめんなさい。」って優しそうな顔の人だけどちょっと涙目ですよ
「どうしたんですか?」ってもう一度聞いた
「お店を見てたらはぐれてしまって。」
あぁ〜 迷子ね
「一緒に探しますよ。どんな人ですか」
って聞くと 紺色のワンピースの人で茶色の髪だって
ん〜 人多いなぁ
「どこか待ち合わせとか、行く予定だった所はありますか?」
「そうねぇ〜。変わった雑貨とかを見ようって話してたの。」
雑貨ね
「じゃあ、あっちの道具屋さんで聞いたらいいよ。物知りなおばさんが居るんだ。」
そう、道具屋のおばさんなら知ってそうだ
またはぐれたら大変だから
「手、つないで」と手を出した
「えっ」って「はぐれたら困る」
恥ずかしそうに手を出してくれた
手をつないで、道具屋さんを目指す 近いからね
この人、冷え性かな 手が冷たいし少し荒れてる
道具屋さんに着いた
「こんにちは、おばさん」
「あらあら、ショウちゃん。新しいのはまだ来てないよ。」だって
「今日は違うよ。この女性が雑貨屋さんどこかなって。」
「うちは道具屋だけどねぇ」って笑ってるよ
「知ってる。どこにあるか教えて。女性が行くような所」
おばさん爆笑で「うちは違うわね。」だって
「僕はここが好きだけどね。」って2人で笑った
「あのぉ」って不安そう
「そうそう、雑貨屋ね。この通りを真っ直ぐ行って左に糸のマークがある店がある。結構女性はそこに行くね」って教えてくれた
お礼を言ってまたくるね。って手を振ってお店を出た
「こっちだよ」
って道を歩く
歩きながら
「冷え性なの?」って聞くと
「ごめんなさいね。冷たいでしょう。」って
バッグからマーロルとフルールルースで作ったハンドクリームを出した
「これ、僕が作ったのだけど。手のカサカサも治るし冷え性に効くハーブを入れてるから。手に塗ってみて。」
と蓋を開けて渡した
ちょっと戸惑ってたけど俺が自分の手に塗って見せると
「良い香りね」って自分の手に塗った
蓋をして
「はい、これ使って」と渡した
「えっ。大事な物なんじゃないの?」って
「大丈夫。作れるから 僕はファーランのを使ってるんだ。これは素材があったから作ったのなんだ。」
「あら、あなたは薬師か錬金術師なのかしら?」
「違うよ、僕は冒険者なんだよ。素材採取や魔物の討伐をしてるんだ。最近はまぁ色々と作ったりしてるけどね。」
「まぁ、偉いのね。1人なの?」
「まぁ、1人だけどこの子も居るし。最近お兄さんが出来たんだ。僕のことを家族だって言ってくれてる。」
「なら今から帰るのね?」
「今日は元々借りてる部屋がある宿に戻るよ」
って話しながらお店に向かった
「奥様、良かったですここにいらして。」
ってお店の前に女性がいた
「ごめんなさいね。はぐれてしまって」
良かった会えたね
「会えたね。じゃあ、僕は帰るね。」
「ありがとうございます。今度一緒にお茶しましょう。」だって
「僕はこの先の宿、くま猫まる にいます。食事も美味しいですよ。食堂もしてるのでもし時間があれば寄って下さい。」
よし、宿に帰ろうっと
宿に帰って、ロダンさんにお酒を渡した
「楽しみにしてたんだ」って瓶を抱きしめてる
「アリサさんも飲める甘口もありますから飲んでみて下さい。あと、ザーランさんがそのうち来ますからよろしくお願いします。」
夕飯を食べてると
「ありがとうショウくん。美味しかったわ。一口飲んでみたのよ。」ってアリサさんが来た
「良かったです。また、今日仕込んだので。お店で出せるか、ロダンさんと検討してみて下さい。ザーランさんが来るのでもし注文あったら言って下さい。」
「もちろん、お店で出すわよ。あんな美味しいお酒初めてだもの。女性も飲めるのがいいわね。今までなかなか良いのがなかったから」
って喜んでくれた
「私とロダンも私物で買うわよ」だって
「ショウくん凄いわね。色々作れて。」
「ザーランさんと、キャロさんが協力してくれて。これから2人が石鹸とかも作ってくれるって言ってくれて。頼ってばかりです。僕を弟だって言って可愛がってくれます。」
アリサさんが嬉しそうに
「良かったわね。」って言ってくれた




