13.新しい家
少し、これまでのことを言おうか。
ミカのお父さん、お母さんが天国に僕を助けるように要請して、助けられた。
そのまま僕は天国の屋敷に案内され、そこでしばらくの間暮らすことになった。
僕の世界の管理は天国側がしてくれるようだ。
その屋敷は天国の結構地位の高い一族の屋敷だそうで、ぼくはそこで全てを一から学ぶ。
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「いらっしゃいませ。」
屋敷に入ると、まるでカフェのように出迎えてくれる。
出迎えてくれた執事の名前はジョージというらしい。
「あなたが、英樹様でございますか?」
「はい。」
「どうぞ、こちらへ。」
ぼくはジョージに案内され、エレベーターに乗った。
「この屋敷の主は…誰なんですか?」
「この屋敷はナー様が所有していますが、ナー様はあなたが『あいつ』と呼ばれている方と
話をするために、地獄に行かれたんですが、そのまま帰っておられないのです。」
そう言っている間にエレベーターは止まり、扉があいた。
長い長い廊下が続いていたが、ぼくは一つ目の扉に案内された。
「ここが英樹様のお部屋になります。」
「ありがとう。」
鍵を渡され、部屋に入る。
そこには4人は寝れるであろうベッドがあった。
そのほかにも綺麗な棚、庭を見渡せるベランダも付いていた。
ぼくは思った。ここの家主とやらのナー様がいなくなってから、この屋敷は悲しげにそびえ立っているだけなのだろう。
さっき通った長い長い廊下。全てに扉が付いていたが、どれも使われているようではなかった。
庭はしっかりと手入れされているようだが、なぜか、寂しい気分になる。
コンコン
誰かが扉を叩いた。
「どうぞ。」
来たのは、ぼくと同い年くらいの女の子。
「新しいお客様がいらしたということなので、挨拶に参りました。私はマーと申します。この屋敷のメイドです。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。英樹と言います。」
マーはそのまま振り向いて帰っていった。あまり好きなタイプではないな、と思った。




