14.屋敷-#1
屋敷に来て1日目。
まずは読み書きだった。ここ天国では日本語は一応伝わるが、きちんとした言葉を喋らなければ無礼とされるらしい。
これは地獄でも同じだそうだ。
ぼくは天国の字と地獄の字、両方習うことになった。
「これって、いつまでかかりますか?」
「まぁ、私の場合は3年ほどですね。」
教えてくれるのは執事のジョージだ。
ぼくは紙と鉛筆を持たされ、勉強を始める。
「私もこうやって、人に教えるのは久しぶりのことですね。ナー様がいなくなるまでは、たくさんのお客様がいらしていたのですがね。」
「そうですか。」
ぼくは壁に貼ってあるいかにも子供向けの文字表を紙に書いていく。
文字はまるで、あれだ。あの、よくいろんな映画に出てくる暗号みたいな文字。
なんとなく日本語に近い気がすることもない。
日本語と中国語みたいな感じだ。
読も日本語に近い。特に発音というものが日本語に似ているのだ。
英語みたいな難しい発音がない。
「では、最初に…??!」
「どうしたんですか?」
「もう書いてるんですか?」
ぼくは静かに頷いた。ぼくは言われなくともできるやつだ。自分で言うのもなんだけど。
「ぜ、全部あってますよ。」
そう言いながらジョージは赤い鉛筆で大きな丸をした。
「えっ、あの、前の表を写したんですよ…?」
ぼくは素直にいった。
「それだけで…??」
それだけで?と言うのはどう言う意味だろうか?
「ど、どう言う意味ですか?」
「普通の人は、この文字一式を書くのに1年ほどかかるんですよ?」
「?!」
そうなのか?ぼくは普通にかけたぞ。
「あの…なんだかぼくの前世の言語の、日本語に似てる気がします。」
「だからですか…」
何か意味があるのか?
「この言葉はナー様が考えられたものなのです。ナー様も元は日本語を使われていたと言います。ここに来た元日本人たちはスラスラとこれを覚えるのです。」
やっぱりそうか。日本語と関連性があると思った。
「と言うことは、すぐ覚えられるので、すぐ次のことに行けますね。」
ジョージはホッとしたように椅子に腰をかけた。




