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第50話 似た人 ①


 ドーンと空から大きな何かが降ってきた。


 それは上半身が人間、下半身がヘビという化け物だった。


 その顔は間違いなく青子だ。


 だが、その目つきは鋭く、細く長い舌をちろちろと出す様は、もうほとんどヘビである。


「くそ! 私はね、もともと雅親なんかに興味はなかったのよ! 私は……私は、近所に住む年上の優しい、お兄さんが大好きだったの……でも、実はすっごく遊び人だった。ある日、聞いちゃったのよ。青子が最近うっとうしいって……あんなに、あんなに優しくしてくれたのに。しかも、他の綺麗な大人の女性に笑いながら言ってたのよ。本当につらかった……それでも心配してくれるだろうって、私、山で摘んできた草の毒を飲んだの。もちろん、死ぬ気なんてなかった。ちょっと心配してくれるかなって、試したかっただけなのに……私、そしたら……私、死んでしまったの……」


 突然、ヘビになった青子は涙ながらに自分の過去について話しだした。


「で、でも、おねぇちゃんは流行り病で亡くなったはずじゃ……?」


 大きな青子を見上げるようにして、雅親は口を挟んだ。


「そんなの、世間体を気にした家の者が隠しただけよ! 復讐してやろうと思ったの、その人の代わりに。もてあそんだ女性に刺されて死んだ雅親を、その人の代わりにね!」


 シャーっと舌を出しながら青子は雅親を見下ろし、にらみつける。


「ちょっと! 雅ちゃんの幼いころの恋心を使って、青子も同じようなことしてるじゃない! それに、その年上の優しい遊び人と雅ちゃんは関係ないでしょ!!!」


 美希果も青子の顔を見上げ、怒鳴った。


「だって、雅親もいろんな女の人と遊んで、悪いじゃないの!! それに……それに、私の好きだった年上の人は、雅親の一番上の兄さんよ!!! 真面目ぶりやがって……許せん!!!」


「えっ? そうだったの!? 俺の兄さんかよー」


 まさか自分の兄さんだったとは……思ってもみなかった雅親は、他人事のようにキョトンとしてしまう。


「じゃあ、百歩譲って雅ちゃんに復讐するとしても、何で私が巻き込まれるのよ!!! 今まで私にだって、恋愛の機会はいくらかあったのよ!!! 何で夢にまで出てきて邪魔するの!!! 私は関係ないでしょ!!!」


 美希果はブルブル震えながら泣き叫んだ。


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