第23話 ノブオとジュンジがスーパーセンター(二) ③
「なぁ、焼き鳥見に行こう! 美希果が先に行ってるから」
「おっ、行こう、行こう!!! 焼き鳥、焼き鳥ぃぃ」
ノブオはジュンジの肩で小気味よくステップを刻む。
「あっ、じゃあ急がなきゃ」
「早くー、早くー!!!」
人から見えないのをいいことに、雅親は元気に走り出す。
ジュンジはプリプリと競歩スタイルでその後を追った。
さすがスーパーセンター。麺の売り場からお惣菜の売り場までは、なかなか遠いのであった。
お惣菜コーナーでは、トングでつかむ98円均一の揚げ物やパックに入った焼き鳥、サラダなどいくつかカゴに入れ、お菓子売り場でもポテチなどを入れた。
そして、パンコーナーのところで、美希果がおすすめだという、この地域ではかなり有名らしいコッペパンもカゴに追加した。
「スーパーなんて全国どこでも同じだと思ってたけど、なかなか違うんですね。知らないことって、いっぱいあるんだなぁ……」
ジュンジはしみじみとぼやいた。
「そうだな。でもそれってなんか、楽しいもんだな!」
ノブオはジュンジのぼやきに答える。
また美希果が支払いを済ませ、家から持ってきたピンクの支払い済みのカゴにシールを貼ってもらうと、カートに再び乗せる。
次は酒売り場だ。ビールやら日本酒、ワインなど、はしゃぎまくる雅親とノブオが見立てたものを購入した。
「あの、美希果さん……きよちゃん、本当に払ってくれますかね?」
不安になるジュンジは美希果に確認する。
「大丈夫よ、払わせるから! なんてね、それは冗談だけど……きよちゃん、すっごく真面目だし、それにジュンちゃんとノブオさんにはちゃんとごはん食べさせてください、って頼まれてるからさ。レシートもね、ちゃんととっといてくださいね、って何度も口酸っぱく言われてるの。まぁ、そんなに心配しないで」
「へぇー……そうなんだ……」
きよちゃんがすっごく真面目……
あんなに面倒くさそうに、僕やノブオさんには何も説明してくれず、いきなり美希果の家に飛ばしたのに、そんなきよちゃんは真面目……
意外過ぎて、ジュンジの頭の中はぐるぐると同じことが巡る。
ただ、自分とノブオのことを気にかけてくれていることはなんとなくわかり、ちょっと嬉しい。
「じゃぁ、帰りましょうか」
美希果は皆に呼びかけた。
「はーい!!!」
皆は元気に声を合わせ、返事した。
ジュンジが推すカートには食品がパンパンに入ったカゴと、お酒と衣類の袋がたくさんつり下がっている。
それらを手分けして車に積み、四人は家路につくのだった。




