第23話 ノブオとジュンジがスーパーセンター(二) ②
「雅ちゃん、いつも一人か、私と二人だけでしか、ごはん食べることないから……みんなで一緒に食事して、お酒も飲めるっていうのがすっごく嬉しいみたい」
「あっ、そうか、そうなんだ……」
ジュンジには、やっとわかった。
「だから、ジュンちゃんとノブオさんが来てくれて、雅ちゃんも私もすっごく嬉しいんだからさ。あんまり遠慮とか、しなくていいんだからね」
美希果は優しく言うと、ジュンジの肩をポンポンと軽くたたいた。
「あっ……ありがとう……」
ジュンジは急に心が軽くなったようになり、涙が出てきた。
今まで自分は必要のない、いない方がいい人間なんだと、意識的にも無意識的にも常に心のどこかで思っていた。
でも、そんなことないよ、と言ってもらえたような気がして、不思議な衝撃を受けたようになった。
「おぉ、ジュンジ!! ここの納豆売り場は本当にすごいぞ!!!」
感動するノブオは叫んだ。
いつの間にか、美希果とその肩に乗るノブオと雅親の三人は、納豆を選んでいた。
ジュンジは泣いていたのがばれないように、さっと涙をぬぐうと一緒に納豆を見る。
「本当だ。こんなにたくさんの種類の納豆、見たことないや。ひきわりも充実しすぎだよ」
ジュンジも驚いた。
「なぁ、美希果ぁ。俺今度これ食ってみたいぃ!!」
「えぇー、しょうがないなぁ……もう」
おねだり上手な座敷ハタチは幼子のような可愛さを発揮し、欲しいものをカゴへと誘う。
ノブオはジュンジの肩へ移ってきた。
「なぁ、ジュンジ。あっちの麺のコーナーも見に行こう! なんか見たことないのがありそうだぜ」
ノブオもはしゃいでいる。
どれどれ、とジュンジは冷蔵の麺のところを見に行く。
ジュンジは一つ、麺の袋を手に取り、その調理法をまじまじと見ながら言った。
「なんだこれ? 温麺って書いてあるけど……あっ、冷麺もこんなに種類があるのか。そうか、有名だからね」
「おいしそうだな、これ。今度帰るときにさ、お土産に買って帰ろうぜ」
「えっ? ノブオさん、誰に買ってくの?」
純粋に、何も考えずに質問してしまった。ジュンジは後悔した。
「えっ、誰にって……一緒に食べようぜ、ジュンジ!!! あっ、それにきよちゃんとストハニゲにもさ」
目をギョロギョロさせながら、ノブオは答えた。
「そ、そうですよね。うん、一緒に食べよう……」
ジュンジが手に持った袋を戻したとき、ちょうど雅親が楽しそうにやってきた。




