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No.44.5 ダンジョン攻略のその後

 僕は友人の林道アキラの電話により、昔作った秘密基地に来た。そして秘密基地がダンジョン化しており、僕は単身でダンジョン攻略することになる。

 僕のスキル「シャッフル」とダンジョンルールが噛み合った結果ダンジョンから出られなくなったのが原因だけどね。

 あとから知ったことなのだが、この『秘密:百戦錬磨の仮面』は1人しか入場できないダンジョンだったらしい。当時の僕の救援を待たないでダンジョン攻略する判断は間違ってなかったようだ。



 僕がSダンジョンを攻略したその後、友人たちが頑張ったみたいだ。

 僕がダンジョン攻略中にアキラは、レンゲに連絡をしていた。あぁ..南条レンゲね、彼も僕の友人だよ。小学生の時この3人で秘密基地を作ったんだ。


 連絡を受けたレンゲは、秘密基地がダンジョンになったことと僕がピンチであることを知ると、今やっている事業を放り投げて、日本に帰ってきた。レンゲは天才だ。世界数多の人が彼を必要としている。それらを無視しても僕のピンチの時にはかけつけてくれるらしい。いい友人を持ったものだ。


 ダンジョン攻略から2日、僕たち3人はアキラの部屋に集まっていた。

 当然、秘密基地ダンジョンのことは国にも報告していないし、アキラの家族にも伝えていない。僕の魔法のボケットにはまだ、ダンジョンで手に入れた物を仕舞っている。今日、これらの使い道を相談するために集まったのだ。



「さぁ、カケルダンジョンで手に入れたもの全部出せ。」

「Sランクダンジョン産、僕も気になるよ。見せてくれるかい。」

「そんなに見たいか?いいだろう。まぁ、消耗品は使ちゃったけどな。」


 僕は、手に入れたものを取り出し順番に並べる。


 54階層、木の宝箱『大魔石(闇)』

 28階層、金の宝爆『金銭創札機《きんせんそうさつき》』

 11階層、鉄の宝箱『スラクリーム』

 93階層、銀の宝箱『苦獄《くごく》・風纏竜千《かぜまといりゅうせん》』:短剣

 81階層、木の宝箱 使ったため無し⇒『ハイポーション(赤)×2)

 2階層、木の宝箱『百足柄のカーテン』



「へぇー、宝箱っていろいろなものが出るんだね。」

「そうなんだ。宝箱は魔石や素材、それとボス魔物に関連した物が出るから種類が多いんだ。」

「うん。そのことは知っていたけど実際に見るとね....」


「それで、使うのか?売るのか?売るなら俺がタダで仲介してやるよ。」

「余ったら売るつもりだよ。お前ら、欲しいものはあるか?短剣は僕のメイン武器だから僕が使う予定だ。『スラクリーム』はプレゼントしたい人がいるから渡さないよ。」

「んんっ?女にプレゼントするのか。あの子か、Eランク試験であった、藍沢レンって子にあげるのか。」

「藍沢レン....小学校の時、同じクラスになったことがある本好きの女の子だったね。」


「違うよ。『スラクリーム』ミエばあちゃんにプレゼントするんだ。お世話になったからね。」

「ばばぁにやるってぇ⁉止めとけ止めとけ、『スラクリーム』なんて手に入らんものやるなんて、バカだろお前。」

「アキラ、ミエさん後ろにいるよ。」


 レンゲの言葉を聞き、アキラは振り返る。秘密の会議をしている最中だ。当然ミエばあちゃんは居ない。こんな感じで、僕とレンゲがアキラに茶々をいれてたりして話が進む。


「それで僕は『大魔石(闇)』と『百足柄のカーテン』が欲しいかな。こんな大きい属性魔石を研究したいから欲しい。言い値で買い取るよ。『百足柄のカーテン』は僕の趣味だね。昔から昆虫が好きでね、これも買い取るよ。」

「『百足柄のカーテン』はあげるよ。柄が柄だし、1,000円で売れたらいいなって思ってたぐらだし。属性魔石は友達価格で100万でどうだ。」

「それだとカケル、損するよね。僕たぶん君以上に稼いでいるから300万で買い取るよ。後処理もやっておくから、誰から手に入れたか探られないようにしておくよ。」


 後処理というのは、冒険者協会にに一度売ることだ。基本的に手に入れた魔石は本人が冒険者協会に直接売りに行くので、誰が売った魔石なのか協会に把握される。信用できる外部の仲間がいれば、こんな感じに隠すことは可能だけどね。主に目立ちなくない人や前科あり冒険者が裏の仕事をする人にお願いする形で使っている。


「俺は、『金銭創札機《きんせんそうさつき》』。これが気になる。」

「これ、やばいものだから国に寄付する予定だよ。」

「いや、それは勿体ない。うまく使えばお金を湯水のごとく使えるようになる機械だよ。」

「お金を複製する機械ね。んーと....今の時代だとアメリカのドル札が一番価値があるね。でも、紙幣の記番号とかはどうなるのかな?簡単にはいかないよアキラ。」

「分かってるよ。よし、試しに使ってみるか。」


「アキラもレンゲもコレ使う気なの?止めた方が良いと思うよ。」

「こんな言葉がある。バレなきゃ問題ない。」

「やりすぎなければ大丈夫だと思うよ。アキラがやらかしそうなら、僕が止めるからね。アキラ、資金運用するなら相談にのるよ。アキラはお金に溺れる心配はないから、そこは安心だね。」


「まあな。金に関しては困ったことないからな。」


「それよりも、カケル。お前まだ肝心《かんじん》の物出してないよな。攻略したんだろ。最終階層の宝箱はどうだったんだ。」

「あぁ....それに関しては、秘密にして欲しいな。これを見て欲しい。」


 僕はスマホを取り出し、虹色に輝く宝箱の写真を見せる。この時の2人が『虹の宝箱』の写真を見て驚愕した顔は、忘れられない。

 落ち着いたところで、事情を話したところ満場一致で秘密にしておくべきだと結論になる。最低でも強い後ろ盾ができるまで公表するべきではないということだ。

 まだ僕たちは20歳だ。地盤の固まってない状態で狡猾な大人たちと戦えるほど強くはない。家の力が強くても、世界的な研究者になってもね。



 宝箱の中身の振り分けを終えた後は、アキラからはダンジョン内のことについて詳しく聞かれた。レンゲからは覚醒者《ユニーク》職業「ギャンブラー」について根掘り葉掘り聞かれた。逆に僕は、レンゲのこれまで研究してきたことについて聞いたよ。

 あの【ロックオン】研究をしているマイナー学者を囲っているのはレンゲの組織なんだって、驚いたよ。

 それと、レンゲはダンジョン産の魔石・素材の研究をしているらしい。

 魔石は地球の物質で、作成もしくは複製できないか探っているらしい。また、魔石ゴミの再利用も検討しているようだ。

 素材は冒険者装備以外の使い道の研究らしい。今の時代でも、宇宙に夢を見ている者がいる。今は、そんな人のお手伝いをしているようだ。



 僕らはアキラのご厚意で夕食をいただき、夜遅くまでいろいろなことをした。レンゲは急な日本帰りをしたので泊っていくそうだ。それと、アキラから新事業の相談を受けていた。夜通し話し合うそうだ。僕は家に帰ることにする。

 帰る前にミエばあちゃんに『スラクリーム』をプレゼントするのも忘れずにしておいたよ。


 昔の友人2人の元気な姿も見れたので良かったと思う。もし、助けが必要になれば助けてくれるらしい。日本の財閥の跡取り、世界の天才研究者とパイプがある安心感は伊達ではないね。昔の僕に感謝だ。

 まぁ後は、僕が最強になれば向かうどころ敵無しだね。


 今回のダンジョンで僕自身のレベルは相当上がった。このレベルなら、プロと呼ばれるCランク冒険者まで行けるだろう。その後はどうするかは考え中だが、これについては後々《のちのち》だね。今は、絶望的な状況から帰還できたことを喜ぶことにするよ。



 それから1週間ほど僕はダンジョンに向かえずにいた。僕が自宅待機していた間にアキラ達がとある事業を起こした。テレビのニュースや冒険者の掲示板がやばいことになっていたよ。

 彼らのとある事業については、また別のお話ということで.....


3章『懐かしの秘密基地編』終了です。


次は、掲示板回です。

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