No.40 私怨の仮面戦:1 2つのスキルの脅威
100階層ボスの簡易ステータス↓↓↓
♡♡♡♡♡
名前:醜く穢れた私怨の仮面
Lv:1,099
HP:446,013/446,013 [46万6,013]
MP:1,903,333/1,903,333 [190万3,333]
(呪い:逃走不可)
〈スキル〉
「百面相」「無垢の生」
「秘密の試練:逃」
♡♡♡♡♡
100層のボス、真っ黒な仮面。名前が『醜く穢れた私怨の仮面』と相対し、それのステータスを見た僕は、初めての見た現象に戸惑っていた。
HPとMP以外のステータスが不明なのだ。それに、このダンジョン特有のスキルを除けば、2つしかスキルがない。
わけが分からない。異常すぎる現象に僕は、何の行動もおこせずその場にとどまっり続けていた。
【ロックオン】により僕に気づいた仮面が灰色のオーラを纏い始める。その光景により、僕は思考の海を漂っていた意識を取り戻し、短剣を手に持ち戦闘態勢をとる。
この警戒状態で続けて相手のスキル能力を見る行為は、のちに最初で最後の攻撃チャンスを逃した行為だったと知ることになった。先制攻撃ができていれば、こんな苦労しなかったのにと......
仮面は灰色のオーラを纏いスキルを使用する。
始めに1つのスキルの効果ににより、真っ黒な仮面が複製されていく。見ると、その複製された仮面は本体とは違う形状をしており、歪んでいるようにも見えた。複製された仮面の数は数えていないが、たぶん本体含めて100体になっているはずだ。これはスキル「百面相」の能力だと思われる。
複製が終わった途端にそれぞれの仮面が白色のオーラを纏い始める。そうして、「無垢の生」のスキルが発動された。
輪郭が分かるのに姿は透明。僕と同じくらいの大きさで人型の何かが、それぞれの仮面から形成されていく。先ず頭が作られ、体ができる。体から四肢が生えていき人型になる。人型の何かの顔には真っ黒な仮面がつけられている。
この2つのスキルにより1人vs仮面から、数秒にして1人対vs100人の状況に変化した。仮面がスキルを使用してから約30秒でである。
僕もただその光景を見ていたわけではない。警戒態勢のまま仮面のスキルの説明欄を流し読みしていた。少しでもスキルの情報が欲しかったのだ。まぁ、読んだあと先制攻撃をしなかった自分を殴りたい気持ちにもなったけど.......
♡♡♡♡♡
「百面相」
MP1万 アクティブ
醜く穢れた私怨の仮面の固有スキル。内なる感情を吐き出せ。
自身と同様の存在を複製する。しかし、どこか歪である。
1つにつきMP1万を消費する。最大100体。レベルは共有する。
複製された感情(表情)によりステータスが変化する。
「無垢の生」
レバル1~ アクティブ
醜く穢れた私怨の仮面の固有スキル。依り代なる生命の誕生。
自身のレベル1を消費し『無垢なる生命』を作り出す。
『無垢なる生命』は対象を参照し、似た存在として生まれる。
(対象:錦戸翔)
⇒『無垢なる生命』
必ずレベル1で生まれる。10秒ごとにレベルが1上昇する。
対象が持つスキル・魔法を対象と同じレベルで取得する。
上限は本体のレベルの半分。
♡♡♡♡♡
この2つのスキル、使わせてはいけなかった。阻止できなくても、スキル動作の最中に1回でも多く攻撃をしてダメージを与えるべきだった。
初動で仮面に有利を取られ、仮面の軍団を形成させてしまった。僕は、その失敗を取り戻すように走り出す。スキル説明欄を読んだ通り、時間が経つに連れて『無垢なる生命』達は強くなっていく。一番近くにいる奴に突撃し切り刻む。それほど時間が経っていないので一撃で葬ることができた。
それにしても、数が多いので苦戦を強いられている。それに、魔物も葬られているのただ見ているわけではない。ステータス差で勝てないと理解すると全力で逃げ回るのだ。さらに、途中ダメージを与えても消滅しない個体が僕の前を塞ぐ。
本体(Lv1,000)なのだろう。こいつが厄介で、避けても避けても追ついては僕の前を塞ぎにくる。これにより、余計な時間を取られてしまっていた。
『無垢なる生命』を20数体ほど倒したところで、仮面軍団の動きが変化した。
耳を塞ぎたくなるほどの奇声が仮面軍団から放たれる。
そして、その奇声によりおこされた光景を見て、僕は自分が死ぬ未来が見えた。
奇声の後、1体を除き仮面軍団の真上にサイコロが生成されていく。
使ってくる可能性は予想はしていたが、最低でもそのスキルを使わせる前に半分ぐらいは倒しておきたかった。
スキル名は「ダイスロール」。
『無垢なる生命』の説明欄にあったように、仮面軍団は時間が経つにつれて僕のスキル・魔法を使ってくるようになる。序盤はMPが少なかったので使ってこなかったようだが、1分でも経てばレベル7になりMPに余裕がでてくるので、僕の力を積極的に使ってくるようになる。
このスキルの効果を知っている僕には絶望的な光景である。僕のHPは891。【1の目】の固定ダメージ100を10回出されただけで僕は死ぬ。スキルの為クールタイムは存在しない。連発されたら終わりだ。
これを防ぐためにもできるだけ数を減らしておきたかったのだ。
僕に止められないようにするために、同時にスキルを使ってくるとは思わなかったが....
少しでも数を減らすために僕は走り出す。そして、それを邪魔するのが《《本体》》である。見事なタンクムーブだ。自身のHPを犠牲にして僕を確実に殺すための動きをする。
自分の子を守るために立ち向かう母のような行動により、僕の追撃は完全に防がれてしまった。
その間に仮面軍団のサイコロが完成して、それぞれの手元に落ちてくる。そして、流れるような動作でサイコロを投げ始める。
後は、僕の運に期待するしかなくなった。いや、「ダイスロール」には弱点がある。僕はこのダンジョンのボスに散々その弱点を突かれて苦労させられた。
運にすがる前にまだやれることがあるだろう。自分自身を鼓舞し、僕は手に持っている短剣の苦獄・風纏竜千の刃の部分を撫でる。そして短剣を地面に突き刺し、魔法を発動した。




