エピローグ:盗賊と王女と花言葉
エピローグ
「それにしても、今回は色々と大変でしたな」とBARのマスターは言った。
2人はカウンターに座りいつもの飲み物を飲んでいた。
「本当、大変だったわよ!急いで城を出たものだから、服はそのままだったし馬車も乗れなくて、1時間かけて戻って来たら夜になっちゃったし、慌ててホテルに帰って、爺が捨てた花を…」と言葉を止めた。
あの夜、ランドが途中で終わった言葉。
永遠の…
その先をまだ聞いていなかった。
あーだこーだゴチャゴチャしていて、すっかり忘れていた。
もちろん、花はホテルに帰るや否や、花瓶に移し変えた。
プリムは急に恥ずかしくなってきた。
「んっ?プリム?どうしたんだ?」とレモンスカッシュに入って居た氷を噛みながらランドが聞いて来た。
「えっ…?あっ…いやっ…その…ほらっ!このBARも潰されなくて良かったなぁ〜って思って」と話題を変えようとした。
マスターが話す。
「そうだな!これもランド様様だな!はっはっはっ(笑)」と言う。
「へぇ〜…ランドが何かしたの?」とプリムはマスターに聞いた。
「ヤだなぁ〜プリムちゃん。お城で何を聞いてたんだい?」と茶化す。
プリムは本当に分からないと言う顔をしていた。
「ほらっランドが、お城で南瓜を倒したって言ってたろ?それで、王様に願い事を1つ聞いてもらったろ?」
プリムは頷いた。
「その、願いさ!このBARを潰さないでくれ!ってね。」とマスターは自慢げに言う。
プリムはえっ?と言う顔をしてランドに聞いた。
「ランド…貴方、私に成婚の儀を求めに来たんじゃ無いの?」と…。
「成婚の儀?何それ?」とランドは答えて、グラスに残った氷を口にほおりこむ。
「えっ?じゃあ、血だらけになって…騎士団長と戦ったり、南瓜と戦ったりしたのは全部、このBARの為?」と聞くと、ランドは頷いた。
「あの夜。私の部屋に来て花をくれたわよね?あの時の言葉使いとかは何?」
ランドは口の氷を噛み砕き答えた。
「ん〜…冗談と言うか、いつもの軽い感じじゃなくて固い雰囲気で話そうかなって思って」と…。
プリムは目を伏せた。
怒りがフルフルと湧き出てくる。
そんな状態を気付いたのはマスターだけであった。「じゃ…じゃあ、あの花の花言葉は何?」と聞く。
ランドは少し間を開けた。氷を食べて頭が痛くなったのだ。
しかし、プリムは恥ずかしいのかなっ?って思い少し怒りを和らげた。
少し経って、ランドが答える。
「あの花の花言葉は…
永遠の"家族"って言う意味なんだ。」
その言葉を聞き少しガッカリしたが良く考える。
"家族"?"家族"って事は、ずっと一緒に居たいって事?とプリムは考えていた。
その頭の中を読んだのか分からないがランドは続けた。
「永遠の"家族"…ずっとずっと一緒に居たい人にしか贈らないんだ…あの花は…。昔、母さんがあの花を俺にくれた。俺は、本当に誰かと一緒に居たいって気持ちを伝える為にあの花を好きな人に贈る事にしてるんだ。」と言う。
ずっと一緒…好きな人!いや!コレはプロポーズじゃない!とプリムは怒りを忘れランドの方を見て話しかけようとしたが、ランドの話はまだ続いていた。
「だから、俺はプリムやマスター…それから、俺の子分達に花を贈ったんだ。」と…笑いながら答えた。
「私や"マスター"達に…?」とマスターを睨むが、マスターは店の奥にささっと逃げていた。
「あの花…綺麗だろ?名前は分からないんだけど…」と話を止めた。
プリムから物凄い殺気を感じたからである。
「あれ?プリム…どうしたの?」と聞くが、プリムの耳には聞こえて無かった。
プリムが口を開いた。
「ランドの…ランドの…バカーーー!!」と同時にパンチが飛んできた。
「あ…あのぉ〜ランド…もう閉店なんだけど…」とマスターが店の隅で―と言うか、吹き飛ばされた―倒れてるランドに話しかける。
プリムはもう居なかった。
ランドは呟く。
「あの女…俺より強く無いか?」と…
今回はラブコメディ風に仕上げました。出来上がって気付きましたが、プリムの母親は何処へ行ったんでしょうか?あの騒ぎで出てこなかったあの人…ある意味スゴイです。




