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301世紀から来た女

ここまでの登場人物


「八坂」・・・主人公。オカルト研究会の部長で大学3年生

「柳玲奈」・・主人公の同輩女子。オカルト研究会の部員で人文学部の3年生

「弘崎和也」・主人公の後輩。オカルト研究会の部員で人文学部の2年生のマッシュルームヘアの男。

「サクラ・花道」・・・炊飯器の中から現れた女。八坂と同年齢程度。301世紀からタイムスリップしてきたと言っている。未来のルーピックキューブ会社に勤めているらしい。



「バグー」・・粘土板の中で「運命の神」とされ、古代のバビロンの都を破壊したと記録されている。

「竜」・・・炊飯器内の無限空間の中を漂う、巨大な生物。




これまでのあらすじ。


オカルト研究会は、ネット上で公開されている「新発見粘土板10万枚」の内の300枚を解読。その結果、バビロンの都を焦土にせし「運命の神バグー」が復活すると記されてしまった八坂のアパート。3人が八坂の部屋に入ると、何故か炊飯器の中が異界につながっていた挙句、世界各国からこのアパートに向けて核ミサイルが発射された事を知る。


命運が尽きたその時、炊飯器の中から突然に謎の女が出てきて、八坂の持っているルーピックキューブを回収すると言い出すのだった。

西暦301世紀から来たと名乗る未来の業者が我々に語ったことをここで簡潔に解説したい。まず全ての元凶は「時空の狭間」という名のタイムトンネルである。炊飯器内に広がっていた謎の空間は、未来人が言うところのタイムトンネル空間と呼ぶべきものだったのである。これは未来人が時空移動に利用する空間なのだが、時々時空気象が荒れて、予期せぬ時空点につながるらしい。それが俺の部屋の炊飯器であったという。


そのタイムトンネル空間に、西暦301世紀の悪徳業者が欠陥ルービックキューブを不法投棄したことから問題が複雑化する。この危険商品が時空の狭間を漂い続けて、トンネルの出口となっていた炊飯器から飛び出した。それが棚の上のマイ・ルービックキューブ達に混ざってしまったことがさらなる不幸を呼ぶ。俺がそれを間違えて大学に持っていき、予言に動揺して弄ってしまった結果、スイッチを発動させてしまったようだ。



信じ難いことに未来業者の女はわずか40秒でここまで解説してくれたわけだが、本来であればとっくに核ミサイルが着弾している時刻である。何故そうならなかったかも彼女は呑気に説明してくれた。実はこの時点で核ミサイルは富士山を越えて我が家に大接近していたのであった。あと10秒もあれば着弾する距離だったのである。



「いやいやいや、そんな解説どうでもいいからっ!核ミサイルの事をアンタ忘れてんだろ!」


「大丈夫です。お客様がコールセンターに繋いでからイベントは一時停止されてますので時間にすれば3分ほどの余裕があります。あ、でも結構時間経ったので、イベント再始動まで残り20秒ぐらいですね」



核ミサイルはこの時、富士山上空で不気味に静止していたという・・・。柳はじれったそうに叫んだ。



「じゃあ説明急いで!」


「結論から言いますとルーピックキューブの6面を揃えれば、災厄イベントのスイッチは解除されるんですよ。つまり核ミサイルが爆発することはありません」


「じゃあ、貴方がこのキューブを止めてください。早く!」


「あ、無理無理。私はルービックキューブは不得意なんで。50分あればいけるんですけど」


「八坂くん急いで!死ぬ気で6面揃えて!」



なんなんだ!この悠長な未来人のノリは!とにかく俺は死に物狂いでルービックキューブの6面を揃えた。人生最速記録を叩き出したと思う。



「はぁはぁ!揃えたぞ!うおおお」


「凄いっ!凄いわ八坂くん。これでいいんでしょ!?」


「うーん、欠陥品ですからねえ。ちゃんとスイッチが解除されてるかしら〜」


「今更、それはないでしょ!」



夜空にキラリと光るものが見えた。ついに核ミサイルが地平線を越えて我々の視界に入ってきたらしい。



「南無阿弥陀仏!南無阿弥陀仏!ああ、どうか一瞬で死ねますように」



弘崎の口から絶望的な言葉が流れ出す。いよいよだ。最期の時か。それとも奇跡が起きるか・・。



「もういいですか。それではお客様達に説明の続きを始めます。このルーピックキューブはですね・・・」


「今、説明すんのかよ!そんな場合じゃないだろ。クライマックスだぞ」



○○○


ここで再び未来の業者が我々に語ったことを、簡潔に解説したい。


彼女が回収したがっているルービックキューブは、未来のパーティー用オモチャだという。だが現代の人間にとっては災厄をもたらす機械でしかなかった。というのも(バグってなければ)ランダムな状態から5秒以内に、キューブの一面を赤色のみで揃えてしまうだけで「災厄のイベント」を引き起こすスイッチが入るのだという。一体何が目的なのか分からないが。


ここで「災厄のイベント」とは使用者の半径20キロが壊滅してしまうようなイベントを指すという。例えば核爆発とか。つまり核保有国が俺のアパートに核ミサイルを打ち込んだのは、この未来の玩具がもたらしたイベントだったというわけだ。



「確かにこの時代じゃあ遊べませんねえ。西暦301世紀だと笑い話で済むんですけど」



と女は答えた。301世紀人の防御力はとっても高いらしく、核爆発レベルの罰ゲームなど、ブーブークッションに座るようなものだという。まったく全くどんな阿呆なパーティーやってやがるんだ。


次にこの女が俺の目の前に現れた理由を説明をしたい。俺が核ミサイル着弾を前にして、ヤケクソでルーピックキューブやっていたことを思い出して欲しい。赤と青の2面を実に素早く揃えてしまったわけだが。この作業を行うことで、ルービックキューブからコールセンターに回収を依頼するシグナルが発されるという。しかも時空を越えてコールセンターに届くというので驚きだ。



「でもそれだとシグナル入りっぱなしじゃないの?」



という柳の疑問に対して



「入りっぱなしで困ります」



と彼女は答えた。301世紀の奴らって阿呆なんだろうか?



さてここからようやく本題に戻ろう。結論から言えば、我々は助かったのである。あの時ほど嬉しかったことはない。



「部長!ミサイルの軌道が変わっていきます!」



夜空を見ていた弘崎が吼えた。ミサイルは急に円弧を描いて軌道を変えていく。そして鮮やかな光の軌跡を残しながら天空に消えて行った。また落下してきそうで怖い気もするのだが、とりあえず助かった。


「やった!俺は運命を切り開いたんだ!ルービックキューブ修行の賜物だ」


「やったわね八坂くん!はじめて格好よく見えたわよ」



核爆発回避に成功した俺と弘崎と柳は、3人でオカルト研究会伝統の喜びのダンスを踊って喜んだ。傍目にはマイムマイム踊ってるように見えたことであろう。


(これは後々の新聞に掲載された情報であるが、ミサイルはそのまま重力に逆らって突き進み、月周回軌道に乗ったという。もちろん核ミサイルに月まで到達する燃料などありはしない。未来ルービックキューブによる謎めいたパワーの為せる技だ)



「それではルーピックキューブを回収させてもらいます」


喜びのダンスを踊る我々を冷ややかな目で見ながら、回収を急ぐ未来の彼女。しかしまだ大いなる謎が残っている。我々が苦労の果に発見した粘土板の予言と、そして運命の神バグーの記録である。この謎を彼女から説明してもらわないといけない。我々の問いかけに彼は少し疲れた顔で答えてくれた。


「あのですね。バグーというのは、お客様が手に持ってるルーピックキューブの名前です」


「じゃあ運命の神って、これのことだったのかよ」


「そもそも運命の神ってなんの話なのですか?それに粘土板に記された予言については、我が社は一切感知しておりませんよ。本当にただのパーティー用玩具なんです」


「それってどういう事なのかしら?」



驚いたことに予言等については未来人の彼女も全く説明できないという。一体これはどうしたことか。



ブー!ブー!


「何これ?どうしたんだ」



再びルーピックキューブのブザーが鳴りだした。



「あ!まずい誤作動起こしてます!それ浮遊機能が壊れてますからね」


「浮遊機能?凄いな飛べるんだこれ」


「でも壊れてますからどこに飛んでいくか分からないんですよ。もう強制的に回収させてもらいますねお客さん!」



彼女は慌ててルーピックキューブを取ろうとしたが、キューブは女の手から逃げるようにフワフワと空中を漂った。そしてあろうことか!うまいぐいあに蓋の空いた炊飯器の中に消えて行ったではないか。我々は慌てて炊飯器の中の時空トンネルを覗き込んだ。



「中に消えちゃったわよ。これ大丈夫なの?」


「マズイですねコレは。回収品が再び時空の狭間に落ちてしまうとは・・・。しかもよりによって古代メソポタミア方面に向かってしまったわ」



この瞬間、我々は全てのを察した。つまり未来ルーピックキューブが今からバビロンに災厄をもたらしに行くってことである。なんか因果関係がおかしいぞ。


キューブの回収に失敗した未来女子は激しく動揺していた。



「まずいわまずいわ!このままだと古代メソポタミアの都市が滅んじゃう。私の責任だっ!」


「あれ?」


「ん?」



俺と柳は顔を見合わせた。



「もう滅んでるよね」


「そうよ。元々、手遅れなんじゃない?だって記録に残っちゃってるわけだし。たぶん向こうの誰かが赤で揃えちゃったみたいね」



しかし未来から来た彼女は因果律にあくまで戦いを挑むらしい。



「6面全ての色を揃えればリセットは可能性なんです。でも私には無理ですけれど。そこのお客さん、一緒に来てください!我々で災厄のイベントを阻止しましょう!」



そう言い残して女は炊飯器の中に飛び込んだ。多少の責任を感じた俺も、不本意ながら炊飯器に飛び込むことにした。因果関係上無理だとは思うけれど。



「仕方ない。俺も行ってくるわ。後は任せたよ柳、弘崎」


「行っちゃうの八坂くん!?」


「部長〜!おたっしゃで」



○○○


2017年7月4日の午後。クーラーのない部室で我々は、粘土板の写真資料の後片付けをしていた。



「それで八坂くん。その後はどうなったの」


「酷い目にあったよ。炊飯器内の空間抜けたら、ちょうどバビロン人が手にしたルーピックキューブを回して、災厄のスイッチ発動の瞬間に遭遇だよ。そこから、いきなり街が焼けだして火災大旋風に巻き込まれちゃった」


「よく生きてましたね。部長もタフだなあ」


「すぐにそのバビロン人からキューブ奪って、速攻で6面揃えた。でも火事の拡大が止まっただけで、都は焼け落ちてしまったんだ。人的被害ゼロだったのは幸いだったが・・・」



粘土板の記録によればバビロンの都の人口が100分の1に減ったとあるのだが、あれは単に皆が数年程度他の街に避難した結果なのである。行ってみなきゃ分からないもんだね。



「とてつもない災厄だけど一体誰のせいなのかしら?」



俺のせいではないと思うんだが・・・。ただあの時、しっかりルーピックキューブを掴んでいれば良かったとは思う。


残念なことにバビロニアの災厄は歴史の事実として固定されてしまった。もっともそうでなければ我々の行動の辻褄が合わなくなるから、仕方のないことなのであるけれど。



「結局、あの粘土板に記されていた予言とはなんだったんでしょうか?」


「そこなんだよ弘崎。火事は収まったんだけど、今度は彼女の様子がおかしくなっちゃったんだ。それが予言につながるんだな」


「どういうことなの」


「いや彼女がね、何故かバビロンの民衆の前で演説しはじめたんだ。『次は西暦2017年に運命の神・バグー様は現れる』とかなんとか。ついでに俺も便乗して出現場所を伝えてきたけど」


「え!?それじゃあ・・予言って八坂くんと、あの子が残していったの?」


「うん」




つまり記録に残ってる『予言を残したバグーの僕』とは、結局は俺と未来人女だったというわけだ。自分で予言して自分で驚いていたという、時空を越えた自作自演の酷いオチ。もうメチャクチャ。



「でもあの人って、古代のバビロンの言葉を喋れたのね・・・支離滅裂な凄さだわ」


「なんか通信教育で学んだんだってさ」



柳は残った疑問について尋ねる。



「そう言えば、あの炊飯器はどうなったの八坂くん。まだタイムマシンとして使えるの?」


「もう使えないよ。ただの釜」




残念なことに我が家の炊飯器は再び普通の釜に戻ってしまったのである。不安定な現象らしく、時空のトンネルが炊飯器の釜と接合していたのはわずか半日のことだったのである。



「でも、これで全部が元通りになったんですね~。僕も少し疲れましたよ」


「ふふふ。俺が6面を8秒で揃えたからだぞ。これからは人類の救世主として扱って欲しいな弘崎」


「いや。八坂くんが器用に災厄のスイッチ入れてしまわなければ、そもそも危機は起きなかったのよね」


「ゴホッ。そうとも言うよね・・」



こうして(自分で蒔いた種とは言え)核爆発の危機を乗り越え、日常の生活に戻れたのは幸いだった。しかし残念だったのは今回の件で得たはずの超常現象の証拠が全ての失われてしまったことである。弘崎が撮影した不気味な竜のスマホ画像なんかじゃ、とても証拠とはならないだろう。せめて炊飯器の時空トンネルが保存されていれば、俺はノーベル賞を受賞できたかもしれないと夢想する。その時はきっと、このオカルト研究会にも新規入部希望者達が殺到していたんだろうな。



「しっかし今日も暑いわね。クーラーないから余計にキツイのよね」



服の胸元部分をバタバタと引っ張って涼しさを得ようとする柳が、妙に色っぽいので思わず目を背けてしまった。クーラーがないのも悪い事ばかりじゃないかもしれない。



「もう我慢できない。コーラを飲もうっと」



そう言いながら、ガチャッと部室の冷蔵庫を開けた柳は何かに気づいた。



「ちょ・・・ちょっと2人とも来て!これってアレじゃないの!?」



嫌な予感がした。彼女の声のトーンでもうだいたい何が起きたか分かってるんだ。



「これは・・・アレですね柳さん」



俺も冷蔵庫の中を覗いて見たが。うん、タイムトンネルだ。冷蔵庫の中に無限に続く青空が広がっている。



「ドアを閉めよう弘崎。放っておけばそのうち消える」


「そう・・ですね部長」



だが冷蔵庫の扉を閉めた瞬間、何者かがドアを蹴破るように飛び出してきた!その衝撃で我々二人は吹き飛ばされた。



「きゃあっ!今度は何なの!?」


「いてて!もう勘弁してくれよ」


「部長!見てください!」




見上げれば、部室の机の上に素晴らしい露出度を誇るナイスな服を身に纏いし美女が立っているじゃないか。長い髪は輝く水色。腰の帯にサーベルなんて刺しちゃって普通ではない。なんだこれは!?また未来からエキサイティングなヤツがやってきたもんだな。



「ああ、これはどうも。いつぞやのオカルト研究会の皆様。お久しぶりです」


「へ?」


「分かりませんか私ですよ?コールセンターのお客様担当だった。転職したので少しばかり格好が変わってしまってますけれど」



なんてこった。よくよく顔を見れば、冷蔵庫の中から現れたのは昨日の未来業者の女だったのだ。ただメガネを外し、服装と髪型があまりに変わってしまっていて気づけなかったけれど。それにしても一体なんの用事なんだ?





「なんだよ!またルーピックキューブのことかよ」


「いえいえ、もうあれは関係ないんですよ。私はあの一件で、玩具屋を首になりまして。今度はペットショップに勤めています」



あらま。西暦301世紀の労働事情も世知辛いな・・・。


未来人の女は倒れてる俺を見下ろすようにして、要件を切り出した。



「あの〜八坂様。我が社のペット知りませんか?実は私、また首になるかどうかの瀬戸際なんですよ!」


「ペット?なにそれ」


「いや、301世紀の人気ペットなんですけれど、ちゃんと首輪してなかったものですからタイムトンネルの中に逃げ出しちゃったわけなんです。その子を追って、タイムトンネルに入ったらまたこの時代に辿りついちゃったっていう」



俺達は顔を見合わせた。なんだなんだ。そんなもん現代人の俺達が知るわけないだろっ。



「なんでも私達が知ってると思わないでね!私達ってただのサークル部員なんですから」


「本当に知りませんか?凄い人気のペット竜なんです。すごく可愛い子なんです!」


「ペット竜!?」



そう言えば解決してない謎が残っていたな・・・。その話、詳しく聞かせてもらおうかな。



「えっとですね〜ペット竜というのは、元々は惑星ラドゴンから輸入された深海生物なんで、結構人懐っこいもんなんです。人を襲ったりはしない大人しい草食動物なんですよ。ただちょっと体が半透明で大きいんですけれど。この時代で例えるならシロナガスクジラ3頭分ほどですかね大きさは」


「八坂くん・・・まさかそれって・・・」


「うん。見たな昨日」



そりゃ炊飯器の中で見た昨日の竜じゃないか。てっきりバグー本人だと思い込んだまま有耶無耶になっちゃったやつだ。



「もしかして・・・コレのことですか?」



弘崎は、昨日スマホで撮影していた竜の画像を彼女に見せた。



「そうそうっ!これです!次郎がやっと見つかったわ。あ、次郎ってのはこの子の名前なんです。私が名付け親で」



ここで最後の最後に残されていた謎がようやく解明された。昨日の竜は、彼女が再就職先でもやらかした結果の産物だったようだ。てかこの女は時空を越えて、どれだけ俺達に迷惑をかけてるんだ・・・。



「オカルト研究会の皆様!これが301世紀人にとって癒やしのペットなんですよ。実に温和な動物なんです」


「あれ温和だったかしら八坂君?」


「違うよね」




俺は巨大な牙で殺されかけたような気がするが、彼女の説明によればそれはアマガミで愛情表現ということらしい・・・。



「ところで、次郎がどこに向かったか分かりますか?」


「どこって言われてもねえ・・私達じゃ分かりませんよ」


「どうやらここで手がかりは無くなってしまったようで残念です。それじゃ失礼しました。次の就職先を探さないと・・・」



女は振り返って、手を降り、寂しく冷蔵庫の中への帰ろうとする。



「どうします部長?」


「そりゃ・・・弘崎。探すの手伝うっきゃないだろ!」


「ですよね!」



柳は驚いた。



「嘘!また手伝うの八坂君達?」


「あったりまえだよ柳君。次こそ超常現象の証拠を持って帰るのさ。ノーベル賞が俺を待っているからね」


「と言いつつ本音じゃ露出の激しい彼女の傍にいたいとか?」


「・・・まさか。まさかね。うんあくまでノーベル賞狙い・・・だと思うな俺は」


「へえ」




柳はこんな俺達に呆れ果てるかと思ったら意外にも、ニッコリと微笑んだ。



「なんか面白そうだね。私も一緒に行くよ八坂くん!」


「え・・・。危ないぞ」


「いいからっ。早くしないと彼女行っちゃうよ」



柳は俺の手を引いて冷蔵庫に向かう。



「待ってサクラさん!私達も行くわ」


「ホントですか柳様!?ありがとうございます!実は私、一人じゃ不安で」


「あの確認するけど、本当に温和な動物なんだろうね」


「もちろんですよ八坂様!」




こうして彼女の後を追って、我々三人も冷蔵庫の中に消えていったのだった。我々のオカルト研究は始まったばかりなのであった!

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