純粋な少女
亜麻色のふわふわの髪。茶色がかった目。透き通るような白い肌。
前までは合成樹脂のロボットだったが、
これからは髪も伸びるし日焼けもする。
空「そーいえば⋯トイレは習ったって聞いたけど、
お風呂は習ったか??」
心「ふ⋯ろ⋯??」
空「風呂も習ってないのか⋯。
風呂っていうのはね、簡単に言うと、
身体を洗うことだよ^^」
すると、心は服の上から自らの腕を
なでおろしたが、首をかしげた。
空「もちろん、服は脱ぐよ??」
しかし、心は唖然のままだった。
空「今日の夜⋯教えてやっからさ、
2人で風呂に入ることにしよう。
タオルまいてな!!///」
赤面だったが、教えるためには仕方がないことだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
それからも、食事や着替えや文字の読み書きなど、
生活に必要な動作は教えてあげた。
文字は、初めから教えるのは大変なため、
ひらがなだけ教え、言葉と一緒に叩き込んだ。
さすがは元コンピュータ。覚えるのが早い。
空も所詮は人間。
心は異性だし、美少女。それに、
いろいろなことを教えてあげてる立場。
悪い気はしなかった。
すると、空はもう1つ重要なことを教えてあげた。
空「心⋯動作の1つ1つがかたいよっ」
心「そうか?」
心も空と数時間もいるうちに、慣れたのか、
よくしゃべるようになった。
この子の性格は何なのだろうか??
瞬きや喋り方、歩き方など、
かたいと思ったところはすべて直した。
後は口調だと思ったが、これは少女の
性格として残すことにした。
こうして、心は徐々に人間へと近づいた。
まだまだ遠い道のりだが。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
空は1つだけ疑問に思ったことを尋ねた。
空「心⋯やけに男の子っぽいよね??」
すると、心はしばらく考え込み、こう告げた。
心「僕は当初は男として作られた。
しかし、ツルタニの希望により、
女として作り変えられた。」
空「その鶴谷っていうのは、俺の母ちゃんだ。」
心「彼女は妹がほしかったようだ。
僕を、彼女の好みに美しく
かわいらしく作ってくれた。
そーいえば、お前の名前は何だ??」
空は少しがっかりした。
――俺がいろいろ世話してやってんのに
お前はないだろ⋯^^;
そんなこともお構いなしに、心は顔を覗き込んでくる。
空「鶴谷空。空って字はな、こうやって書くんだ。」
心に1つだけ漢字を教えてあげることにした。
すると、空は紙に、ソラという字を書いた。
心「字、きれいだな。」
心からは思いがけない言葉が漏れた。
空「きたないとかきれいとか、わかるの??」
心「僕はコンピューターの字であれば読める。
所詮、僕もロボットさ。
コンピューターの字に似てると思っただけだ。」
空「そーなんだぁ⋯」
心「お前のいろいろなところを知りたい。
だから、いろいろな特徴を教えてくれ。」
空「特徴だなんて⋯俺だって、人間なんだぞ??」
心「僕はロボットだ。お前の心など知らぬ。」
空「まぁ⋯君と似てるようなものさ。
他の人間とは少し違うひねくれ者さ。」
心「僕はひねくれ者だと思わないぞ。空。」
心は初めて空の名前を呼んだ。
空「ありがとう。君はやさしいんだね。」
心は無言だったが、感情が少しずつ芽生えていくのを
空は感じていた。




