冷酷な少年
空「心が!大変なことに!」
空が叫ぶ先には真理亜がいた。
真「やはり…こうなってしまったのね…」
空「え!?」
すると、彼女は心の誕生について話してくれた。
心は研究所で進んでいた研究の一部。
しかし寿命が何日かも分からず、
輝樹自身も教えてくれないそうだ。
また、人工的に作った人間のため、
どんな化学反応がおきてもおかしくはなく、
少女がどんな姿に変わってもおかしくないそう。
真「このまま彼女が活動を停止するかもしれないし、
また心がリセットされるかもしれないし、
容姿から全てが全部変わってしまうかもしれないの。」
空「そんな…やっと仲良くなれたと思ったのに…」
真「今は研究所にある
“人工的半ヒューマノイド保存溶液”
に寝かせておくしか…」
空「それで空が助かるの?!」
真「このままの状態で居ても、
彼女が瀕死状態にいるだけだから…
まずは体力を回復させなきゃいけない」
空「わかった。」
空はこのまま研究所で預かることとなった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
家に帰ると、なぜかそこはとても寂しく感じた。
いままでそこは心とともに居た場所。
しかし心がくるまでは誰も居なかったはずの場所。
そこに差し込んだ一筋の光はまた消えてしまった。
空「くそっ…この時がきたって…
分かってたなら最初から言えば良いだろ。」
空は頭を抱えるしかなかった。
すると突然
【なんでそんなに寂しがってるの?】
空はあわてて後ろを振り向く。
すると、2階に繋がる階段に
1人の少年らしき人物が立っていた。
その顔には、なぜか笑顔があった。
空「お前誰だよ!」
【空と心をつなぐインターフェース】
空「なんでここにいんの?」
【インターフェースだから】
空「だから?」
【ダイジョブ、ここに居座んないから】
空「じゃあ何しにきたのさ」
【部屋の下見】
空「それだけならもう用はないだろ?帰れ」
【やだよ~^^
空と仲良くなるのも任務の1つなんだから】
空「俺のことを気安く呼ぶな
知らない人に会ったら、まずはな?
自分から名前を名乗るのが礼儀なんだよ」
【私の名は凛。心と同じ人工的半ヒューマノイド体だ。】
空「心と同じ…!?」
凛「そう、だけど、俺の場合は最新型だからな…」
空「お前が俺の前で『俺』って言うな、ムカつく」
凛「んだよ…」
空「何がだよ?」
【まあまあ、そう、空を怒らせるな】
また凛の後ろから声がする。
が、無視してみよう。
空「・・・。」
凛「んだよ。後ろから声が聞こえるぞ?(棒)」
空「だからどーした、幽霊だろ」
【私は幽霊ではない】
と、いいながら、その声の持ち主は
凛の後ろから歩いてきた。
凛「ちなみにコイツの名前は亜騎」
亜「コイツとは何だ」
凛「だって、他に言い方がないじゃん」
亜「考えろ」
何やってんだよこいつら…
凛「だってお前にそれ以上の言葉はないだろ」
亜「あるっての!」
凛「ない!」
大声で何叫んでんだよ…
亜「あるって言ったらある!」
凛「ない!」
はあ…
空「うちで喧嘩すんのやめてくんない?」
空は冷酷な視線を2人に浴びさせた。
「「すいません…」」