心なき少女
「はうぅぅぅう!!」
今日もいつものように起きた。
鶴谷空はベットから降りようとすると。
ガシッ
足を何かに掴まれた。生温かく、柔らかい感触。
これは人間の手のようだ。
空は怯えながらも、振り向くと。
ピッ
寝巻を着た仏頂面の少女がベットの上、いや、空の足の上に座っていた。
その少女は通信機のようなもののボタンを押した。
すると、そこからは女性の声が。空は一発で気づいた。
空「マリア!! ってかなんで??」
空が叫んだ、マリアというのは、空の実の母である
鶴谷真理亜のことだ。彼女はロボットの研究をしている。
そして、空のパートナーでもある。
真「空?? そこにいるのね??
いやぁー、いつ通信機が作動するか
わかんなくて、ずっと起きてたのよ??」
空「しっ、、しっ、しらねーし!!
ところで⋯こいつだれ?!?!」
真「こらこら、それでも、その子は最低限の言葉は通じるのよ??
文字の読み書きはできないけど。あ、その子はロボットね。
あなたの部屋に送ってもらったわ。」
そのロボットは確かに瞬きの仕方もロボットのように堅苦しい。
空「こんな美少女がなんでこんなとこにおんの??」
真「実は⋯
このロボットをいろいろな最新技術を使って
製造して、フツ~のロボットが完成したの。
だけど、輝樹が変な機械でそのロボットに
何かをして⋯ その、
人間になってしまったのよ⋯⋯。」
空「は?!」
真「輝樹に何をしたか聞いても、
【実験段階だからまだ言えない】って、教えてくれないのよ。
感情とかはまだ赤ちゃんのようにないけど、
徐々に発達するって輝樹が⋯」
空「で、俺に世話をしろと??」
真「そう!! 女の子だから⋯ちょっと大変かも
しれないけど、まーがんばって!!
念のため、お手洗いは教えてあげたから!!」
空「ちょっと?!」
通信が切れてしまった。
空「(⋯コイツ⋯言葉わかるって言ってたよな⋯)」
とにかく、喋りかけてみることにした。
空「あの⋯君の名前は?」
【名前はまだない。】
大人っぽいの容赦の割には、声は高く、男の子のような声。
空「なんてよんでほしい??」
【なんでもよい。】
少女と会話が続かない。
空「じゃあ⋯ 【心】。
心がないんだろ??
だから、俺が心を作ってやるよ!!」
心にはまだ伝わっていないようだったが、
自然に口角が少し上がった気がした。
ひきつったようだったが、
ロボットだったのだから仕方がない。
そして、空は心を抱きしめてあげた。
少女の顔は少しも変わらなかったが、
温かさを感じ、目を瞑った。
すると、空は気づいた。
あわてて元の体制に戻り、心の肩をつかむ。
すると心はびっくりしたかのように目を少しだけ大きく開いた。
空「そーいえば! 心は何歳??」
心「僕は⋯設定上、14歳。」
空は16歳。空は、2歳差か⋯。と、納得したようだった。
こうして、2人はこれから共に生活することになった。