今年も営業がんばるよ!
やっと物語の中で年越しました!
今回初登場する2人までが、採用オーディションでの合格者です!
12月26日、27日、28日の年末営業を乗り切ったピーニャ。
最終日には、タイガくんがオムライスをお客様に提供できるようになった。
たくさん、練習したんだろうね。
材料の在庫の減りからわかるよ。
彼は、最終日までにナポリタンが提供できないことを、悔しがっていたけれど、出来なくてもしょうがないよ。
向上心が高いことは、凄く良いことだけど、頑張りすぎはよくない。
むしろ、オムライスが出来るようになった事が、とても素晴らしいことだ。
ボクがいきなり無茶振りしたんだから。
大いに自覚があるよ。
ヒュリティアは、37週で促進剤を入れて、分娩の予定だった。
でも実際は、34週で破水してそのまま頑張って産んでくれた。
破水した時は、たまたまヒュリティアのお母さんがいてくれたから、そのまま専属の運転手に病院に連れていってもらった。
1人の時じゃなくて良かったよ。
双子はリスクがいっぱいだから、早く生まれるのは仕方ない。
いきなり破水したヒュリティアが、一番怖かったはず。
双子だし、早く生まれてきたから、体重が低かったみたいで保育器に入ったけれど、障害もなく元気に生まれてきてくれたから、それだけでボクは幸せさ!
まあ、ピーニャの予定としては、年始明けから、ナポリタンとオムライスのレシピを、分娩予定日までに教える予定だったんだけれど、出産はこちらが思っている通りにはならないからね。
その分、ボクじゃなくて、キッチンのタイガくんとマモルさんに負担がいってしまい、本当に申し訳無いよ。
今度、ボクから恩返しをしないとね。
今日は、1月4日。
ピーニャの年始最初の営業日。
今日からマモルさんの出勤は、シフト通りになる。
だから、タイガくんと2人で、仕込みをはじめているが、眠い……。
立ったまま寝てしまいそうだ……。
「双子育児やばい……」
「店長、大丈夫ですか?顔色が悪いみたいですが……」
タイガくんは、具材をテンポよく刻みながら、こちらを見る。
均一に細かく切れているから、店が休みの間も練習したんだろうね。
「聞いてよ~。大晦日の午前中に、奥さんと双子が退院して、家で一緒に暮らし始めたんだけれど、大変で。いや、とってもかわいいし、癒されるんだけれど、昼夜問わず起きてるから、奥さんもボクもほとんど寝れてないんだ……」
「あぁ、睡眠不足はきついっすね…」
「仕事に支障がでると困るから、明日からは仮眠してくるね……。若い頃は、徹夜でも全然平気だったのに、ボクも年取ったな。今日から、ヒュリティアのお母さんもベビーシッターも来てくれるし、少しよくなるとは思うんだ。タイガくんには、迷惑をかけて、本当にすまない。その分、給料でお返しするからね!」
「それです。それ!給料の話!年明けにATMに行ったら、10万円の入金があったんですけれど、あれ、なんですか!?」
「ボクからの、お礼の気持ちのボーナスさ。突然、早く出勤してもらったり、メニューも追加で覚えてもらって、大変だったろう?」
「……白井さんから、店長にボーナス弾んでくれるように頼んだとは聞いてましたが、バイトに急に10万円もボーナスくると驚きますって」
「他の子は、出勤時間に合わせて、2~3万円の子とかもいるから言いふらしちゃダメだよ?」
「わかりました。絶対言いません」
話をしている間にも、タイガくんの手は止まらない。
火の扱いも大分慣れたようだし、ナポリタンを提供できる日も近そうだ。
向上心も高くて、真面目なタイガくんなら、ビーフシチューのレシピを、ボクが落ち着いたら伝えてもいいかもな。
「……店長、おはようございます。」
「あれ?マツナガくん、おはよう。今日、出勤早くない?」
「そんなことないです。もう10時近いですよ。これ、頼まれていた健康祈願のお守り。4人分で良かったですよね?」
ピーニャの制服を、びしっと着こなした、細身の高身長で眼鏡の、24歳のイケメン猫獣人。
ボク以外の唯一の社員、松永カイトくん。
元高学歴アイドルで、グループ解散にともない芸能界を引退し、ピーニャの採用面接に応募、就職してくれた。
歌もダンスも超上手い。
さらに、経理もホールも担当してくれる凄い子だ。
「お守りありがとう!今年は神社に行く余裕がなかったからさ。助かったよ~」
「元々初詣の予定があった、そのついでなので」
「ソウちゃんと行ってきたんでしょ?こっそり隠れて、カイトくんと初詣行くって、嬉しそうに言ってたからさ」
「なんだ。ソウが、店長に言ってたから、自分がお守り頼まれたんですね」
「そう言うこと!カイトくんも、年末本当にありがとう!君とダイチくんがいなかったら、この店のホールは回ってなかったよ。ボーナスは弾んでおいたからね!」
「だから、あの恐ろしい金額の入金が。理解しました。」
眼鏡をくいっと上げるマツナガくん。
イケメンは、絵になるね。
「店長、呼んだっすか?」
「ダイチくん!君の話もしてたところだよ。年末は本当にありがとう!掛け持ちのバイトも頑張ってるのに、色々追加で頼んで、ごめんね」
彼は、19歳の狐獣人の福山ダイチくん。
幼い頃に両親が車の事故でなくなり、孤児院育ち。
高校を奨学金を借りて通ったから、その借金を返すために、ピーニャの他にも、いくつかバイトを掛け持ちしている。
運動神経抜群で、バク中なんかの迫力ある動きが得意。
フワリちゃんと一緒にダンスを踊ることが多い。
「こっちこそ、クリスマスイベントはインフルで出勤できなくてすみません!それに、ここのバイトは、年末年始休みがあるんで、他のバイトは、そっちで頑張ったんで、問題ないっすよ!それより、ボーナス弾んでくれたのが、すっごい嬉しかったっす!」
満面の笑みが眩しい。
若いのに苦労して、それを表にださないの本当に凄いよ。
「みんなの頑張りがあって、ピーニャは運営できているからね!ボク自身の都合で、みんなに負担をかけちゃったから、それに恩返しするのは、当然さ。ボク自身が落ち着いてからにはなっちゃうけれど、もう少しみんなに楽しんでもらえる何かを考える予定だから、楽しみにしててね!」
「店長、太っ腹!一生ついていくっす!」
ダイチくんは、拍手しているし、タイガくんはうんうん頷いている。
マツナガくんもうんと一つ大きく頷いて、手を大きく一つ叩いた。
「さあ、もうすぐ開店準備の時間です。お喋りはここまでにして、お客様に備えますよ!」
マツナガくん、頼りになるよ。
「今年の営業も頑張っていこうね~。解散!」
ピーニャのスタッフは、頼りなる子ばかりで助かるよ。
読んで頂き、ありがとうございます!
プロット通りに行けば、残り8話で終わるはず。
地道に最後まで頑張ります!




