45初の鍛冶
「ご主人様おはようございます。」
「おはようございますご主人様。」
二人にキスされ起こされた。
いつもの様にあまりイチャイチャせず、朝起きて、「収納」していた食料で軽く腹を満たして、二人には買い出しを頼んだ。
買い出しの内容はエマにほとんどお任せしているんだが、キッチン、風呂、家具等々女性のセンスで頑張ってもらう。
僕は……鍛冶だ!
ダンジョン行く前から雑貨屋に炭は大量に頼んであって、昨日夜届いた。
これから定期的に届く契約になってる。
道具なんかは、前の人のがまだ使えそうだから大体は問題ない。
まず手始めに、「蟲」達の武器防具の金属を溶かして塊、インゴットにする。
まず、炉に火をつけ炭をくべて、鞴で風を送り火力を上げる。
火挟みで炉に鋼を入れ、赤くなったら叩いて折り曲げを繰り返し不純物を減らしていく。
今日は三十人ほどの剣や防具に使われてた鋼。かなりの量だから、時間もかかる。
それでも昼前には全て潰し終えた。
蟲のリーダーが使ってたアダマンタイトの鎚は潰さずキープしたまま。
そんな鋼のインゴット一つ取り、それで鋼で試し打ちしてみる。
金床で赤くなった鋼を叩きながら、
僕は
『これで良い?』って
【加護 】に問いかけながら叩いていく。
鋼が真っ赤に染まるたび、
金槌で鋼を叩くたび 、
鋼からの火花をみつめながら
炉の炎を見つめるたび、
【加護】だけじゃない
炎や
道具
炭までも。
僕に何か教えてくれてるような………。
作ってみているのは
『ブロードソード』という剣。
この世界だと一般的な剣だ。
ある程度形になった。
油を入れた深い容器に真っ直ぐに入れ冷やす。
真っ赤な剣を入れると火が上がった。
そのまま放置する。
『どうせただで手に入れた鋼だ。』
と思い直し、数個のインゴットを同様に鍛えていく五本目の剣を油に入れた頃、最初の剣が冷めていた。
油を拭い、剣を水平に持ち、柄から刃先に目線を添わす。
…歪みがある………。
軽く鎚で叩き歪みを直し
少し炉に入れまた叩く。
ある程度整った所で、砂を入れた容器に入れ寝かせる。
それを残りの剣も同様に行った。
そこまで終わらせて一段落ついた。
そうだ、革をどうしよう?
「収納」に魔物から剥いだ皮が入りっぱなしだ。
そのままでは使えない。
鞣し(なめし)が必要だ。
細かい肉を削ぎ落とし、薬品につけて数日置いて、大人数人で、叩いて、擦って、柔らかくする。
地味で気が遠くなる作業だ。
ミノタウロスやオーク等の『牛や豚』のような素材と、リザードマンの様な『爬虫類』系統では薬品の調合も鞣し方も全く違う。
とてもじゃないが手が回らない………。
同じ産業区画の人に聞いてみるか…。




