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子供達を連れて、近くの街へ向かう ⑤

「私はパンケーキを食べることにするわ」



 私はパンケーキを店内で食べることにした。どれも美味しそうで何を食べようか凄く悩んだけれども、最初に目についたのがパンケーキだったので、それを食べることにした。



 本当はもっと食べたいものが沢山あるのだけど、それを全て食べることはまず出来ない。

 あまりにも食べ過ぎて太ってしまうのも嫌だもの。最近の私、幸せだなという気持ちでいっぱいでついついお菓子を必要以上に食べたりしてしまう。




 バルダーシ公爵家の問題が片付いて、気を抜いてしまっている。幸せボケしていると言えるのかもしれない。

 クリティドは私のことを大切にしてくださっていて、愛してくれている。

 だけど自堕落に過ごしてしまったら流石にそれも冷めてしまうのではないかという感情もある。



 愛情って永遠に続くものというわけでもない。私はクリティドのことが好きで、末永く幸せに過ごしていきたいと思っているけれど……!

 でも食べ過ぎないように気をつけないと。


「母上、それだけでいいの? パンケーキ、小さいよ?」




 クリヒムがそう言って不思議そうな顔をしている。

 確かに私が注文したパンケーキは、比較的小さいサイズだ。


「最近、甘い物を食べ過ぎてしまっているから食べ過ぎないようにした方がいいかと思って」

「えー? もったいないよ! それに母上は十分に細いよ?」


 私の言葉を聞いて、クリヒムが驚いた顔をする。



「私も母上は気にせず沢山食べたらいいと思います。私もクリヒムも母上が甘い物を食べて幸せそうに笑っているのを見るのが好きです。今日ぐらい、思いっきり食べていいと思いますよ。……というか私も、母上と色んなお菓子を食べたいです」



 そんなことを言われてしまったら結局、私は誘惑に勝てずに他のものを食べることにしてしまった。

 だってティアヒムとクリヒムがこんなにも可愛らしいのだもの。

 可愛い子供からお誘いを受けて断れる人ってきっと居ないと思う。って、それは言いすぎかしら。

 子供が好きだからというのもあるけれど、母親としてティアヒムとクリヒムと接しているから二人のことがとても特別で大切だと思っている。




「そうね。なら、食べるわ。ただもし太ったらダイエットを頑張ることにするわ」

「母上はちょっと太っても可愛いと思いますが」

「ありがとう。でもあまりにもふくよかになりすぎるのは私も嫌だなと思うから」



 私が少し変化があっても、少しぐらい太ってもクリティドは問題ないと言ってくれる気はする。

 それでも少しぐらい受け入れてくれるからと油断するのはどうかなと思うもの。

 それからティアヒムとクリヒムと一緒に色んなお菓子を食べた。どれも美味しくてついつい笑みがこぼれる。

 だけどあまり表情に出過ぎてしまうのは駄目ね。



 少なくともこのお店には、公爵夫人として訪れているのだもの。あまりにも不甲斐ない様子を見せたら公爵家の威厳に関わるかもしれないわ!

 だからなるべくだらしない表情はしすぎないようにはしようと気を付けている。



 こうして子供達の笑顔を見ているだけで、幸せな気持ちになる。私はティアヒムとクリヒムの笑顔のためならきっと何だって出来るのだろうなとそんなことも思ったりする。

 ……なんて、それで私が自分を犠牲にするような真似は絶対にする気はないけれど。

 だってそんなことをしたら家族のことを悲しませてしまう。私は家族を悲しませたくないし、ずっと笑っていて欲しい。




「いっぱい美味しいものを食べれて幸せね。クリティドにお土産を買っていきましょう」

「うん。父上にも食べてもらいたい!」

「父上はどういったものがいいでしょうか」



 私の言葉にクリヒムとティアヒムがにこにこと笑ってそう言った。



 クリティドにもお土産を買っていきたいなと思った。戻ってから家族でお菓子を食べられたらきっと楽しいと思うの。



 ティアヒムとクリヒムと一緒にクリティドへのお土産をたんまり購入した。買いすぎたかもしれない。

 日持ちするように保存して、持って帰ることにする。

 お店を後にする際には、「またお店のお菓子を買いに来るわ」と告げた。


 頻繁にお菓子を買いに来ることは出来ないだろうけれど、騎士や使用人達に頼んで買ってきてもらうことは出来るものね。



「母上、美味しかったね」

「少し、食べ過ぎてしまいました」



 二人とも満足気でとても可愛い。お菓子が美味しくて、二人とも嬉しくなったのだろうな。

 ティアヒムは淡々とした様子に見えるけれど、口元が緩んでいて、そういうところも可愛らしいわ。



「ええ。とても美味しかったわね」



 色んなお菓子があって、ああいうお菓子も作ってみたいなという気持ちにもなる。

 食べるのも好きだけど、お菓子を作ることも好きだから。領地の事業としてお菓子関連の事も何か出来ないかしら? なんて思ったけれど、個人的な趣味すぎるかな。



 ちゃんと公爵領のためになるものかどうかを検討した上でなら、クリティドは許可を出してくれる気もする。

 きちんと考えてみよう。


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