次の行き先は帝国、そして、膝枕
俺は生徒会長のアオイから託された手紙を開けて混乱を極めていた。
【愚者へ】
愚者は始まりのカード。
愚かな貴方のその目で、世界を見てください。
次の目的地は帝国です、よろしくね。
【エアリスより】
「次は帝国へ向かいなさい......か」
「お兄ちゃん、今からどこに向かうの?」
「帝国だ、帝国の騎士団長を訪ねる」
この手紙は2通あり、1つはエアリスからの手紙、もう一つは帝国騎士団団長への面会の推薦状だった。
俺たちは王国から馬車を片道2時間ある。
王都の馬車のおっちゃんが行先を訪ねる。
「お兄ちゃん!! こっちに来て!!」
「え......うん」
(温かいな)
「......あの?、お客さん!! どこまで行かれますかな」
「帝国で」
「......はぁ、お客さん、悪いことは言いません。今あの国に行くのはお勧めしません」
「どうしてだ」
「王位継承権争いが起きているんです。特に第1皇子は化学派、第2皇女殿下は武闘派なのです。」
「?」
「いいですか? 王位継承権とはその国の方針を決めるも同然なのです。今、お客様方が近づいたらいいことはありません」
「なるほど、でも、それでも俺たちは行く」
「分かりました。あと疑問なのですが、少し聞いてもいいですか?」
「どうしたんですか?」
「馬車に乗ってからずっと膝枕されてるんですが?恋人のいない私への当てつけですか?」
「え? 妹だけど」
「は?」
「だから妹なの、五葉がさ、膝枕してくれるって言うから、お言葉に甘えてただけ」
そう、先程から五葉が黙っているのは俺に膝枕して、幸せそうな顔で、俺の髪の毛を撫でているからだ。
(とても気持ちいい)
ふぁあ、眠たい
そして、俺は寝た。
「お兄ちゃん起きて、着いたよ」
眼を開ける、そこには心配そうに覗き込む五葉の姿があった。
「ありがとう、五葉」
「うん!!」
「おっちゃんもありがとう」
だけど。何でそんなにやつれているんだ?
まるで、キチガイでも見たかのような表情で最後は別れた。
ここが。
帝国、皇帝が治める国、貴族階級制度があり、商業と武器が共に盛んな国である。
周りの人を見ると最新機種のスマートといわれる携帯端末を皆、使っていた。
俺の奴は、古い機種のケータなのに、辛い。
そんな様子を五葉は感じ取ったのだろう。
「お兄ちゃん携帯電話買いに行こ」
妹よ、いいのだが、当たってる。
俺は顔を赤らめ、俯いたのだった。




