冒険者ギルドにて
「ねえ、貴方の名前を聞かせてくれない?」
僕は白い長髪のお姉さんに声をかけられた。
その瞳はまるで子供のように輝いていた。
「僕の名前は、薄影 暗。それより、ねぇ」
さっき、このお姉さんが殺されそうになっていた。
「ねぇ、お姉さん大丈夫?」
僕は心配して、お姉さんに駆け寄る。
彼女は俯きながら。
「くらっ、くらっ、くらっ!!・・・・・・ダーリンっ!!」
「な、なんでそうなるのっ!!」
思わずツッコみを入れてしまった。
いやいや、別に嬉しいけどさっ!!?
彼女は壊れた機械のようにダーリン、ダーリンとひたすら連呼している。
『いや、コワいよ』
僕は彼女をどう収めるか思考するのだった。
「あ、そうだ」
僕はこの間、妹に試した方法を使うことにした。
妹、俺の事が好きすぎるからな。
行くぞー!!
「なつっ!!?あ、間違えた」
「今、ほかの女の名前言いかけたよね?」
あ、やばい、たまに妹で見る悪魔モードだ。
彼女の場合は背中に皇帝の姿が映る。
そういえば、彼女の名前を知らない、どうしよ
「あ、そうだ」
本日2回目である。
「HEY,REDY|《ヘイ、レディ》おれと、連絡先交換しない?」
僕は連絡先を交換するために携帯電話を取り出す。
だが、僕の知っている携帯電話ではなかった。
あれ、僕の携帯電話は黒色のガラケーだったのに、
「・・・ん?なんだこれ?」
かたい金属の薄い板?
表面には黒色の液晶、裏には携帯のカバーがついている。
このことも気になったのだが、一番気になったのは彼女の戸惑っている表情だった。
「HEY,REDY?これ、何かの名前?」
「あれ、外国の人かなと思ったんだけど、英語をしらない?」
白色の長髪でアニメとかででてくる鎧をきているから、
本格的なコスプレイヤーだと思った。
でも、英語をしらない?
なんで?
僕は困惑した。
「知らない、さっきはなんて言ったの?」
彼女の表情をみると、困惑していた。
本当に知らないのか。
「ねぇ、お姉さんって意味だよ」
お姉さんか嬉しいな~という言葉を聞くとともに、
何歳かを聞こうとしたのだが、よく、妹に女性に年を聞くのはダメですとよく注意されていたため、我慢した。
「ねぇ、もしよかったら、私にもその英語教えてくれないかな?」
「うん、いいけど、一ついいかな?」
さっき彼女はダーリンと連呼していた。
「ダーリンも英語なんだけど、誰に教えてもらったの?」
「!!?・・・そうなんだ」
彼女は驚きと同時に少し悲しい表情を見せて語った。
「これはね、亡くなった祖母がね、教えてくれたの」
「・・・そうなんだ、ごめん、辛いことを」
僕は聞いたことを後悔した。
僕は俯きながら後悔していると
彼女が雰囲気を明るくさせるためか
「ダーリン、顔を上げて」
僕に目線をあわせ、ニコッっとほほえみ
「ダーリン、遅くなったけど、私の名前はネロ。ただのネロだよ」
名前を名乗ったのだった。




