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番外1:彼に関わるとろくなことがない……

「……はあ、処理が面倒だな」


放課後。今日最後の授業の教師の近くにいたせいで頼まれ事と言う名の雑用を任されて、教室に帰るのが遅くなっていた私は教室で溜息を吐いていた。


予想通りというかなんというか、ゼルクのファンの女生徒たちからの嫌がらせによって私の机は文字通り消し炭になっていた。今日持ってきていた教科書類も置き勉していた教科書も一つ残らず炭になってしまっている。持ってきていたバッグなどの私物は身に着けていたので無事だったのが不幸中の幸いだ。


……まあ私は座学が大っ嫌いだから問題ないと言ったら問題ないのだが、教師に怒られるのが面倒くさい。私が何をしたというのだ……。だから極力ゼルクに関わらないようにしていたというのに。別にゼルクの相手が面倒だという理由だけではなかったのだ……一応は。


これだから基本この学院の人間は嫌いなのだ。どうせやるなら正面から堂々とくればいいものを裏でこそこそとこういう事をする。ゼルクに話しかけられた時点でもう諦めていたから何も言うことはないが、予想通りに事を進めてきたので呆れの方が大きい。


「さて、やるか!」


私はやられっぱなしと言うのが実は大嫌いだ。要はこんなことをしてきた人間には報復が必要だよねって話。炭と化している机だったものの一部を拾い上げ、指先に意識を集中させる。


(魔力分解……解析)


魔法の痕跡を残しておくとは、魔術師・魔導士共に失格だな。こんなんで同じ学院の生徒なのだから笑える。魔導士の時に身に着けた魔力解析をしたら数秒経たない内に犯人を特定できた。


同じ魔術師クラスのアリーン=ストレイナー子爵家令嬢と魔導士クラスのチェルシー=デミゾイド公爵家令嬢か。両方のクラスにいた故、両クラスのほぼ全員の魔力を覚えていたのが幸いした。

基本的に魔力解析は解析後に結果と照らし合わせながらその人間を割り出すのだが、魔力の質を覚えていれば話は別なのだ。

私は座学で用語を覚えるのは苦手だが、魔力の質を人間を覚えるのは得意なのだ。貴族として必須のスキルだから身についているのもあるが。


「ふふ、目に物見せてあげるわ」


犯人の二人が死なない程度の#魔法罠__トラップ__#を彼女らの机に仕掛ける……勿論魔力の痕跡はきちんと消す。殆どの生徒がもう帰っているので、それなりに強力なものも簡単に仕掛けられる。#魔法の練習__・__#にはぴったりだ。


きっと今、最高に悪い顔をしているであろう私の気分は今頂点にまで高まっている。明日の朝が楽しみで仕方がない。

なに、大丈夫。この椅子に彼女らが座ったら心臓が止まらない程度に強力な電気が流れる魔法を仕込んでおいただけだ。ついでに素敵なお手紙も入れておいた。これで彼女らも暫くは大人しくなるだろう……。



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