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9.初めての男

「リアン、お待たせ。」


「マスターは?」


「まだ仕込み時間前だから休んでるよ。」


「そうか、まあ店行けばいつでも会えるからいいか。昼ごはんは買ってあるからもう出発しようか。」


「ああ、今出たら明るいうちに帰れるね。」





途中休み休みだったが日が高いうちに帰ってこれた。

俺は毎日帰ってるから特別感は全く無いが。


「2週間ぶりだー!俺達の家!」


「そういえばリアンの部屋ベッドしかないけど大丈夫?」


「え?セージと同じ部屋でいいのに。」


「俺が嫌だよ。」


「マスターとは同じ部屋だったんだろ?俺もいいじゃん。」


「いやいや、別室を準備してくれてたよ。」


「でも添い寝したって…。」


「それはしたけど…。」


…2日続けて。

マスターのことを考えると今朝の出来事がフラッシュバックする。

今思うとなんであんなことができたのか自分でも不思議でしょうがない。


「俺とも今日は添い寝しよう!」


「えー…。添い寝以外のことをしないなら…。」


「しないしない!逆に添い寝以外に何をするのって感じだよ。」


「ふーん、約束破った時はどうする?」


「責任とって結婚するよ!」


「だからそれじゃリアンの思う壺じゃないか…。」


「俺の部屋の家具のことだけど、元々そんなに無いから平気だ。」


「話聞け…。まあいいや、とりあえず家に入ろ。」


「ただいま!いとしの我が家〜。」


「たった数日しかいなかったのにそんなに思い入れもないだろう。」


「これからだよこれから。」


そう言うとリアンは服を脱ぎ出した。


「え?裸族は嘘だって…。」


「いやいや、まずは風呂入ってスッキリしようかと思って。」


「そうか、いってらっしゃい。」


リアンの装備や服を綺麗にしようと手に持つと、以前より大きな凹みやほつれがあることに気がついた。

道中では洗浄もままならないのか、白かった服もすっかり色が変わっている。

王都への往復の旅路は想像しかできないけど、きっと様々な危険があってリアンはそれを乗り越えてきたんだろう。

ひょっとすると急いで戻るために町にもあまり寄らなかったのかもしれない。


「クリーン」


俺は服を畳んで脱衣所に置くと夕食の準備をすることにした。

作り置きが何も無いからサラダとポトフとボアのステーキ、付け合わせはじゃがいものフライにしよう。

煮ている間に明日以降のコンフィやワイン煮用の漬け込みの準備をしているとリアンが風呂から上がった。


「なあ、風出すやつやってくれないか。」


タオルで拭いてはいるようだが頭は濡れたままだ。


「いいよ。だが服は着てもいいんじゃないか?」


「全身乾いてからな。」


宿の時を思い出す。

全裸で仁王立ちになっているリアンに杖ドライヤーで温風を当てていく。


「やっぱりこれ気持ちいいな。自分がまるで干したての布団にでもなったかのようだ。」


そういうとリアンは突然収納から大量の衣類を取り出した。


「これは俺は今から着る部屋着で、残りはセージの分だ。セージはあまり服持ってないみたいだったからな。外用と部屋用と色々あるぞ。俺からのお礼とお土産だ。」


「うわ、すごい!ずっと服のことは悩んでたんだ、ありがとう。服のセンスもいいし、大きさもちょうど良さそうだ。」


「そうだろう!王都で人気の店で揃えたんだ。品質もデザインも機能性も最高だぞ。」


「…ただの変態だと思ってて悪かったよ。見直した。」


「それにしても、今丸腰で魔道具もないのにどこから出したんだ?」


「今回の報酬で指輪型の魔道具を買ったんだ。」


「その親指の黒いやつか。」


「ああ。これは最高級の魔石だから小さくてもかなり収納できるんだ。前のを下取りに出してその分値引きしてもらった。」


「そういえば俺も実は魔道具を手に入れたんだ。」


「やっぱりそうか、実はその腕輪ずっと気になってたんだ。少し見せてもらってもいいか…。」


「ああ。」


「…一体これをどこで?これは俺の指輪と値段の桁が違うぞ?この色で腕輪にできるほどの大きさの大きさの魔石とは…。」


「家に来た冒険者が食事のお礼にってくれたんだ。いらないからって。」


「何者なんだそいつは。」


「山の向こうに住んでるくらいしか知らないな。また来ると思うからいずれ会えると思うよ。ちなみにマスターの店にも何度か来てて、リアンとの同居のことも話してる。」


「そうか、まあ悪い奴ではないんだろうが…。セージ並みの世間知らずなのかもしれないな。」


「今悪口を言ったな。」


「いやいや悪口じゃないよ、悪い人に騙されないか心配なだけなんだ。」


「そういうことにしておこう。…そろそろ夕食だから一旦片付けるか。」


服を確認しながら収納していくと下の方に小さな布切れや透け生地の肌着が何着もあった。


「リアン…これは?」


「なかなかいい趣向の下着だろう。一部を隠すことで裸より一層煽情的になるんだ。

…あ、普段使いには向いてないから着るのは俺の前だけにしてほしい。

あっ今夜の添い寝はこれを着てほしいんだが、いやでもこっちもいいし…。」


妄想だけでリアンのアレがモンスター化しそうになっている。


「…前言撤回!やっぱりただの変態じゃないかっ!!そしてさっさと服を着ろ!」




「セージのご飯も久しぶりだな。ブラッドボアのステーキとは…今日は前にも増して随分と豪華だな。」


「今日色々仕込んだから明日はビスクラブレの看板料理が家で食べられるよ。」


「それはすごいな。明日も楽しみだ。」


「そういえば次の任務の予定は?」


「今度は北の山の向こうにあるコリーヌという町に行くんだ。セージがマスターのところに行くタイミングで出発するよ。ここに帰るタイミングもちょうどいいしね。…あ、このステーキソース店と同じ味だ。」


「キノコや香草がたくさん入ったデュクセルのソース、ビスクラブレと全く同じものだよ。タルトにしたりパイにしても美味しいって言ってた。」


「…店でも出すつもりなのか?」




「そういえばなんで店で働こうと思ったんだ?」


食後、お茶を飲んでいるとリアンが心底不思議そうに聞いてきた。


「コンフィと干しタラ料理の作り方を知りたくて。そしたらマスターが店の手伝いを提案してくれたんだ。」


「なるほど。町にいること自体も驚いたがまさか働いているとはね。」


ひとりが急に寂しくなったとか言おうものならリアンは調子に乗るだろうから絶対言わない。


「リアンの言う通り俺は世間知らずだからな。どうにかするきっかけにもなると思ったんだ。」


「そうか、この短期間で随分と立派になったものだ。」


「誰目線だよっ。」


「それにしてもマスターとのことも驚いたよ。10年以上の付き合いがある俺すらプライベートどころか名前すら知らないのに、まさかねんごろな関係になるとはな。」


「ねんごろって…。」


「以前は懸想する者も多かったんだが、柔和な笑顔にもかかわらず誰も近寄らせないためだんだん諦めていった。浮いた噂すらも無いものだから、実は呪われてるんじゃないかとか皆で心配していたんだ。…相手がセージでなければ手放しで喜べたんだがな。」


「リアンも人嫌いだって聞いたけど。」


「別に人が嫌いなわけじゃない。俺は冒険者だから追われるのも足を引っ張られるのもは嫌いなんだ。だから他人からの好意は不快でしかないパーティも組めない。俺は人も宝物もモンスターも自分で追いかけたい。

そして……相手が手強ければ手強いほど燃えるんだ。」


「そうか、だからリアンひとりで冒険していたんだね。でも俺はどうなの?足手まといだと思うけど。」


「セージは単独でブラッドボアを魔法だけで倒せる。…前回無かったこの足元の毛皮、これも新しく狩ったものだろう?少なくともその辺の冒険者よりは強いのは間違いない。」


「そうなのかな…でも非力なことに変わりはないけど。」


「さっきのは建前だ。俺はセージに出会って、恋は思案の外という言葉の意味を知ったんだ。追う追われるなんてただ断るための口実に過ぎなかった。

セージになら縄で縛り付けられても、地の果てまで追われても、縋ってきても…セージが俺にすることなら何でも嬉しいぞ。」


「…へ、へえ。」


俺が靡いても靡かなくてもリアンにとっては関係ないのだ。

靡けば手に入り、靡かなければ靡くまでどんどんヒートアップし続ける。

俺からするとロックオンされた時点で負けが確定しているということだ。


「セージは何をされたら嬉しい?」


「俺?!うーん、優しくされたら嬉しいかな。」


「安心しろ、俺は優しからな。」


「それ自分で言うことなのか。」


「他には?前にも言ったが俺は一途で真面目で稼ぎもいい。冒険で培ったこの体も悪くないだろう。」


「リアンは十分いい男だ、そのままでいいと思う。リアンじゃなくて俺の気持ちの問題だから。」


「ありのままの俺を好きでいてくれるのか!それじゃもう何も我慢しなくていいってことだな?!」


「いやいや!そういうことじゃない!自重はしてよ。」


リミッターが外れた変態が何をするか考えると怖すぎる。


「…残念だ。」




俺は風呂から上がり自室に戻るとベッドの中で既にリアンが待機していた。


「それじゃそろそろ寝るか!約束通り添い寝するぞ。」


「…ああ。」


「ほら早く。」


リアンがシーツをめくって手招きするが…。


「なんで裸なんだよ。」


「これは本当に元からなんだ!服着て寝ると肩が凝るというか落ち着かないんだよ。」


「…まあ今さらか。」


俺は観念してベッドに入り込む。


「うわぁ!っちょっとなにを…。」


ベッド入るなりリアンが俺に乗りかかり肌着を捲し上げた。


「全身くまなく見ると言っただろう。マスターとは本当に何もしていないのか?」


しかし見たところで何がわかるんだろうか。

歯形はもう残ってないはずだ。


「…何もしてない。」


リアンは腰から俺の後ろに手をまわすと尻の割れ目に手を入れてきた。


「ちょっとやりすぎだって…んっ。」


「確かに、腫れたりおかしなところは無いようだな。…よかった。」


「疑いが晴れたようでよかったよ。」


「…マスターは謎は多いがいい男だ。

だがセージの初めての男は俺がいい…。」


「…。」


俺は反応に困り返事できずにいた。


「…。」


…リアンは俺にしがみつく体勢のまま眠ってしまった。

一悶着あるだろうと思っていたが拍子抜けした。

何もないに越したことはないから本当によかった。

俺はリアンの寝息を感じながら眠りについた。




翌朝俺はベッドの揺れで目が覚めた。

だが俺はそのまま狸寝入りを決め込むことにした。

小刻みな揺れで状況を察してしまったからだ。

俺のすぐ耳元でリアンの吐息を感じる。


シーツの下からの匂いからするときっと既に何回目かなんだろう。

宿の時もそうだが絶倫の性豪なんだろうか…。

この部屋にちり紙類を置いていないんだが…きっとリアンは収納の指輪に入れていたのだろう。


「はぁ、セージぃ…。」


突然名前を呼ばれ体がピクっと反応してしまった。


「セージ?起きたのか?」


「んっ…ああ、おはよう…。」


俺は少し伸びをしてから潔く起きることにした。


「おはよう。起こすつもりじゃなかったんだが…ちょうどよかった、少し手伝ってくれないか。」


「何を…。」


「実は俺、セージの寝顔を見てると…その、何回出しても全く収まらなくて。」


宿屋の時もそういうことだったのか…。

手を出さずにいてくれただけでも感謝すべきか。


「具体的には何をすれば…?」


「その…口をお借りできないかと。」


予想遥か上をいく内容に気絶しそうになる。

初心者の俺にはハードルが高すぎる。

あんなの口に突っ込まれたら俺は喉を塞がれて窒息するだろう。


「…却下で。」


「ははは、さすがに無理か。すまない、ダメ元で聞いてみただけだ。足や手はどうだ。」


「足?」


「ああ、太ももの間に挟んでくれるだけでいい。」


「それなら…。」


聞く限り口や手よりマシな気がした。


「本当か!助かるよ…セージは何もしなくて大丈夫だから。」


そういうとリアンは俺の下着を全て脱がせた。


「え、なんで裸に…。」


「汚れないようにだ。」


俺の内ももに香油のような何かを塗りつけている。

そして俺の足を持ち上げ踵を両肩に乗せるとももを閉じ、その間にモンスターを滑り込ませてきた。

シーナの時は手の感触だけだったが、今回は表情やももの隙間を出入りするアレが丸見えだ。

動くたびに俺のモノにも擦れるため徐々に反応してしまう。


「セージも気持ちいいか?」


「っ…少しだけ。」


リアンの爽やかな容姿と行為のギャップにドキドキした。


「このままっ…はぁ、出してもいいか…。」


「うん…。」


ずっと擦られ続けて俺も限界だった。


「くっ…いく…!」


「うっ…俺も…。」


果てたのはリアンとほとんど同時だった。

しかしリアンのそれは水鉄砲のように俺の顔めがけて飛んできた。

とても何度か出した後とは思えない量だ…。


俺は足を下ろしそのまま大の字になっていた。

するとリアンは汚れたままの俺に上から重なると…キスをした。

そういえばこれが初めてだなとぼんやりした頭で考えていた。

疑似的な行為ではあったが達成感というか充足感というか…なんだか満ちた気分だった。

俺が抵抗しなかったからかリアンはその後も何度か繰り返しキスし抱きついてきた。


「嫌じゃなかったか。」


「ああ。」


「そうか、ありがとう。セージと距離が近づいた感じがして嬉しいな。」


「…キス、初めてだったんだ。」


「えっ、そうか…そうだよな。すまなかった勝手にしてしまって。」


「…いや、むしろ嬉しかったよ。」


「よかった!セージの初めての男になったな。これからもキスはしていいってことでいいよね?」


「たまになら。」


「たまに!?それって1日何回なんだ。」


「それはね、たまに、だよ。」


「いやいや、答えになってないから。」


「それより風呂に入ってもいいかな。リアンのがもう乾いてカピカピになってる…。」


「ああ、…すまなかった。」

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