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グランクレストRPGリプレイ 「新編:アロンヌ建国紀」  作者: 七無
第一章 反撃の狼煙
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第4話 ミドル戦闘 「衆寡敵せず、されど殺さず」



  「ちっ、ルークの奴、腕を上げやがったな。」


  眼前に展開した部隊を見渡し、ローランは小さく舌打ちを鳴らした。

  迅速に脱出を進めたおかげか、数はそれほど多くはないが、それでもしっかりと陣を構築し、迎撃態勢を整えている。

  かつて、自分の部下だったころのルークならば、短時間でここまで統制をとることは出来なかったはずだ。


  「奴と戦うとは、皮肉なもんだな。さて、姫様はどう出るか…。」


  喜び半分、戦意半分で呟くと、ローランはちらりとフレアに目を向けた。


〇戦闘開始


挿絵(By みてみん)


【行動値】リオン:16 ローラン:12 イスキューロン:11 フレア:9 ルーク隊:6 歩兵隊:6


 GM   :敵の配置は上の通り、さっきの判定で3ラウンドかかってたら増えてました。このエネミー達は「部隊」で、皆さんは…

 ましろ :部隊を率いていないので、「部隊崩壊」状態?

 GM   :そうですね。

 amida  :いやー、いきなり部隊崩壊ぶち込んでくるとは鬼畜ですわーw

 GM   :ミドル戦闘の方がキツイって言っただろ!?w

  

 GM   :で、門を通り抜ければ脱出なんですが、その門は今閉まっています。耐久はルルブの「石の壁」準拠で、これを壊すのはなかなかしんどいですが、開閉器でメジャーアクションを消費すれば門を開けることができます。

 amida  :この壁、〈体内〉ダメは入る?

 GM   :〈体内〉ダメは無効ですね。で、開閉器でメジャーアクションを消費するか、この門を無理やりぶち壊すかを行ってください、と。部隊崩壊のまま戦うもよし、逃げ切るも良し、それは任せます。

 ましろ :戦闘終了条件は、全員が脱出すること?

 GM   :全員です。あ、別に誰かを捨て石にしてもかまわんのじゃよ?(黒笑

 ななむ :おいやめろ!?


***


  「どうする?やってやれないことはないよ。」


  敵部隊の様子を窺い、リオンがフレアに問いかける。

  敵は訓練された兵士だが、戦場帰りで疲弊している。リオンの魔法の後に畳みかければ、勝機は十分にあるだろう。


  ――だが、フレアは首を横に振った。


  「それは駄目。ルーク達も、私が守りたいこの国の民だもの。…それに彼らに手を出したら、もう和解の目はなくなるわ。」


   かすかに声を震わせながらも、彼女は毅然として言い放つ。


  「…だから、お願い。私はルークを傷つけたくない。皆も、彼らを傷つけないで。」

  

  …彼女も分かっているのだ。多勢に無勢のこの状況を、相手を傷つけずに切り抜けるのが、どれだけ困難か。…自分の判断が、どれだけ仲間たちに危険を強いるのか。

  それでも、彼女は譲らない。それが彼女の信念であり――それを貫こうとする姿勢こそが、君主ロードに最も必要な資質だ。


  「相変わらず、無茶を仰るねぇ…。」


  だからこそ、そう溢しつつもローランの表情は満足げだった。

  君主フレアがそれを望むなら、騎士ローランはそれに応えるだけだ。


  「はぁ…。分かったよ。ここは僕たちで何とかするから、姫様は城門をお願い。」


   ガシガシと髪を掻き、リオンが作戦を提案する。


  「なあに。ワシの加護を受け入れれば、傷などつかんぞ?」


  愉し気に笑いながら、イスキューロンが加護を売り込む。


  「…ありがとう、皆。」一瞬顔を綻ばせると、フレアは表情を引き締め直した。


  「それじゃあ、行くよ!誰も傷つけず、ここから脱出する!」


***


 ましろ :…じゃあ、フレアが単独行動で門を開けに言って、他の皆はイス様に守られつつ移動するってことで。…おーい、方針決まったよー?

 GM   :はーい、じゃあ戦闘処理始めて行こうか。


〇第1ラウンド


 GM   :エネミーの行動値は6、そちらからどうぞ。

 amida  :えーと、じゃあリオンからだね。マイナーで2マス、メジャーで4マスだから…(駒を動かす)敵集団の中に入って、出る。D3まで移動して来ました。

 ななむ :あ、セットアップ忘れてた…。《地を駆けるもの》宣言で変身して、どうせ2ラウンドかかるなら足止め的な感じで、E4の敵にエンゲージしておきます。

 ニーグ :イスはリオンと同じ場所まで。

 ましろ :で、フレアが…ちょっと待ってこれ届く?(sq数を数えて)うん、届くね。じゃあマイナーとメジャー使って、G1の開閉器まで行きます。…まぁできれば城も壊したくないからね、フレアのものになるわけだからw

 GM   :あ、ちなみにサイキックの《衝撃貫通》使えば、楽に門壊せたけど大丈夫?

 amida  :今回はそれ取ってないから…。

 ましろ :やめて壊さないで!私の城!(焦り


***


  ――先手を取り、一斉に駆けだす一行。

  フレアは開閉器へ、リオンとイスキューロンは城門へとひた走り、ローランだけが敵陣に相対す。


  「さぁ、かかって来いや…!」


  彼の両足の筋肉が隆起し、足先が蹄へと変形していく。

  獣化により脚力を強化して跳び回り、門が開けば一気に追いつく算段だ。


  …だが、足止めをするということは同時に、敵の攻撃にその身をさらすということでもある。


***


 GM   :では、こちらの攻撃ですね。どうすっかな…。この距離だとフレアは殴りに行けないし、近場の3人をそれぞれ殴ります。

 ニーグ :あ、しまった。ローランにカバーリング届かないぞ。

 ななむ :あ、ローランは耐えるんで大丈夫です。〈回避〉もあるし。

 GM   :一斉に判定します。3d6+6の…(コロコロ)15。〈回避〉ダイスは-1で振って下さい、部隊崩壊なんでね。

 amida  :はーい。《イルード》使って〈知覚〉で判定。(コロコロ…)17、避けた。

 ニーグ :(コロコロ…)あ、14。いちたりない…。

 amida  :《アシスト》飛ばして行きましょう、コスト1なんでね!(ドヤァ

 ニーグ :助かる!

 ななむ :(コロコロ…)うー、11。受けます。

 GM   :では、ダメージ行きます。元々の4d6+29に部隊崩壊ペナで4d6+49、さらにルークが《増幅の印》を飛ばして+(1d6+6)です。

 ましろ :いたそー!?

 GM   :(コロコロ…)12+49で61。さらにルークの支援が…(コロコロ)あ、高い。12増えて合計〈武器〉73です。

 amida  :《キネティックバリア》飛ばしますね。混沌レベルなんぼ?

 GM   :混沌レベルは3。まあ城だからね、高くはないよ。

 amida  :じゃあ3d6+3で…(コロコロ)14軽減。

 ニーグ :こちらも《遣わされし守護者》を飛ばして、4d6+5…(コロコロ)19軽減します。

 ななむ :ありがとうございます!〈武器〉防御引いて、実ダメージは34。残りHPは60です。

 GM   :余裕やな。


***


  「あの獣を止めろ、押し包め!」


  ――ルークの号令一下、守備隊がまるで生き物のようになめらかに展開し、ローランを取り囲む。

  部隊を率い、指示することで力を与える、ルーラーとしての聖印の力だ。


  「邪紋使い(アーティスト)とて、この数には勝てん!一斉にかかれ!」


  四方八方より、隙間なく突き出される槍。動き回る空間がなくば、獣人ライカンスロープの脚力も活かしようがない。


  なすすべもなく滅多刺しにされる――かに見えた次の瞬間、横から引っ張られたように穂先の向きが乱れ、突如出現した投影体が守備隊の動きを遮る。守備兵たちの足並みが乱れ、包囲網の一角に綻びが生じた。


  「…全く、世話の焼けるおじさんだね。」

  「神たるもの、信徒との約束は守らねばのぅ。」


  リオンの静動魔法と、イスキューロンの眷属による援護だ。


  そして、その綻びに乗じて、ローランが体ごと敵陣の只中に飛び込む。


  「確かに、俺一人じゃこの数は厳しい。だが――」


  両腕を交差させ、急所を守りながら強引に前進し、体中血だらけになりつつも、ついに守備隊を押しのけて包囲を突破した。


  「――俺だって、一人で戦ってるわけじゃないんだぜ?」


***


 GM   :ではこれでこちらの行動は終わり、2ラウンド目どうぞ。


〇第2ラウンド


挿絵(By みてみん)


 ましろ :まぁフレアが門を開けて、皆で逃げるって手ですよね。

 amida  :ただこれ、リオン君が待機したら…。

 GM   :もう一遍攻撃食らうね、行動値0になるからね。

 ニーグ :先に門に移動しておいて、開いたらすぐに逃げるってのは無理?

 GM   :それは不可とします。

 ましろ :ローランは最悪、庇ってもらえる位置に動いた方がいいかも…?

 amida  :んーでも、今はまだ動くメリットはないかな、待機で。

 GM   :んっ?全員待機?w

 ましろ :いや、フレアは動くよw

 GM   :チッ。


  ――その後、フレアは開閉器を作動させて、一足早く戦場を離脱。他の3人もそれに続いた。

  守備隊は再び包囲せんと追いすがるものの、ローランとリオンはこれを回避。眷属の守りによって、イスキューロンもさしたる傷は無し。

  ルークが奥の手の《瞬換の印》を使い、敵味方の位置を入れ替えるも、さしたる距離を稼ぐことは出来なかった。



 GM   :ま、まぁ、《瞬換の印》は悪足掻きだから(震え)。では、待機してた面々の手番です。

 amida  :そりゃあ全力で逃げますよw マイナーメジャーで門まで移動。

 ななむ :あ、逃げるけど、その前に。


***


  ローラン:「ルーク、腕を上げたじゃねぇか。だが、まだまだ詰めが甘いな。」頬の傷を拭いながら、ルークに向かって笑いかける。


  ルーク :「やはり、貴方を捉えることはできませんでしたか…。」どこかほっとした表情で答えます。


  ローラン:「へっ、年季が違わあ。バッシュの兄貴にも、よろしく言っといてくれ!」


  リオン :「こんな所で捕まるわけにはいかないんでねっ!」


  イスキュ:「ほ、次はもっとまともな飯を用意しておくんじゃぞ?」


***


 GM   :はい、それでは全員脱出できました。城内からは、「奴らは一旦捨て置く!城の防備を固めるのだ!」というルークの声が聞こえてきます。

 ましろ :あ、最後にちょっとだけRP挟んでいい?

 GM   :かまわんよ。


***


  フレア :「皆、ありがとう。私の為に傷ついてまで、あの人達を傷つけないでいてくれて。」門を出てすぐの所で3人を出迎え、深く頭を下げる。


  ローラン:「なぁに、この程度すぐ治るさ。今の俺の主は姫さんだ、主の意向には従うよ。」軽く手を上げて答え、傷口はシュウシュウと自然治癒を始めている。


  リオン :「別に、あいつらに恨みがあるわけではないからね。傷つけずに済んだならそれがいいさ。」珍しく、斜に構えていない柔らかな笑みを。


  イスキュ:「ワシを信ずるものの声に応えてやったまでよ。」小さい体でふんぞり返り、カラカラと笑う。


  フレア :「神様ありがとうございます!」へへー、と跪く。


***


 GM   :…あれ、フレアはすでに信者扱い?(汗

 ましろ :そらもう、信者信者。(真顔

 ニーグ :悪徳宗教に勧誘してしまったか…!

 GM   :ま、まぁ、実際にご利益はあるし構わないでしょう。それではこれで戦闘終了とし、次のシーンへ移ります。



 

 


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