第2話 PC4オープニング 「牢獄の中心で神様と出会う」
PL:ニーグラム→PC:イスキューロン ふた●…のじゃロリ神様
「むにゃ…すぴー…。」
――牢獄の中で、一人の幼い少女がまどろんでいた。
床に直に仰向けになり、ヒマティオンと呼ばれる一枚布の服を、乱雑に体に巻き付けている。
白い素足をしどけなく投げ出し、腰までありそうな蜂蜜色の髪は放射状に床に広がって、体の下敷きになっている。遊び疲れて、そのまま寝入ってしまったかのような体勢だ。
もごもごと小さな口を動かし、飯が足らんぞ、などと寝言を言う様は、彼女がなぜ牢に入れられているのか不思議なほどに可愛らしい。
しかしその実、彼女は人間では無い。混沌が一か所に収束した結果、アトラタンに投影されてきた異界の存在――投影体なのだ。
***
GM :さて、ではPC4、「イスキューロン」の視点に移ります。貴方は数日前より、PC1~3が入っている牢の向かいの房に入れられていました。では、〈知覚〉を難易度10で振って下さい。
ニーグ :ほむ、〈知覚〉か…。2d6+5で判定やな。
GM :これで失敗したら、さすがに笑うけどw 話が始まらないよ!
ましろ :し、失敗したら俺らが気づけばいいから!
amida :失敗したらリオンが〈知覚〉振るからw
ニーグ :(コロコロコロ…)達成値は10。成功してるっけ?
GM :ピッタリ成功ですね。…では、ずっと牢にいたイスキューロンは気づくでしょう。ルーク率いる部隊が戻って来るのと入れ替わりに、主力だった守備部隊が全員城を出発していきました。つまり、現在この城に詰めているのは、疲弊したルークの部隊のみです。ここ数週間で、一番手薄なタイミングといえるでしょう。
GM :というようなタイミングで、隣には残りの3人が入って来ました。はい、合流してください(丸投げ)。
一同 :www
ニーグ :そうだね…。今まで1人だったのが急に3人増えて、寝ていたところを起こされた感じで。
イスキューロン(以下イスキュ):「…何じゃ、騒々しい。」むくりと上体を起こして、フレア達の側に声をかけるよ。
フレア :「あ、お向かいさん、居たんですか?すいません、私フレア・ルージュって言います。」ぺこりと、格子越しに頭を下げるよ。
イスキュ:「おやおや、丁寧な対応じゃのう。…ならば良しっ!」こちらも格子越しにふんぞり返る。
GM :「ならばよし」って…(苦笑)。寛大な神様だな。
イスキュ:「ワシは暫く前よりここのヌシをやっておる、イスキューロンと申すものだ。」
フレア :「そうなんですか、ヌシさまっ!」(とても純真な反応)
GM :…牢獄のヌシって何?w
ニーグ :牢名主というやつだなっ!
イスキュ:「最近の流行らしいのでな、取り入れてみたのじゃ。まぁそういうワシも、ここに捕らえられておるわけじゃが。」
フレア :「そうなんですかっ!よかったら一緒に、逃げ出したりとかしません?」
イスキュ:「ほう、丁度いいのぅ。じゃがお主ら、なにか当てはあるのかの?」愉快気に目を細め、品定めするようにフレアを見る。
フレア :「いえ、特には…。でも私、この国の前の君主の娘なので、何とかなると思いますよ?父は謀反で殺されちゃいましたけど…。」自分で喋りながら落ち込んで、しゅんと肩を落とすね。
イスキュ:「おや、それはそれはご愁傷様。…しかし、ちと甘い判断ではないかの?」
フレア :「それを何とかするのが、このリオンとローランなので!」
amida&ななむ:また丸投げェ…w
リオン :「まあね、この天才に任せておきなよ。」フッと笑って髪を掻き上げるね。
ローラン:「ま、血路を開くのは得意だけどねぇ。」ぐるぐると腕をまわし、仕方ないなという風に笑って。
――無茶を言われるのは、いつもの事だ。
ローランとリオンの視線が合い、どちらともなく苦笑が漏れる。
それでも、この姫様は決めるときは決めてくれる。先ほどのルークとのやり取りのように。
何より、こうして無邪気な信頼を寄せてくるものだから――つい、支えたくなってしまうのだ。
イスキュ:「…ふむ。なかなか良い仲間をお持ちじゃの。」
フレア :「えぇ。よければヌシ様も一緒にどうですか?」
イスキュ:「まぁ、丁度警備も手薄になったところじゃし、ここの飯にも飽いた。そろそろ出かけるかのぅ?」よっこらせ、と立ち上がる。
amida :じゃあ、手薄になったというのを聞いて、リオンが。
リオン :「そうか、守備隊が出払ったんだね。ルーク達はその後詰、しかも戦場帰りで疲弊している…。うん、確かに、今が好機かもしれないよ。」口に手を当て、ブツブツと呟く。
フレア :「…ルーク達と戦うのは、気が進まないけどね。」ここだけ暗い声音で、独り言のように。
GM :では、ここで一旦シーンを切って、次は脱出のシーンになりますね。