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グランクレストRPGリプレイ 「新編:アロンヌ建国紀」  作者: 七無
第二章 千本の剣のもとで
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第5話 PC5オープニング 「竜の継承」

 ――幼いころから、騎士道物語が大好きだった。

 高潔で勇敢な騎士が、美しい姫に愛を誓い、邪悪な竜に立ち向かう。

 何度も何度も読み返し、自分もこうあれたらと憧れ続けて来た。


 ただ、一つだけ疑問を挙げるとするならば……

 ――別に、騎士が竜の力を持っていても構わないんじゃないだろうか?

 


***



 GM   :では次、PC5のオープニング。オドネット君ですねー。

 電磁炉 :はいっ!

 GM   :父親のバッシュと王女のシェリーに呼び出されて、部屋に入るところからで。

 ななむ :何だっけ、今のオド君の仕事は、シェリーの護衛なんだったっけ?

 GM   :そうそう。

 ましろ :10歳にして近衛騎士……ヤバいな。

 GM   :あと実はオド君、この段階ではまだlv3相当です。これから他のPC達と同じlv7まで上がるってことで。……それじゃ、始めて行きまーす。

 ましろ :はーい。


***


 オドネットが呼び出された部屋に入ると、そこには椅子に腰かけたシェリーと、杖を突いてその後ろに控える父親(バッシュ)がいた。どちらも真剣な表情で、これから重要な話があると予想される。


 居住まいを正し、小さいながらに背筋を伸ばして待つオドネットへ、シェリーがゆっくりと用件を告げた。


 シェリー:「あなたにお願いがあるのです、オドネット君。フレア姉さまを、助けてあげてくれませんか?」

 オドネ :「『フレア姉さま』……? あの噂の、帰って来たっていう?」


 怪訝な顔で問い返すオドネットへ、小さく頷きを返すシェリー。するとオドネットはパッと表情を輝かせ、感極まった様子で声を上げた。


 オドネ :「あぁ、なんということだ。まさかこの歳で、お姫様を守れることになるなんて!」


***


 GM   :「い、一応私もお姫様なんですよ……?」と震え声でw

 amida  :もう守ってるんだよなぁ……w

 ニーグ :というか歳も近いだろうし、フレアよりオドネットの方がシェリーにお似合いなんじゃ?

 GM   :ふぅん?いいよ別に、寝取っちゃってもええんやで?(ゲス顔

 電磁炉 :え、えっと……。(困惑

 amida  :実際そもそもの話、シェリーとオドがくっつく方が展開としては王道なんだよなぁw

 ましろ :君ら、ちょっと廊下に来なさい(ビキビキ

 ななむ :こ、この卓の王道は百合だから(震え

 ましろ :むしろこの卓のルールは俺だから!(ドヤァ

 amida  :駄目だこりゃ(遠い目


***


 シェリー:「……補佐官のデイモスは、無理難題を押し付けてくるでしょう。あなたには、姉さまがそれに立ち向かう支えになってあげて欲しいのです」


 こほん、と可愛らしく咳払いをし、気を取り直して話を続けるシェリー。その横で、バッシュもまた言い添える。


 バッシュ:「俺も手助けをしてやりたいところだが、この様だ。それにもういい歳だからよ、そろそろ引退して、お前に引き継がせようかと思ってな」


 父の跡を継ぐ――それは即ち、父に実力を認めてもらえたということ。その嬉しさにますます笑顔になり、オドネットはビシッ!と敬礼をしてみせた。


 オドネ :「任せて! フレア様は僕が守るよ!」


 その様子に、バッシュもまた「よくぞ言った」と微笑みを返す。


 バッシュ:「お前はまだまだ幼いが、それでも俺の息子だ、筋は良い。それどころか、俺には無いものを持っているようにさえ感じる。必ずお前は、今後のルーミルの力になれるはずだ」


***


 ましろ :あー。バッシュは天運持ってないんか。

 GM   :一応、誓い(プレッジ)で取得できる3つは持っています。PCが初期から持ってる分は無し。

 ニーグ :俺にはないもの……健康な膝?w

 ななむ :ちょw 間違ってはないけどw


***


 バッシュ:「さぁ、受け取れ……!」


 バッシュが自分の胸に手を置くと、彼の体中にあった邪紋が蠢き、一斉に胸へと動き始めた。同時に邪紋の無くなった部分から活力が失われ、筋肉が衰えて皺が出来ていく。

 

 全ての邪紋が1点に集中した後、バッシュが手を胸から離すと……そこには淡く光を放つ、黒い水晶のような結晶体があった。


 ――混沌核(カオスコア)。混沌が収束して出来るものであり、投影体や邪紋使い(アーティスト)の力の源である。


 バッシュ:「今のお前なら、これを制御できるはずだ……!」


 そう言って、混沌核(カオスコア)を差し出すバッシュ。杖に体を預け、肩で息をして、10年近く年老いたように見える。


 ――父の力の結晶が、ここにある。オドネットは息を呑み、震える手で混沌核(カオスコア)を受け取ると、自分の胸へ押し当てた。


 オドネット:「グッ!ぐおぉああ……!」


 ドクン、と混沌核(カオスコア)が脈動したかと思うと、オドネットの中に混沌が凄まじい勢いで流れ込み、体内で暴れ出す。気を抜けば、そのまま体を突き破ってしまいそうな勢いだ。


 オドネット:「おぉおお……グォオオオ!」


 余りの痛みに膝を突き、叫び声を上げながらも、オドネットは混沌を制御しようとする。無秩序に暴れようとする混沌を意志の力で抑え、一定の形へ……彼が望む、「竜」の力として全身に行き渡らせていく。


 やがて叫び声が収まって、オドネットが顔を上げると……その肌には、バッシュのそれと同じ模様の、しかしより色濃くなった邪紋が刻まれていた。


***


 GM   :混沌核は本来、他者へ譲渡できるようなものでは無いはずなんですが、ここでは同じ竜模倣者(レイヤー:ドラゴン)であること、かつ親子であることが作用して、問題なく譲渡出来たことにします。……テレレテッテレー!lv7になりました!

 ましろ :いぇーい!(パチパチ

 電磁炉 :一気に4も上がった……。

 GM   :本来なら、シナリオ3つ4つクリアしたぐらいの強さですね。で、オドネットへの継承が終わると、バッシュが改めて話しかけて来ます。


***


 バッシュ:「その力で、姫様を守ってやってくれ。今のお前なら、十分にこなせる筈だ」


 継承が無事終わったことを見届けて、にかっと笑うバッシュ。老け込もうとも、その笑みの豪気さは変わらない。


 この父に、託されたのだ。そう思うと誇らしさのあまり、オドネットは顔がにやけるのを抑えられなかった。


 オドネ :「いやぁ、そこまで父さんに褒められると照れるなぁ! 大丈夫、僕に任せておいて!」

 

***


 ましろ :いやぁ純朴だなぁ……。昼行燈の姫様とは訳が違うわw

 ニーグ :この卓にはない存在ではあるなぁ。

 ななむ :一時期僕も純朴だったけど、今はもう見る影もないしな。

 ましろ :……あったっけ?(真顔

 GM   :カスみたいな残滓くらいはあったけど、シリアルに掻き消されたな(白目

 ななむ :ひでぇ!?(涙目


 GM   :……はい、これで全員のオープニングが終了。次からミドルですねー。

 

 

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