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第36話 雨の日もあったかかったよ!

5/4分投稿できてないのに本日気づきました!

申し訳ありません!!

これからは毎日必ず投稿します!!

ぴょこぴょこ


「うわーーん、雨のバカーー!」


湿気を含んだ前髪が、元気よく跳ねていた。


手で押さえても、すぐに戻る。


まるで、本人みたいに。


「こはたん、どしたん?」


「ひーくん!!髪!見てよこれーー」


ぴょんっと毛先が跳ねる。


「ぶはっ!何それ可愛い!ぴょこぴょこじゃん!!」


「うえーん、雨さえ降ってなければなー」


すっと手が伸びる。


「こはたん、髪整えてやんよ」


「ひーくん!!いいの??ひーくん、髪いじれたんだ??」


「何だよ、俺だって手先は器用だぜ〜」


「さっすがひーくん!!!お願いしまーす」


「おう!」


丁寧に髪を解き、くしを通していく。


指先は優しく、ゆっくりと動いていた。


いつもなら騒がしいはずなのに。


今は、どこか静かだった。


「えへへ」


「ん?」


「ううん!ひーくんは優しいなーって思っただけー」


「……」


髪を結びながら、少しだけ黙る。


「……ふっ」


「んん??笑ってる??今のお顔見えないよー」


「よし、でーきた!可愛いこはたんの完成!」


ぴょこんと跳ねていた毛先は、綺麗に収まっていた。


「すごーい!!ひーくん器用!!えへへ」


くるっと振り返る。


ぎゅー


「ありがとひーくん!!だーいすき」


びくっと肩が揺れる。


「……俺も好きだよ」


そっと離して、ぽん、と頭を撫でる。


「うん!こはたん可愛い!最高!さすが俺!!」


「おおー!!ひーくんは最高!!天才ーー!!」


いつも通りの軽口。


いつも通りの距離。


なのに。


少しだけ、空気が揺れていた。


「もうすぐテストだよぉ、無理無理ー!!」


「何だよ、小春は勉強嫌いか?」


「れんれんー!!助けてー!!ここもここもわかんないよー!!」


「小春のためならいくらでも協力するぜ!」


教科書を覗き込む。


「ん?てか、小春」


「なーに?れんれんどうしたのー??」


「髪型違くね?」


「あっ!そうなの!!ひーくんが結んでくれたんだよ!!」


「ふーん」


そっと髪に触れる。


さらりと指先でなぞって。


ちゅ。


「あはは!れんれん!髪は食べられないよー!」


「小春の髪は俺のだからマーキング」


「あはは、重たーい!!じゃあ!私もーー!」


わしゃわしゃ


「れんれんの髪は私のものーー!!」


「ははっ!!いいぜ、いくらでも触れよ」


手を軽く掴んで、そのまま撫でさせる。


「やったーー!いつでも触れるねー!れんれんの髪さらさらー!!」


「つーか、勉強は??」


「あっ!!わ、忘れてたよーー!!れんれん!!助けてーー」


「こんなの簡単だろ、ほれここをこう」


「すごー!!わかりやすい!!何で??一瞬で解けたよ!!れんれん頭いいんだ!!」


「まあ、高校のレベルなんて俺の相手じゃねぇな!」


「すごーーい!!れんれん頭いい!!天才!!いいなぁ!!」


「……天才……ね」


ぽん、と軽く頭を叩く。


「小春はもっと頑張んねーとな!ほーれ、ここも解いてみろよ」


「ひぇ!?む、むり!!わかんないよー!!」


「ふっ」


丁寧に教えられて、必死にノートへ向かう。


気づけば、雨はまだ降り続いていた。



「雨だー!!うーん!いい音!いい景色!いい絵の気配!!」


外に出ても、雨は止んでいなかった。


「おお!じゃあ一発描いてからにするか??」


「いいの!?ひーくんが待つことになっちゃうけど」


「俺の事はいくらでも待たせとけばいーの」


とん、と座る。


その隣に、ちょこんと座る。


スケッチブックを開く音。


さらさらと紙をなぞる音。


雨音だけが静かに響く。


何も話さない時間。


でも、不思議と落ち着いていた。


気づけば、頭が肩にもたれていた。


そっと撫でられる。


「えへへ」


嬉しくて、少しだけ笑う。


「ひーくん!見てみて!!完成!!」


じゃん、と差し出す。


「おお!!すげぇ!!俺もいんじゃん!!てか、雨にしては明るくね??オレンジ色じゃんメインの色」


「ひーくんの絵だもん!!オレンジ色!ひーくんの色!!」


「オレンジ??俺が?」


「うん!!いつもは赤色に近い黄色!でも、今のひーくんはオレンジ色!!あったかい色がひーくん!!」


「ははっ、小春は黄色だな!俺のお星様!」


ぽんぽん、と頭を撫でる。


「……あったかく感じてくれてんならいいんだわ」


雨の音が、静かに続く。


隣にいるだけで。


なんだか、安心する。


雨の日なのに。


少しだけ、あったかかった。


今日は、


ひーくんがオレンジ色だったから。


そう思った、


こはちゃんだった。


貴重なお時間ありがとうございました!

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