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王子様は働きたくない!?  作者: さざなみ
少年期編
48/66

賢者

二日連続投稿です!


ちなみに明日も投稿すると思います!

「はっ・・・!俺は・・・生きてるのか?」


クラマは自分の体を確かめるようにペタペタと体を触っていると扉が開いた。


「あらぁ、坊や起きたのね。坊やは運が良いわねぇ、力を押さえたと言っても私の凍獄監獄を受けて生きていられる者なんて殆んどいないからついてるわ良かったわね。」


「そ、そうですか。何て言うかありがとうございます・・・」


相手を殆んどの人を殺すような魔法を唱えて、運が良かったで終われるネリベルにクラマは呆然としながらお礼を言うぐらいしかできなかった。


「そんな事よりも、坊やのあの魔法は面白いわね。」


(そんな事で終わらせないで欲しいんだけど・・・)


「そんなに私の事ジトッとした目で見てどうかしたのかしら?見惚れちゃう位綺麗かしら?」


「・・・はい。」


確かにネリベルは綺麗だ。

リリスと同様に絶世の美女と呼んでも良いぐらいだ。

胸はリリスの真逆で山脈のように高々としているし見た目もクールな女性って感じがする。


おっとなぜか急に寒気がしたな・・・


だけどヤバイ人というのは会って二日なのに痛い程理解出来た。


「どうしたのよ黙っちゃって。そう言えば、あの魔法は坊やが編み出した魔法なのかしら?私も長い間生きているけど見たことも無い魔法だけど。」


「一応僕だけが使える魔法だと思います。お袋が夢魔族、親父が吸血族なので血を上手く扱えるんだと思います。」


「種族魔法と言うことね。」


ネリベルが言うには種族魔法はその種族にしか使えない魔法らしい。

リリスは夢魔族の純血、ルドルフは吸血族の純血で両方の濃い血が混ざっているから俺の血技が出来るんだろうと言っていた。

ちなみに師匠は夢魔族と耳長族いわゆるエルフのハーフらしい。

魔族は基本長寿だが、エルフは特に長く、魔法の扱いに長けている者が多いらしい。

師匠は夢魔族の創造力、エルフの膨大な魔力量で『賢者』と言われる程の魔法の使い手らしい。

確かに師匠の魔法を受けたときは死んだと思った。


「そんな賢者から教えを受けれるのよありがたいんだから。」


そういって酒を飲んでいる姿を見ていると全くありがたみが無かった。

というか一体何処から酒を出したのかさえも分からない。


「坊やは接近戦はよく鍛えられているわね。誰かに教えを受けていたのかしら?」


「一応城ではガイルと言う者に教えを受けていました。」


「ん?ガイル・・・?」


「はい。将軍のガイルって知りませんか?」


「ガイルって、ガイル・ガーランドの事?」


「たぶんそうだと思います。」


俺の話を聞くと突然ネリベルは笑い出した。


「フフフッ、あのガーランドの小僧が将軍!フフフッ、ダメ!笑いが止まらないわ!」


「ガイルが何か?」


「フフフッ、何でも無いのよ坊や。まぁ、馬鹿正直のあの小僧らしい教え方な訳ね。」


「???」


クラマは初めてこんなに笑っているネリベルを見て困惑していた。


「大丈夫よ。坊やの剣の師匠は良い師匠よ。でももっと意地悪な剣にならないとガーランドの小僧のような筋肉馬鹿になっちゃうわよ?」


「それは嫌ですね。」


「そうでしょう?まぁ、それは戦い方を手直しすればどうにかなるにしても問題は魔法の戦い方ね。」


確かにネリベルと戦っても自分の魔法が全く通用しないことが分かった。


「まぁ、私に魔法で勝つのは今は無理だろうとしても才能はあるみたいだから強くなれるから安心してちょうだい。」


「はい!」


「それじゃあ坊や。ご飯にしましょう。本格的な修行は明日からにして今日は飲むわよ!」


(いつも飲んでるんじゃ・・・)


「坊や何か言いたそうね?もう一回凍っとくかしら?」


「ごめんなさい遠慮させてください・・・」





お読み頂きありがとうございます!



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