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彼が噂の情報部  作者: くるなし頼
第一章 『情報部』という存在
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香藤の特技



今回のような他校の情報収集では、潜入捜査は出来るだけ行いたい。

潜入捜査は見つかるリスクは高いが、情報の信頼性も高い。


つまり、ハイリスク・ハイリターン。



香藤部長もそれは重々承知している。


そのため、潜入捜査の許可は確実に出す。




香藤勇雅(かとうゆうが)』。

情報部部長の2年生。いつもムスッとした堅い表情をしているが、根は優しい。

何よりこの俺や、白池先輩という曲者をまとめあげている。


そんな部長を、情報部員はみんな信頼し慕っている。


ただその反面、部活一の問題児でもあったりする。




香藤部長は、いつも隠して持ち歩いているノートパソコンを開く。

そして何の迷いもなく、ふたつの高校の情報を得るために、クラッキングを始めた。



『クラッキング』とは簡単に言うと、コンピューターシステムを悪用し、暗証番号や秘密にしている情報を盗み見する技術。

これは、完全なる違法。




そこで皆様、おわかりでしょうか?



そうです。



そうなんです。



私こと奏寺生有が、風紀委員に捕まってはいけない最大の理由。



この香藤部長にあったりします。



確かに他の部員もそれなりのことを行っておりますが、この部長のクラッキングは特に厄介なんです。




そんな俺に構わず、部長は第二高校と第三高校の年間行事予定と、見取り図を手に入れた。


そんな情報ならクラッキングせずとも、ホームページから分かるのでは?

と思ってしまうが、学校同士で抗争があるこのあたりでは、そういった情報は伏せられる。


例の白池先輩の遊びとなった全校集会も、伏せられていたはずだが、どこからか情報が漏れたらしい。

本来あってはならないことだ。



白池先輩は画面に映る情報を見ると、にやりと笑う。


「了解。この情報が正しいものか確かめるために、やっぱり僕が行ってくるよ」

「…おい、奏寺」

「…なんでしょうか、部長」


部長の言いたいことは聞かなくてもわかる。


俺は二つの高校の見取り図を完全に暗記した。





その後、生徒会の依頼の話をしていると、いつの間にか情報部員が全員集まっていた。


ちなみに情報部は全員で5人いる。


俺以外は全員2年生だが、厳しい上下関係は面倒だからと、堅苦しい雰囲気は無い。


だからこそ、香藤部長で遊んだりできるのだ。



とりあえず他校への潜入は、俺と白池先輩で行うことに決まった。


大きな依頼の話が終わると、部員は今日収穫した情報を話し出す。



俺自身は情報収集をする機会が少ないため、皆が集めた情報を聞き込む。


情報の内容に驚いたり笑ったり、とても穏やかな時間が流れた。



俺は、この時間がとても好きだ。




しかし、そんな時間はあっという間に過ぎてしまう。

情報部員は各自、自分の部屋に戻っていった。


「……」


俺は特にやることは無い。


すぐに就寝した。

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