1.呆気なく転生
その日の昼、私はメロンパンを齧って、それを水で胃に流し込んでいた。
「___さ、聞いた?なんか今アイツの投稿荒れてるらしいよ?」
若干チャラチャラした友人がそう声をかけてくる。
アイツというのは、私が一番嫌いな同級生のことである。
「マジ?これから飛び降りたりするのかな」
私のこの予想は半分当たっていた。
彼女は行動を起こした。
…なんと私の首をカッターナイフで切り裂いたのである。
「カ…ァ…ヒュ…ッ……ァ…」
これが私の遺言である。
…断末魔と言うべきかもしれないけど。
やっちゃったな。
私は欠伸をしながら、よく分からない暗い空間で寝転がっていた。
空には星っぽい光が数百…数千とある。
綺麗である。可能なら生前に見ておきたかった。
「…まぁ、良いじゃん。可愛いセーラー服を着たまま死ねたんだから」
声の方を見ると、私がいた。
…私のドッペルゲンガーである。
よく見ると、彼女には天使の輪っかみたいなものが付いている。
私には無いけれど。
「ハロー。初めまして。私は貴女の担当をやってる神だよ」
「…ええっと?」
「あぁ、この姿?せっかくだから借りさせて貰ったの」
神はそう言って、軽くウィンクした。
…なんだかもうよく分からない。
神はグイッと私に顔を近づけてきた。
「じゃあ、希望を聞こうか」
「……?」
「…あれ?無いの?転生先の希望とか」
「うーんと…安定的な生活を確約されてるところとか?」
「ふーむ…そうだね…貴女の能力ならまぁ………とりあえず分かったよ」
そう言うと、神は消えた。
また一人である。
特にやることもないので、とりあえずまた星を眺めることにした。
私ってこれからどうなるんだろう。
彼女は結構、感情に振れ幅がある。
…ポヤポヤしているのを見ている限り、今日はあんまり感情的じゃない日だったとわかる。
神は彼女の特性を結構気に入っていた。
なので、ちょっぴり分かりやすくするために、一つの特性を追加することにした。
それは、彼女が感情的になればなるほど目の色が青黒くなる特性である。
「…まだなのかな」
体感的には五分くらい経っただろうか。
「あ、ごめんごめん。待たせたね。今転生させるから」
そんな言葉が頭の中に響くのとほぼ同時に、私の視界は光に包まれた。
スージー・ド・オートクローク、0歳。
銀髪に灰色の目をした彼女は若きバスティーユ公爵夫妻の娘として生まれ落ちた。
この時、娘は0歳でありながら、夫妻や従者を驚かせた。
目の色をコロコロと変えたのである。
特に感情を出さない時は灰色の目をしているものの、声を上げて泣いている時は青黒くなり、激しく笑うほど青黒くなる。
医者は感情に起因するものだと診断した。
喜怒哀楽を問わず、感情が昂れば目が青黒くなるのだと。
夫妻はそんな妙な娘を愛し、育てた。




