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ま、いいか。

とりあえず、寝床探すぞ。

いたいけな乙女という年齢でもあるまいし、襲う輩は居らんだろう。

野犬とかは、困るけど。

って言うか、明らかにこの状況は、りうの責任せいだな。

人の夢を面白おかしくしおって・・・。

日頃の疲れが相当溜まってたんだなとも思う。

だいたい、猫が喋るってところから、キテるよね、私。

サロンの運営でかなり無理した感はあったから、あれくらいが私の限界なんだろう。

にしても、目覚めてる自覚はあるのに醒めてないんだよね~。

・・・・・・・。

まさか、本当に??

ふるふると頭を振る。

絶対、ありえん。

ファンタジー小説は、とっくに卒業した!

うん、これは、夢だ。

足の裏に感じる小石の痛みすら、よく出来た夢だと、その時の私は思いこもうとしていた。

「兎に角、前に進もう・・・こんな所でウダウダしてても仕方ない。」

声に出すのは、自分に決意させるためだった。



月明かりが、あるのと無いのでは、違うね。

非常識な二つの月を見上げながら少しばかりの心細さを誤魔化しながら進む。

畦道は、延々続いた。

って、かれこれ一時間は歩いてるんですけど。

足が、いや、足裏が限界で、道端の岩に腰をおろす。

ルームシューズは、基本布だから、耐えられるはずもなく、無惨な姿になっていた。

もちろん、犠牲になっているのは、私の足の裏もだ。

道端に生えている草を編んで即席の草鞋みたいなのも作ってさ、ルームシューズの負担を軽減させるべく頑張ってみたけど数十分しかもたなかった。

(そう言えば・・・。)

先程、アロマの香りを嗅いで痛みが和らぎ、傷が消えたことを思い出した。

(さすが、御都合主義な夢の世界。)

再び私は、痛みを和らげるアロマの香りを嗅ぐ。

それは、予想通りの働きをしてくれて小石によって傷付いた足裏は元のように戻ったけど、錬金術のような技は生まれなかった。

ルームシューズの底は破けたままだ。

これじゃ、どうにもこうにも歩くのは無理。

現代人の私には特に。


途方に暮れた。

うん、どうしよう・・・。

御都合主義な夢の癖にテレポートとか、何処でもドアとか、四次元ポケットとかの役割は、自分が身に着けているモノたちにはないらしく、もちろん、自分にも特別な力はないらしい。

ここで、雨とか降られたら、私・・・泣く。



つづく

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