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黒の魔法使いは、何処行った?
部屋に戻ると何ともいえない暗い空気が流れていた。
あれ?
「どした?」
エルアは私の留守の間に町を散策していたようで、ベッドやソファに色々なものが広げられていた。
エルアはニコニコしているが、赤ドラちゃんが微妙な顔をしている(ように見える。)
「これは?」
『暁さまがこの世界に居られる以上、今までの服では悪目立ち致しますので、この世界の娘達が着るようなものを購入してまいりました。』
えへんっ!
とかなり自信満々な顔のエルア。
そういえば、クロの鱗で手にしたお金の一部をエルアに渡していたんだった。
精霊って人型を取ることができるらしい。
なおさら、一緒に風呂には入れないと言った時は、それこそ、落ち込んでいたけど、買い物を頼んだことがよかったのかな?
エルアの機嫌はかなりいい。
鼻歌歌う精霊ってのは存在するのか?
ナチュラルカラー、アースカラーで纏められた服。
少々若作りっぽくみえる数々ではあるけれど、うん、いいでしょ。
目立たず、センスのいい服とか小物とかを買ってきてって頼んだんだけど、広がる服は概ね、ワンピースとかチュニック、でレギンスみたいなボトムズ。
季節は、春から夏に向かう途中って感じだから、今のところはこんなもんか。
いつまでも買い物に対して何も言わない私にエルアは不安になったのか、恐る恐ると言う風に顔を覗き込んでくる。
困った顔のイケメンってのも見物だな。
「ありがと、エルア。町に来た時に自分の白衣が少々目立つなって思ってたんだ。」
何だろう、この可愛い生き物は。
下から順々に真っ赤になっていく若者。
「だ、大丈夫?」
『はい。はい、大丈夫です。暁さまのお役に立てたことがエルアにとって至福の喜び・・・。』
大袈裟な・・・。
「役に立つ、立たないで側にいることを許しているわけじゃないし。この世界は私にとって頼るべき仲間はエルアとクロ、そして、赤。」
赤ドラちゃんが目を丸くする。
ふふっ、可愛い。
やっぱ、私はドラフェチらしい。
「あんた達だけなんだから。」
ちっちゃいクロが顔面に飛びついてきたから後ろにこけた。
『あかちゅきっ!ちゅきっ!』
幼児言葉は、可愛いけど、痛かった。
つづく




