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(明日は、ハーブが届く日か。)

日本全国から、明日は、様々なハーブが届く。

私はサロンの一室でそのハーブからエッセンシャルオイル(精油)を取り出す作業を週に一度行っている。

私の作る精油は、お客さんにも好評で、小売販売だってしてるのだっ!

こう見えて(どう見えて?)私は勉強家だ。(興味のあることだけ)

精油の抽出だって、頑張って勉強した。

色んな勉強をした!

それこそ、必要な知識を得るために化学の勉強とか。

理科の実験とかが好きじゃなきゃ出来ないことだと思う。

お金を掛けて部屋の一室をそれようにリフォームしたんだから!

市販のアロマオイルでもいいんだけど、私は手作りにこだわり、こだわり過ぎた。

そのせいで、一日のお客数も決まっちゃうんだ。

一時は金欠で大変な思いをしたこともあったけど、ハーブやその他植物から抽出したオイルは思った以上に私のエステには合っていて、ネット販売とかも考えてはどう?なんて、マダムから言われたりして嬉しい限り。

でも、一人で行っている作業だから、生産が追いつかない。

顧客リストとお客さんに合う精油のリストが書かれた資料を片手にリビングのソファに腰掛ける。

このソファ、一目惚れだったんだよね。

青と緑とベージュとアイボリーのパッチワーク柄の一人掛けソファ。

お金がなかった時代に6万円は痛い出費だったけど、普段、あんまり購買欲のない私には珍しく、買わないと後悔するっ!って思って買いました。

そのソファに横座りして、肘置きに両足をかけてぶらんぶらんさせるのが好き。

賢いりうは、私が出た後のお風呂場には見向きもせず、お腹の上に乗ってきた。

ちょっと、苦しいけど、乗った途端ゴロゴロ言い出すんだから、憎めない。


「確かに、儲けにはなるかもしれないけど。」

スポンサーになるわっ!と言ってくれるマダムの誘い。

けどなぁ・・・、配合とかが私の勘頼りってのもあるから、やっぱり無理。

個人個人、来てくれる、御贔屓にしてくれるお客様のみって路線で行こう!!

今のところ、手間隙掛けた私のエステに対する評価は概ね好評で、肌荒れとか言われたことないし、色々役に立っている。

それぞれの効能を理解し、ブレンドするのは、楽しくて仕方ない。

契約農家さん達のこだわりのハーブだからね、大切に使いたいじゃん。

時計は、21時。

「りう?そろそろ寝る?」

「りゆゅう!」

カーテンから見える明るい光。

「あ、今日は満月だっけ?」

スマホを開いて月齢を確認。

「明日でしたー。」

「にゅう!」

付いてくるリウの頭を撫でた。

満月の夜、つまり、明日の夜は、月見酒だな。

よし、寝るぞ。

「明日は、一日サロンに引きこもりだから、作業部屋に近付いちゃだめだよ、りう。」

ベッドに入ると当然のようにりうが入れてと頭を擦り付けてくる。

ふふ、ホント可愛い。

うん、りうがいれば、いんじゃない?

そんなことを思いながら、私は目を閉じた。

美容には、睡眠が必要よ!



つづく

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