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湯船に湯が溜まった合図だ。
抱いていたりうを床に下ろした。
「りゆう!」
抗議の声を上げちゃ駄目。
風呂から出てくるまで待っててね。
りうに言い聞かせながら、場所を移動して風呂場へと。
「にゅう、にゅう、」
りうの啼き声は、大きく2つ。
“りゅう”系と“にゅう”だ。
にゃあとは、鳴かない。
けど、そこが可愛いかったりする。
後ろから付いてきてるの分かるけど、後ろ髪引かれるけど・・・。
振り返ると小首をかしげ、私を見上げるりう。
「うっ・・・。」
りうが、可愛い声で鳴くけど、一緒にお風呂に入るは、駄目。
「待ってなさい。」
拾って、彼の体力が戻った頃、あまりの汚さに風呂に入れたけど、固まってたもんね。
猫って水が嫌いだって言うし。
「・・・。」
そう言うものだと思ってたけど、何故か一緒に風呂入りたがるよね、りうは。
でも、湯船に落ちたら大変だから、駄目。
服を脱いで、湯を張った湯船に身体を浸けた。
疲れた足を癒す下半身浴は、どんなに疲れていても外すことは出来ない私のスケジュールだ。
スイートオレンジのアロマオイルを数滴入れて鼻から息を吸う。
「はあ・・・気持ちいい・・・。」
それだけで少し癒される。
足から湯を掛けて、身体を軽く洗ってから、まだまだ浅い湯船に入って足を伸ばす。
・・・暖かい。
溜まっていく湯を眺めながら、軽くストレッチをして、足をマッサージしていく。
ん、今日も疲れたよね、頑張ったね。
下から上へと揉み上げていく。
腰まで湯が溜まるまで続けられたマッサージ。
アロマの香りに癒される。
「・・・。」
ふと呼ばれた気がした。
ううん、そんなはずはない。
幾らなんでも幻聴が聞こえるほどは疲れてないでしょうよ。
「りう?」
脱衣所にりうの影が映る。
時々ドアに手を翳している。
「もう直ぐ出るから、待ってなさーい。」
仕事も独立して、顧客も抱えて、雑誌にも載るほどには、なった。
たった一人で頑張ってきた。
周りの友達のように結婚をして、子供を作るって言うことを選ばなかったけど、幸せだ。
こんなことを考えていると切りがない。
「・・・出よ。」
湯船から出て本格的に身体を洗って、髪を洗って、再び湯船に浸かる。
「ふうっ・・・。」
元々カラスの行水な私は、風呂ももって20分。
本当はもう少し湯船でマッサージとかしたいんだけど、直ぐにのぼせるし、疲れもあるし・・・無理か。
のぼせやすい分、反復浴を繰り返すようにしてる。
それでも、のぼせちゃうけどね。
時計を見ると20時15分。
やっぱり、ゼリーだな。
そう思って“ド”でかいゼロカロリーゼリーを冷蔵から取り出してテーブルに置いた。
つづく




