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王子の騎士と商家の娘

 王宮を後にしたクロスフィードとファイスレイドは、道中、予想通り刺客に襲われたわけだが、二人はそれを難なく返り討ちにし、何事もなかったかのように伯爵邸へとたどり着いた。


「アスティ、無事ですか」

「ファイ!? どうして貴方が……っ」


 アスティリアがいる客室へとやって来ると、ファイスレイドはすぐさまアスティリアに駆け寄り、無事な姿を確認していた。そんな彼を前に動揺を隠せないアスティリアは、ファイスレイドとクロスフィードを交互に見つめるばかりだった。


「だから言っただろう。彼女は無事だと」

「そうですね。疑ってしまってすみませんでした」


 アスティリアの無事を確認して落ち着いたのか、ファイスレイドは通常の無表情に戻っていた。


「あの、一体どういう事ですか?」


 未だ状況が掴めていないアスティリアから困惑気味の声が聞こえてくる。クロスフィードはそんな彼女にとりあえず王宮での話を大まかに話して聞かせた。


「そんな事をすれば貴方様が……っ」

「私の事は気にしなくても大丈夫ですよ。それより、仮とはいえ私と婚約するとなると貴方の方が何かと大変になるかと思います。イグルマティウス侯爵様から直接接触されるかもしれません」

「その事に関してはご心配には及びません。すでに侯爵様からの接触はされていますし、あしらうだけなら私でも出来ますから」

「では、この件はこのまま進めさせていただきますね」


 ニコリと微笑みながらそう告げると、でも、とアスティリアは不安げにその表情を曇らせる。


「貴方様にそこまでして頂いたとしても、私はファイの相手としては相応しくありませんから……」

「それは本人に聞いてみるといいですよ。この場には彼もいるのですから」


 そう告げると、クロスフィードは少しばかり視線を落した。


 自分では相手に相応しくないのではないか。足枷になってしまうのではないか。そういった事を考えてしまう気持ちは、クロスフィードには良く分かるモノだった。


 伯爵家の罪を背負ったままでは、いつか皆に迷惑をかけてしまうのではないかという思いは常に持っている。そのため、この先愛する人ができたとしても、きっと自分ではダメなのだと思って身を引こうとするだろう。


 しかしアスティリアの状況はクロスフィードとは違う。手を伸ばせばちゃんと届く場所に愛する人がいる。


「こう言っては何ですが、今この場でファイスレイド殿を選ばなければ、貴方はイグルマティウス侯爵様に嫁ぐ事になりますよ。私は貴方との縁談を受けるつもりはありません。ファイスレイド殿かイグルマティウス侯爵様か、貴方に残されている選択肢はこの二択です」

「クロスフィード様……」

「貴方の答えは既に決まっているのではないですか?」


 アスティリアは伯爵家に単身で乗り込もうとしていたくらいだ。アスティリアの縁談に関しては余程切羽詰まっていたに違いなかった。

 昼間に来るならまだしも、陽が落ちる頃を見計らって来たという事は、泊る事を前提として既成事実を作ってしまおうという作戦が怖いくらいに見えてしまう。

 事実そうだとは言えないが、そういった事を考えていたのは確かだろう。伯爵邸に来たのがアスティリアの意志だったのか、それとも彼女の父親の指示だったのかは分からないが、それでも彼女自身がここに来たという事は、アスティリアもそういった事を覚悟して来たのだという事に他ならなかった。


「君たちはちゃんと話をした方がいい。互いに気持ちを理解しないと、自分の気持ちだけを相手に押し付ける事になってしまうよ。君たちは婚約までしていたのだろう? それなら、互いを選ぶ事に何を躊躇う必要があるんだ?」


 少しばかり視線を交わし合う二人を前に、クロスフィードは小さく苦笑を浮かべた。


「私は席を外す。隣の部屋にいるから、話が終わったら声をかけてくれ」


 クロスフィードはそう告げると、答えを待たずに扉へと向かう。するとその背に声がかけられた。


「クロスフィードさん」


 その声に足を止めて振り返ると、ファイスレイドが真っ直ぐに視線を向けてくる。


「お心遣い感謝いたします」

「礼はいい。私は私の利益のために動いているだけだから」


 そう言って苦笑を返すと、クロスフィードはそのまま部屋をあとにした。






◆◆◆◆◆






 クロスフィードは二人がいる客室の隣にある部屋で、二人の話が終わるのをのんびり待っていた。


 部屋に明かりは付けず、暗いままの状態で窓辺に寄りかかり空を見上げる。そうすると、夜空に瞬く星が良く見えた。


 しばらくボーっと夜空を見上げながら、クロスフィードはこれからの事を少しばかり考えていた。


「さて、どうするかな……」


 とりあえずの準備は整えたが、問題はどうやってイグルマティウスを黙らせるかという事だった。

 イグルマティウスに関しての噂にはあまりいいモノはない。しかしだからと言って、相手は侯爵位を持つ貴族だ。余程言い逃れできないような不正を握らない限り、侯爵を黙らせるのは難しい。


 貴族と平民が同じような不正を働いたところで、貴族の罰は軽く、平民の罰は重くなる。どうして貴族だけが庇護されるのかというところに政の裏事情を垣間見る事ができる訳だが、そういった腐った部分を正すべき者たちがその貴族たちなのだから、その辺りの改革は現状望めない。しかしアイリスフィアが国王としてしっかりとその地位に就く事ができるなら、そういった部分の改革も望めるのではないかとクロスフィードは思った。


 クロスフィードは中央の政に関しては内情が分からない。それも最近では少しばかり見えはじめてきているが、それでもクロスフィードがそこに関わる事はこれからもないのだ。

 しかしだからと言って王子であるアイリスフィアにしてやれる事がない訳ではない。直接的には政に関わる事が出来ないが、それ以外の事でならクロスフィードだって力になれる。


「クロスフィードさん。入ってもよろしいですか?」


 扉を叩く音が聞こえてくると、続いてファイスレイドの声が聞こえてきた。

 クロスフィードがその声に答えると、失礼します、と言って部屋にファイスレイドが入ってきた。


「すまない、今灯りを点ける」


 そう言ってクロスフィードは部屋のランプに魔法で火を灯す。

 明るくなった部屋の中で、クロスフィードはファイスレイドに視線を向けた。


「もういいのか?」

「はい」

「彼女は君を選んでくれたか?」

「……はい」


 返事に間があった事から、無表情ながらも照れている事が感じられる。

 どうやらファイスレイドは常に無表情だといっても、感情が希薄というわけではないようだった。


 クロスフィードはそんなファイスレイドを前に、やはり相手を知るためには直に接するのが一番だと改めて感じた。


「もう帰るだろう? 表から帰ると誰かに見咎められるかもしれないから、来た時のように裏の出入り口から帰るといい。外まで送るよ」


 王子直属の騎士が伯爵家から出てきたとあってはいろいろと不味い。それでなくても現在はあまり目立った行動も謹んだほうがいいのだ。今回の件も派手に立ち回らないようにしなければならない。


 そんな事を考えながらクロスフィードがファイスレイドの許に歩み寄ると、彼が徐に口を開いた。


「一つだけ、お聞きしたい事があります」

「何だ?」


 ファイスレイドの前で足を止めたクロスフィードは小さく首を傾げて言葉を待った。すると視線を先にいる騎士が真っ直ぐに視線を向けてくる。


「どうして、殿下との仲を私に明かしたのですか?」


 黙っていた方が良かったのではないかというファイスレイドに、クロスフィードは困ったような笑みを浮かべながら言葉を返す。


「その方が、アイリスは君と打ち解けやすくなるかと思って」

「しかし、私は――」

「王子の騎士が選出される事になった経緯は少なからず知っているし、君がどんな役目を担っているのかも承知しているよ。しかしだからと言って、アイリスと君の間に親交を芽生えさせてはいけないという事はないはずだろう? これからも君は王子の護衛役を務める訳だから、少しくらいアイリスと仲良くしてやってくれ」


 そんな願いを口にしてみると、ファイスレイドは少しばかり視線を落した。


「確かに私は公爵様に殿下の行動を伝える役目を担っております。その命令に初めは何の疑問も持ってはおりませんでしたが、貴方と殿下の関係を目の当たりにして、公爵様が何故今さら殿下を見張るような事をはじめたのか理解出来たような気がします」


 そんなファイスレイドの言葉に、クロスフィードは困ったような笑みを浮かべる。


「私は王子殿下の傍にいてはいけない人間だからね」

「公爵様は伯爵家を疎んでいる節がありますから、お二人の接触を良くは思わないでしょう」


 アイリスフィアは成人してからも一人の護衛も付けてはいなかった。クロスフィードもアイリスフィアと出会った当初は、王子がふらふらと一人で歩き回っている事に対して疑問を持っていた。しかし出会った頃はクロスフィードの自分の事で手一杯だったため、敢えてその事をアイリスフィアに訊ねる事もなかった。


 しかしアイリスフィアと出会ってからというもの、王子が少しずつ変わっている事をクロスフィードは感じていた。その変化は、クロスフィードにとってはいい事だと思うのだが、公爵にとってはあまり歓迎できるモノではなかったという事だろう。それはアイリスフィアに直属の騎士がついた事でも窺い知れた。


「私とアイリスの仲を知る事によって君が公爵様と私たちの間で板挟みになってしまう事は、本当に申し訳ないと思っている。それでも今後は君にもアイリスの味方であってもらいたいと、私は願っているんだ」

「クロスフィードさん……」

「クロスでいいよ。私も君の事はファイと呼ばせてもらうから」


 そう言って小さく微笑むと、分かりました、とファイスレイドから了承の言葉が返って来た。


「我が子爵家は公爵家と懇意にさせてもらっています。その関係上、私が家の意向に逆らう事は難しいです。この先、私はクロスさんを見捨てる事になるかもしれません。そうならないよう努めますが、どうか今回の事だけは最後までご協力いだたきたいのです」


 身勝手な願いですみません、と告げてくるファイスレイドに、クロスフィードは気にしないでくれと告げる。


「この件には最後まで協力するつもりでいるから安心して欲しい。もし君がどうしても私の事を切り捨てなければならなくなったら、私に構わず切り捨ててくれ」

「ですが……」

「君が守るべきはアイリスフィア王子殿下だ。それを忘れないでほしい」


 クロスフィードがアイリスフィアに出来る事。

 それは王子の傍にいられるうちに、アイリスフィアの味方を増やす事だ。


 ファイスレイドは現状家の柵のせいに完全には味方となれない立場である事は十分に理解している。しかしそれはクロスフィードが王子の傍にいるからであって、クロスフィードの存在がなければ、彼は普通に王子の騎士としての任務に就く事ができるのだ。

 王子であるアイリスフィアが国王に即位すれば、クロスフィードはもうアイリスフィアの傍にはいられない。だからこそ、今の内に王子のための味方をつくっておきたかった。


 今回の件での最大の目的はそういったところにあった。


「正直な話、君が私の話を素直に聞いてくれるとは思っていなかった。だから、こうしてちゃんと話が出来てよかったと思っているんだ」


 言葉を交わしたのは今日が初めてだったのだ。伯爵家の事情がある以上、ファイスレイドからもある程度の拒絶の意思は見られるだろうと覚悟していたクロスフィードだったが、予想に反して、彼は素直に話を聞いてくれたのだ。その事にはクロスフィードも有り難いと思いながらも、驚いていた。


「王宮でも言いましたが、私個人は伯爵家の事を何とも思っておりません」

「そうか。ありがとう」


 クロスフィードにとっては、何とも思っていないという言葉を貰ったという事だけでも稀な事だった。

 大抵は伯爵家の人間だからと蔑まれる事の方が多い。そうした状況の中で、ファイスレイドのように伯爵家の事を何とも思っていないという人間の方が限りなく少ないのだ。


「一つだけ、私からもお伝えしておきたい事があります」


 そう前置きを告げるファイスレイドの無表情が真剣なものに変わる。


「私とアスティの婚約を破棄するよう我が家に圧力をかけてきたのは公爵様です。公爵様はイグルマティウス侯爵様がアスティに縁談話を持ちかけている事も知っておられるようでしたから、侯爵様が強行策に出られる事を既に予想しておられたのかもしれません」


 だから事前にアスティリアとの婚約を破棄させ害が及ばないようにしたのではないか、とファイスレイドはそう続けた。


 クロスフィードはその事実に目を瞠った。


「公爵様は私とアスティリア嬢の縁談話も知っておられたのだろうか?」

「そこまでは分かりません。ですが、この件に関して私はあまり役に立てないと思います。それは殿下の護衛をしているからという訳ではなく、私が子爵家の人間だからという意味です」


 申し訳ないというように視線を落とすファイスレイドに、クロスフィードは気にするなと口にする。


「その辺りは心配しなくていい。こっちでなんとかするから。家同士の繋がりは大切だ。君がそれを守ろうとするのは当然の事だ」

「すみません」

「謝らないでくれ。これは私が勝手にやっている事だ。君もそう思っていてくれ」


 クロスフィードは今回の件でファイスレイドの手助けはあまり望んではいなかった。それはクロスフィードが囮として振舞う以上、アスティリアの周りにファイスレイドの影があると囮の意味がなくなってしまうからだ。

 それでなくてもファイスレイドは王子の騎士だ。王宮でアイリスフィアの護衛をしなければならないのだから、彼が自由に動けない事は最初から承知している。


「君もそろそろ王宮へ戻った方がいい。あまりエミルへの借りを大きくすると後が面倒になるぞ?」

「……そうですね。そうさせて頂きます」


 ファイスレイドの無表情が僅かに顰められた事を認めると、彼もまた、補佐官に借りを作る事がどういう事なのかを分かっているのだろう。


「アスティリア嬢は、明日私が責任を持って家まで送り届けると約束する。だから安心してくれ」

「よろしくお願いします」

「ああ」


 そうして、王宮へと戻っていくファイスレイドを裏口から見送り、クロスフィードはその後、アスティリアとも少しばかり話した。


 アスティリアの話によれば、今回の伯爵家訪問はやはり縁談を無理にでも進めるための強行策だったという事だった。しかし今回の行動はアスティリアの独断であり、父親である会長はこの事実を知らないらしい。

 どうして彼女がこんな強行策に出たのかというのは聞かなくても理解した。

 イグルマティウスからの申し出をこれ以上断る事が難しくなったのだろう。そのため、是が非でも伯爵家と縁戚関係を結び、イグルマティウスの手から逃れるために伯爵家の領地に早急に移動したかったというところだろうとクロスフィードは考えていた。

 その考えは大方当たりだったようで、アスティリアから申し訳なかったと謝罪の言葉を貰った。

 しかし既成事実を作ろうとかそういう事を考えていた訳ではなさそうだったので、とりあえず安心した。


 本部移転に関してはクロスフィードとしても力になれればと思うが、現実的に考えてそれは無理な話だった。

 仮にスヴェレラ商会の本部が移転するとなると、あの町にある商会傘下の店も付いてくる事になるだろう。なぜなら、商会の本部があり、そのお膝元で商売をしているからこそ潤うのであって、商会から見限られた町で商売を続けても大きな利益を得る事など出来ないからだ。

 現実的に見て、伯爵家の領地にそれだけの規模の商人たちを受け入れる事など不可能だ。確かに伯爵家の領地は広大だが、町はこじんまりしていてそれほど大きくはなく、領地の三分の二以上は畑と山だ。そんな田舎にスヴェレラ商会を受け入れるとなると、土地を作るために畑を潰さなくてはならなくなるだろう。それはクロスフィードどしては御免なので、そういった事も含めて、改めてアスティリアには断りの言葉を告げておいた。


 そうしてクロスフィードは夜も更けたという事でアスティリアに休むよう告げ、彼女がいる客間を後にした。


 自室に戻ったクロスフィードは部屋の灯りは点けずに窓辺に寄りかかり、今日はいろいろな事があったと思いながら、しばらく夜空を見上げていた。


 ファイスレイドとアスティリアの婚約の破棄を公爵が指示していたという事は、公爵は彼が言っていた通り、イグルマティウスがどういう行動に出るのかを既に予想していたという事で間違いないだろう。宴の夜に見た公爵の行動を考えれば、それくらいの先回りは容易にやってのける人物だという事は既に承知している。


 しかしクロスフィードはファイスレイドの言葉で、もっと恐ろしい事実を垣間見た気がした。


 ファイスレイドの話を聞く限りでは、公爵が王子直属の騎士となるファイスレイドの身辺から不安要素を無くそうとしていたように見えるが、もしも公爵が敢えて(・・・)ファイスレイドを王子直属の騎士にしたというのなら話は全く変わってしまう。


 ファイスレイドの身が狙われていると知っても、エミルディランは王子直属の騎士の任から彼を降ろそうとはしなかった。それはたった五日で不祥事を抱えていると分かれば、選定に参加した近衛騎士団長が不利な立ち位置に追いやられてしまうからだ。騎士の選定は公爵や高官たちと共に行われたといっても、その選定された騎士の直属の上司は近衛騎士団長だ。故に、責任を問われるのは近衛騎士団長であるというのは最早目に見えている。

 エミルディランがファイスレイドをこのまま王子の騎士として任務に就かせようとしていたのはそういった事情があるからで、それはクロスフィードも考えていた事ではあった。しかしその事が最初から仕組まれていた事だとするなら、ファイスレイドが本当にその身を狙われていると知られてしまうと不味い事になりかねない。


 現状、婚約を破棄したからといって、ファイスレイドに対してもイグルマティウスは刺客を送り込んでいた。それを公爵が事前に予想していたというのなら、ファイスレイドを使って近衛騎士団長とその補佐官の二人を黙らせる口実を作ろうとしていたのではないかという考えが浮かぶ。

 先の親善試合の件がある以上、公爵がこの二人に対して何らかの対策を講じている事は既に予想していた事だった。宴の際、王宮への帰路には本当に多数の待ち伏せがあったという話だ。公爵は王子すらも利用しようとしていたのだから、何らかの方法で近衛騎士団長とその補佐官を黙らせたいと思っているのは間違いないだろう。


 公爵が本当にファイスレイドを駒として使おうと考えているというのなら、この件に彼は関わらない方がいいとクロスフィードは考えていた。


「私の縁談の事まで知られていたとするなら、公爵様が手を出してくる事はないだろうが……」


 伯爵家にスヴェレラ商会会長の娘との縁談話があるという事まで知られていたというのなら、イグルマティウスの標的がクロスフィードとなり伯爵家は侯爵家からの圧力を受ける事くらいは簡単に予想できただろう。もしそうなら、公爵が手を下さなくても伯爵家は勝手になりを顰める結果になると考えたに違いない。


 そういった事まで予測し公爵がファイスレイドとアスティリアの婚約を破棄させたというのなら、その先読みの才能は驚嘆に値する。


「何もないとは言い切れないか……」


 クロスフィードは星が瞬く夜空を見つめながら、しばし今後の計略を巡らせた。


 ここでまた少しばかり止まります。すみません。

 再開の際はまた読んで頂けると嬉しいです。


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