アーティファクトもゲットだヨ~
最初の構成では影も形もなかった田中が…サブタイを侵食し始めた……
「ウわわッ!ごめんネ〜壊しちャっテ」
田中は手をせわしなく動かしながらそう弁明する。まぁ、予備はたくさんあるから特に問題はないんだけどね。
「どうして邪魔をする」
「ン?同族を助ケるためだヨ」
「同族?この蜂と?」
一体何を言っているんだこの田中は。蜂と同族って…まさか田中は昆虫⁉うわっ、近づきたくなくなったわ。
俺の考えてることを察したのか、田中は手の動きを一層激しくさせる。
「いやいや違うヨ⁉魔物だヨ!虫なんかと一緒にしないでヨ!」
「あー、そっちね。わかったわかった」
田中曰く、【蹂躙する精鋭部隊】は虫系魔物に、田中は魔人というものに分類されるらしい。
「何か質問ハあるかイ?」
質問タイムが来たぞ、おい。お前あの蜂と同族なんだろ?敵討ちとかしなくていいのかよ…まぁ、まずは
「質問。どうしてそんな喋り方なんだ?」
さっきから妙にイラつかせる声でしゃべってるんだよこいつ。わざととかだったら死ぬまでゾンビアタックしてやる。
「あァ、これはネ、特殊な道具ヲ使って無理矢理こっチノ言葉に直しているからなンだぁ」
へぇ、そんなのがあるのか。
「次の質問。なんで俺の武器を壊した」
こっちの質問はやや怒気を込めて言う。
「え、エーと…かっコつけかナ?」
「うわーひどーいそんなことでおれのぶきはこわされたのかー」
「うぅ、ごめんヨ~」
こんな棒読みにも騙されるのか。ちょっと心配になってきたぞ。まぁ、心配してるからといってゆすらないわけではないが。
「誠意を見せてくれます?」
「うっ、ジゃあ、こレで許しテくれルかい?」
〈【繧「繝ウ繝弱え繝ウ】より古代遺物【天真爛漫】を受け取りました〉
アーティファクト…なんだか凄そうな響きだ……ていうか天真爛漫ってどういうことだよ。俺はもう高校せ……には見えないか…あれ?なんでだろ、目が熱いぞ…
「これはネ、あノ憎たラしい『0』カら奪っテキたのサ。ざマァ見ろっテんだ」
そう言って田中は笑う。でも俺は聞いていない。今必死に自分の感情を押さえつけているからだ。マジでへこむわ~。俺だけが伸びず、周りの奴らだけグングン伸びやがって…くそがっ!
「うンぇ?もう帰レと?いやイや、観光ぐらいはサせてクダさいよ。……ハイはイ、わかりまシた」
ん?なんか独り言みたいなのを言ってるぞこの田中。ついに壊れたのか?
「どうしたの?」
「急に呼ビ出シガ入ったカらもう帰るネ~」
そう言って田中は飛んで行ってしまった。あいつ下っ端だったのか。勝手にレアそうなアイテムを渡したんだけど大丈夫なのかなぁ。あぁ、空が赤い。…赤い?急いで時刻を確認する。今の時刻は…18時…ヤバい、夕飯作らないと。
そうして俺はログアウトした。
二度とその面見せるな田中。(あなたではありません。自称魔人の田中です)




