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風雲『松尾城』―その3―

挙(三成):「君たちには今後。ここ松尾山で週に一度。模擬戦をやってもらおうと考えておる。」


この唐突とも言える挙(三成)の発言に困惑の表情を浮かべる家臣一同を尻目に挙(三成)は。


挙(三成):「……そうだなぁ……。最初は秀次旧臣が守る側で蒲生旧臣が攻める側と致そう。ただ生身の人間同士では重くなってしまうといけないので。そうだな……。秀次様は豊臣のものであるのだから……。兵庫!!そなたにはこれを着てもらおうと考えておる。」


と秀次の黄母衣衆の一人として活躍した舞兵庫に対し、挙(三成)が手渡したもの。それは。サルを模した着ぐるみであった……。


挙(三成):「そなたは今後。この着ぐるみを身に纏い、松尾山の守りについてもらうこととする。」


続けて挙(三成)は同じく秀次旧臣の高野越中を指差し


挙(三成):「越中!そなたは今後松尾山の家老として兵庫を支えてもらうこととする。目印として……。そうだなぁ……鼻の頭に赤い化粧を施してもらおう。」


……と全くと言ってよいほど唐突なキャラクター設定を押し付ける挙(三成)。この後、挙(三成)は。途中造られた蜂の巣型の建物の主と天守閣手前にある穴の番人に秀次旧臣の中から木村宗左衛門と大場土佐を。大きな砦の守備隊及び模範演技要員!?に若江八人衆を指名するのでありました。一方、蒲生旧臣に対し挙(三成)は。


挙(三成):「(蒲生)郷舎!!そなたには、蒲生旧臣を束ね松尾山攻略の任にあたってもらう。ただこれも生身のままでは……。」


と挙(三成)が用意したもの。それは……派手なマントが縫い付けられたタヌキを模した着ぐるみだった……。舞兵庫同様着ぐるみ着用を課せられることになった蒲生郷舎。続けて挙(三成)は、


挙(三成):「闇雲に突っ込んで行ってもうまく行かないと思うので。(伊藤)盛正殿。」

盛正:「(急に話を振られ困惑しつつ)なんでありましょうか?」

挙(三成):「貴殿には今後。タヌキ隊長のコーディネートも兼ね、戦場おけるレポーターを務めて頂きたい。そのように考えております。もちろん。きちんとした報酬はこちらからお支払い致します。」


(ただ管理しておればよい。)

とだけ言われていた伊藤盛正。

(話が違う。)

と声高に叫びたいも相手は三成。言い合いとなって勝てるわけでは無い。そもそもレポーターとは何ぞや?と思いつつも渋々首を垂れる盛正に挙(三成)は。


挙(三成):「タヌキ側が見事。勝利を修めた暁には、盛正殿は新たな主となったタヌキを支える家老の任にあたって頂くことになります故。全力でのサポートを期待しております。」


と更に意味不明の言葉を投げ掛けられる盛正。

(……何か悪いものに巻き込まれることにならなければ良いのだが……。)

と一抹の不安を覚える盛正。それは三成家臣たちも同様。先の左近や勘兵衛の様子を目の当たりにしている彼らからは

(……本当に三成に付いて行って大丈夫なのだろうか……。)

(……サルとタヌキを模した演習……。今の殿の立場でそんなことやったら……。)

(……そもそもあの池や館が実戦の舞台で役に立つものなのであろうか……。)

と前途暗雲立ち込める中、秀次・蒲生両旧臣による演習が松尾山で始まるのでありました……。

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