東側の壁 2人の想いを引き継いで
「ラクラ!ここで待機を!サクさん!行くよ!!!!!」
「え!?あ、わ、分かった!!!!!」
急いで指示を飛ばす。ここで一つでも手違いがあれば、負ける可能性はぐっと高まる。それ程ギリギリの戦いなのだ。正直なところ、上手くいったとしても勝率は30%あるかないかだろう。
「転移!!!!!って、早くサクさんこの中に入って!!!!!」
「えー!?怖いけん無理」
「ホラー好きだって言ってたくせに!?」
「あ……(言わなきゃよかった……………………)」
ドンズドンズドン……という凄い音がする。どうやら城に敵の攻撃が命中したようだ。このまま攻撃を受け始めてはキツイ。
「えーちょ、よく分からんけどまぁいいや!」
「なら最初からそうしてよ……………………」
「アハハハハハハ、ゴメン(笑)」
「ついていけない……………………転移!」
私は急いで転移魔法を使うのであった。
「うわぁ……ラクラ、聞こえる?東側の壁、第一層は壊されていて占領されてる。だいたいここには……50万くらい。その他はまだ外で待機してる。こっちは別で動くから、今からの間、ラクラに戦闘最高指揮官の権威を預けるね。よろしく」
「はい……って、えぇ!?わ、分かりました。頑張ります……」
自信がなさそうに声が小さくなっていくが、まぁラクラの事だ。多分大丈夫だろう。
「まずは……ね。ルミドールとすみれの意思は私が引き継ぐ!ルミドールの最初の高度呪文……スターダスト!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……という音がする。隕石が空から降ってきているのだ。しかしこのままでは、自分たちはおろか、城にまで被害が広がってしまう。ここでスミレの5つの内、4つ目の魔法を発動させる。
「オリジナルスペル……エレクトリックバリア!」
淡い光を灯した緑色の薄い膜は、東側の壁を覆い尽くすように広がっていく。ちょうど隕石が落ちてくる辺りを除いては。
そして隕石が降り注ぐ。高威力のそれは50万人などすぐに吹き飛ばした。そしてその衝撃はドンドン広がっていき……薄い膜に当たって消えた。
これこそ「守り」に長けたスミレの開発したオリジナルスペルの真骨頂。そのバリアは使用者の魔力の割合に比例して硬度を上げる。それを最高クラスの魔王カリンが使えば、絶対防御壁となるわけだ。
(ここは多分大丈夫。ルーク、そっちは頼んだよ!)
ただ思っただけのその言葉は頭の中でゆっくりと消えていく。ルミドールとスミレに感謝をしながら。
カリンの目の端には、薄っすらと涙が滲んでいた。しかしそれをカリンはぐっと抑え込む。
戦いはまだ終わっていない。まだ勝つかどうかも分からない。今悲しんだって仕方がないんだ!
カリンは次の魔法をドンドン完成させていく。
次回はルークに視線を変えようかな?




