物語の始まり?
これはこの物語のあらすじを詳しく書いたもののようなものです。なので物語の始まりは1話からになります。
日本には昔、妖怪という存在がいた。
物を盗む妖怪、人を助ける妖怪。果ては、人を殺める妖怪までもが存在していた。どのような妖怪であろうと人間よりも遥かに種族としての格が違った。そのため昔は、妖怪を恐れ供物を捧げるものや、崇めるものでさえいた。
妖怪のような人知を超える存在は、人に認知されて初めて存在が確立される。誰かの噂話や昔からの伝承。負の感情や人の願いなど、そういったものが人の想像に形を与えて、色を与えて、存在を作り出す。
そうして生まれた妖怪たちは、それぞれが固有の能力を持っている。人間や他の妖怪を喰うことでその喰らった者の能力を自分のものにできるものや概念を操ることのできるものなど様々が存在している。古くから生きている妖怪や強力な妖怪は強力な固有能力をその身に宿し、弱い妖怪は火を操るなどごく普通の能力を有している。しかし、火を操ると言ってもそんな単純なものではない。言葉だけを見れば弱そうに思うが、火。つまり熱という概念そのものを操ることのできるものもいる。
そんな固有の能力を持つ妖怪たちでも、その一部は人間とともに暮らしていた。信仰されるものや人間と友として生活するものもいた。何年、何十年、何百年と良好な関係は続いていた。妖怪たちが人間に施しを与え、人間はその恩返しをする。妖怪と人間が友として同じ目線で意見を交わし、ときには喧嘩をする。妖怪たちの中にも害を与えるものもいるが、人間のようにありふれた生活を行う者もいる。
しかし妖怪という存在は本来、人間に害をもたらすものだ。盗み、殺し、犯し、天変地異でさえも自らの力で可能にする。それが本来の妖怪の姿だ。だからこそ、友として同じ立場で過ごすのではなく、奉らさせていた。
しかしそんな妖怪たちも、時代が進むに連れてその存在は否定されていった。それは科学現象で証明できる。何かの勘違いだったんじゃないか?と。
そうして今はもう、妖怪たちと人間がともに暮らしていたのが遠い昔の話になっていった。今では妖怪のことは、歴史上もしかしたらいたかもしれないそんな曖昧なものとして伝えられている。
そして現在。なんの変哲も変わり映えもなかった世界に突如として異変が起こった。地震や津波など、そんな生半可なものではない。地は揺れ続け、海は割れ、月は2つになった。
漫画やアニメで見るような光景が今、世界中で見られるようになってしまった。最初はなんの影響もないのなら、ただの研究対象で済むだろうと誰もが高をくくっていた。しかしそんな現状も、この異変が起こって5年後に大きく変わった。
未知の生物、未知の技術。そして、ダンジョンと呼ばれる未知の建造物の出現だ。
日本では自衛隊、ドイツでは連邦軍、アメリカではFBIなど、政府直属の組織がこの未知の建造物へ乗り込んでいった。ダンジョンに乗り込んだそれぞれの組織は、戦車や最新の装備をこしらえていた。しかし、どの組織も1週間も経たないうちに外へと出てきた。どの軍も軍の中でも上位の実力を持つものや生存能力に長けたものだけが生き残った。腕を失い、足を失った者たちもいた。
そしてどの組織もが逃げ帰り1ヶ月ほどが経った時、世界中の人間に能力というものが発現した。その能力は、日常生活を楽にする程度のものもあれば、戦闘に特化したものなど多岐にわたった。その力を会得した者たちは、今まで進むことも抗うことも出来なかったダンジョンに挑むようになった。
能力を手にした人間たちがダンジョンに挑むようになり、超常の現象が当たり前の日常になることで妖怪たちも少しずつ行動をするようになった。妖怪の中は人型の姿のものと獣のような姿、言葉では表せないような姿のものもいる。
そしてそのなかの人型の姿の妖怪は、人間に紛れて協力して存在を確立させたり、逆に人間に対して敵対行動を取り存在を確立させ始めた。妖怪たちは自らの種族を隠し、ただの人間、獣人など様々な種族を語って過ごしていた。
この世界に異変が起きた時、人間たちの中から先祖返りという特殊な現象や突然変異でエルフや獣人、竜人といった種族が生まれるようになった。そのおかげで、妖怪が獣人や鬼人の姿になっても怪しまれることはなかった。
そんな世界に一人、昔から生活する一体の妖怪がいる。いつ生まれたのか、何という種族なのか、何という名前なのか誰も知らないそんな妖怪。
これからその妖怪はなにを成し、なにをしでかすのか。
西暦2876年。現代を息づく最古の怪異の止まっていた人生の歯車が再び動き出す。
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