Display of fireworks
1.Display of fireworks.
齋藤と藤堂が電話で話している。
「親知らず抜いて調子はどうだ?」
「もう、傷口塞がったから大丈夫だ。ありがとう。色々すまなかったな。本当に下の真横の親知らず切開して取り出した後は痛みで3日間眠れなかったし、熱は出るわ顔腫れるわ散々だったよ。統轄長にも同行予定あったけど出来ず迷惑かけたし……。
もう、2度と歯医者には世話にならないぞ。しかし、なんで拓哉は親知らず無いんだよ!」
「いや、1本はあるぞ。歯肉の下の方に。まぁ、わざわざ抜く必要が無いみたいだ」
「世の中、不公平過ぎる!」
「それより今年の盆休みは、十碧は実家に帰省するのか?」
「ああ、うるさいんだよ親が、足の骨折が治ったら一度は帰ると約束したしな。こないだ電話もかかってきて今年は強制的に帰る約束させられたよ!」
「なら俺も帰るかな?しかし、十碧。ここ何年か怪我とか多いな?」
「…………。" Today you, tomorrow me."(今日は人の身、明目はわが身)と言うからな気をつけろよ!拓哉」
「俺は鍛え上げてるからな~」
「鍛え上げても、歯までは鍛えられるかよ!」
「まあまあ、最近怒りぽくなったな~。十碧」
「ここまで、次から次に痛い目に遭うと怒りたくもなるわ!」
「どうせ帰省するなら宮島の水中花火大会見に行くか?」
「昔はお盆に有ったが今は微妙にずれてるんじゃないか?しかも人が、かなり多いし市内から離れて居るし、行き帰りが大変だぞ?」と言いながら藤堂はパソコンで検索する。
「宇品である花火大会は7月だよな?確か名前が【広島みなと夢花火大会】だっけ?」
「あ~。あの花火大会は市内だからな。確か太田川花火大会と一緒になったんだよな」
「しかし、なんで拓哉は花火大会に拘る?やっぱり宮島は盆前だ」
「こないだ部下と花火大会の話になって最近、花火大会とか見てないな~と」
「広島市内からだと呉の花火大会なら行けるがあれも盆にはやらないな」
「帰って何か遊べる所あるか?」
「駅前にマツダスタジアム出来てるぞ?」
「野球でも見に行くか?チケット取れるのか?」
「金次第じゃないか?」
"His Majesty 十碧 Regards."(十碧陛下よろしく)
「拓哉の兄貴はどうする?拓哉の両親は?パーティ席とかあるぞ」と藤堂はパソコンを見ながら言う。
「何かBBQとかできるらしいな。俺は酒が飲めれば良いがな~。兄貴は誘えばよろこんで付いて来るだろ……。しかし、そうなると兄貴の嫁や子供が………」
「30名までのプレミアム・グリルっての押さえて置くか?うちの両親と拓哉の両親に兄貴の家族で後で何人か増えても余裕あるし貸切りだから子供が騒いでもいいだろ?」
「スポンサー様よろしくお願いします」
「歯医者の借りはこれでチャラだからな!」
「勿論ですよ。カープ女子とか噂上がってるよな?可愛い子いるかな?」
「さぁな、取り敢えず取れる日でいいな?食べ物も勝手に手配しておくぞ。 」
「全てお任せいたします"His Majesty 十碧 ."」
齋藤との電話を切り藤堂はパソコンを見ているとノックがする。
「ん?どうぞ」と言うと千景が入ってきた。
「藤堂先輩?今年の盆休みは、広島に行くんですか?」
「ん?まぁどうしてそれを?」
「おじさんが、ちらっと話してたから」
「実家が広島でね、ずっと帰ってなかったからいい加減一度くらいは帰ってこいと言われてね……」
「俺も付いて行ってもいいですか?」
「ん?いいけど、うち狭いから泊めてあげることはむずかしいのだけど……。
多分、俺の部屋も、もはや、あって無いようなもんだからホテルに泊まるつもりなんだ、それでもいいかな?」
「はい。俺も同じホテルに一緒に予約しておいて下さいよ」
「いいけど。どうして?」
「パンダ達、帰ってこないみたいだし、実家に帰っても親父が病院の雑用を手伝わされるの目に見えてるし。休みまで働きたくないし。おじさん達は熱海に行くって……。
俺一人でこんな広い家に居てもね。おじさんは一緒に来るかと言ってくれたけど流石に……。それに俺、まだ広島には行ったこと無いんで……。いい機会なんで遊びに行くのもいいかなと」
「そう、いいよ。歯医者では散々お世話になったし、調度今、マツダスタジアムの予約してたとこなんだ。千景君も来る?うちの両親とか拓哉の一家が来るけど」
「お願いします」
「なら、新幹線とか予約も全部一緒にしておくよ。広島で何処か行きたい所ある?
って言っても遊べる所なんてなんも無いからなぁ……。宮島くらいかな?呉に行けば大和ミュージアムって言うのができたらいしいけど俺達も行ったことないし。
観光名所と言えば後、平和記念公園かな?興味あれば原爆ドームとか?
広島県では無いけど山口県の錦帯橋も宮島から割と近いよ。
俺達も10年近く帰ってないから今一つ、どう変わっているのかわかんないけど行きたい所あれば付き合うよ?」
「ありがとうございます。俺も色々調べて見ます」
翌日、ダイニングで藤堂と千景と時宗が朝の食事していた。
「あの~先輩。昨日の広島の件変更まだききます?」
「ん?まだ手配完了してないので大丈夫ですよ?辞めます?」
「いえ……あと2名程追加を………」
「ん?誰ですか?」
「廉とパンダ……」
「ん?」
「帰って来るみたいです」
「玲音達、帰ってこないって言ってたが帰ってくるの?」と時宗が聞く。
「帰ってくるというか広島に一緒に行くって……」
「ふーん。なら、私達も広島に行こうかな」
「ええ統轄長は熱海って……」
「どこでもいいんだけど…。まぁ熱海辺りでいいかなと。でも玲音達が広島行くなら私達も広島でもいいかなぁ~。メアリーに聞いてみるよ。ちょっと待ってて」と時宗は立ち上がる。
「えっ………統轄長は熱海で………。統轄長来ると警備やその他大変ですから………」と藤堂が必死に訴えていたが時宗は上の空で席を外す。
「行っちゃいましたね。ここで言うのまずかったですかね?」
「………。う~ん、まぁ遅かれ早かれ分かるし、後からの方が面倒ですから……。ホテル考え直さないと行けないかな?あっ?もう一人、面倒なのはいいんですか?」
「面倒?悠貴ですか?」
「はい、何時もごねてませんか?」
「今回は多分大丈夫です。彼女が出来たので…多分……」
「まぁ宮島とかカップルで行くと別れると言いますからね~女の神様なんで……。そう言えば拓哉も連れて行ってたなぁ……。あながち迷信でもないのか?」
「宮島ってロープウェイがあって山に登れるんですよね?」
「弥山 ですか?お盆とかはかなり混雑するような……。まる1日宮島で過ごすなら大丈夫ですよ?」
「藤堂君。私達も広島行くよ!」と時宗が帰ってきた。
「はぁ、新幹線ですか?飛行機?」
「君達に全部合わせるよ?」
「えええぇ~。それはちょっと………」
「なんでだい?」
「警備やその他諸々………。しかもマツダスタジアムには俺達の両親や兄貴のガキ達も居ますし………」
「ん?藤堂君は一人子じゃなかった?」
「あぁ、拓哉の兄貴です」
「私達は構わないよ?」
(えっ、う~ん俺達が構うだが?)
「おじさん達も宮島の 弥山 に行くのですか?」
「君達が行くなら付き合うよ?」
「いや付き合わない方が……」
「なぜ?」
「盆休みは凄い混雑しますし、ロープウェイ待ち時間大変ですから……」
「貸し切りする?」
「いえ、それは他の観光客に大変、迷惑ですから……」
「盆休み前に水中花火大会とかあってかなりの観光客いるはずですから…」
「それいつなの?」
「今年は8/11みたいですね」
「それ、かなり有名だよね?鳥居背景にあがる花火大会」
(嫌な予感……)
「早く休み取ってそれ見ようか?」
「統轄長うちの会社10日から17日迄休みですから……」
「なら大丈夫だね」
「船チャーターするんですか?宮島のホテル取れるかな?ってか廉君達は休み違うでしょ?」
「子供では無いから後から勝手に来るだろ?」
「……………。統轄長もっと早く言ってくれないと警備とかホテルとか移動手段困りますから!!」
「君達と一緒でいいよ?」
「新幹線のグリーン席以外乗ったことのない人があのロープウェイの混雑を我慢出来るわけないでしょ?あの時期、宮島までかなり車渋滞してますから車での移動ほぼ無理ですよ。JRの普通列車で行くんですか?路面電車で行くんですか?
花火大会ともなれば船チャーターしないかぎり凄い人混みですから……。
8月6日が原爆の日ですから、式典の為にその前後は大勢の政府関係者や世界各国の要人や報道関係者とかでホテルも取れるかどうか……」
「君達は取れたんだろ?」
「俺達はビジネスホテルでも実家でもいいんですよ。スイートルーム以上のクラスしか泊らない人は無理ですよ!それに俺達は13~15日の予定でしたから」
「私は構わないがメアリーはちと微妙かなぁ……」
「いえ統轄長も無理ですよ…SPもつけれませんから。ちなみに熱海の手配は誰がしたんですか?」
「ん?これから藤堂君に頼もうかと思ってた所だったからまだだよ?」
「もう!いい加減にしてください。あれほど盆休みとか正月休みとゴールデン・ウィークのスケジュールは3ヶ月前には決めて下さいと言ってるでしょ?押さえられませんよ?」
「最近藤堂君、怒りぽくなったね?」
「温厚な人間でも限度が有ります」
「温厚?………温厚………」と時宗はブツブツ言っている。
「千景君、廉君達の休みはいつから?」
「さあ?」
「聞いてくれる?」
藤堂は齋藤に電話をする。
「拓哉?」
「なんだよこんな朝早くから」
「早くもなんもないでしょ?そんなことより帰省ですが統轄長が宮島水中花火大会見に行くので10日から帰る事にしますが拓哉はどうします?」
「もしかして、船チャーターするのか?」
「しないと無理ですよ…」
「俺も同行してもいい?」
「統轄長、花火大会拓哉も同行してもいいですか?」
「勿論。一家で来てもいいよ?」
「聞こえたか?」
「あぁ、凄いな当然統轄長に合わせるよ…」
「拓哉は実家に泊まるわけないよな?」
「あぁ、兄貴夫婦居るから俺の居場所無くなったからな、十碧の家泊めてくれる?
俺の居場所もないよ。多分物置になってる。まぁわかったホテル探す。花火大会の翌日弥山に登る準備しておけよ?」
「味仙?島の山に比べれば山じゃ無いな~」
「ならこっちで全て段取りするぞ」
「よろしくHis Majesty」
「統轄長、奥様は何時まで休みなんですか?」
「ん?さぁ?当分日本に居るらしいから同じ日程でいいと思うよ?」
千景が帰ってきた。
「盆休みは13~15日だって、花火大会見れないとパンダくやしがってたよ」
「福山市の芦田川花火大会は盆だったような?」
「そっちも行く?」
「無理ですよ。今からでは場所確保出来ませんよ」
「そうかぁ~玲音達見れないのは可愛そうだな?」
「東京でも花火大会はありますからどこで見ても花火は花火ですよ!統轄長、今日はご自身で仕事こなして下さいよ!私はホテルや新幹線の手配しますから!!」
「よろしくね」と時宗は涼しい顔し、
(やったー。水中花火大会を船チャーターとはかなりラッキー)と千景はご機嫌でワクワクしている。
2人とは裏腹に藤堂は余計な仕事が増えて帰省すると言うのではなかったと後悔していた。
藤堂は宮島の観光は結局チャーターできるフェリーを選択し、花火を見ながら夕食を取れるよう手配し、ホテルも郊外にある船を使うには便利なアリーナのリゾートホテルを拠点とすることにした。
齋藤から電話がかかる。
(なんか凄く嫌な予感……。)
「なに?拓哉面倒は御免です!先に言っておきますよ?」
「俺だって………。加藤さんから電話有ってさぁ。何で俺達を誘わないと怒られた………。 伊集院教授と加藤さんも参加で手配しろとさ……… 」
「じゃけん、そがーな、かばち聞かんでもええじゃろ?拓哉、俺達は元々旅行ではないじゃけー、帰省じゃろ?何でそうなる?
(だから、そんな文句聞かなくてもいいだろ?拓哉、俺達は元々旅行ではないのだから、帰省だろ?何でそうなる?)」
「十碧、広島弁になってるぞ。加藤さんに聞いてくれよ……」
「………………………………」
藤堂は溜め息をつく。
「それ俺の仕事じゃあないよな?管轄外だよな……。どう考えても、統轄長とその家族までは仕事だが……」
「なら十碧が直接加藤さんに言えよ……。俺は無理。加藤さんだけは絶対に敵に回せない」
「はーええよ。手配すりゃええんじじゃろ??しますよ!よろこんで!請求書も全部加藤さんに回しゃ~ええんじゃろ?」
「十碧?十碧?広島弁混じってる、怒ってる?……」
「じゃけん怒ってなんかないけー!機嫌が悪いだけじゃけー」
「……………十碧。広島弁で怒るのは辞めて…」
結局、その夏は何時もメンバーに、藤堂と齋藤の家族が加わり一大親睦会となった。
ただ2人を除いては最高のロケーションで花火が見れ、日本三景の宮島を堪能し、野球見ながらBBQしながら飲んで大騒ぎで大満足のお盆休みを満喫していた。
帰りの新幹線を待つ中、「何で俺達が休み取れない年に……。宮島の水中花火大会見たかったのに~」と玲音はごねた。広島弁で言うと"はぶてた"
「研修受けて最後の試験に合格しないと司法試験合格した意味無いんだから仕方無いだろ?」と廉がなだめる。
「宮島だって行って見たかったのに……」
「宮島は冬の方が行司たくさん有っていいですよ?牡蠣祭りとか有りますし」と藤堂はごまかす。
「あぁ!!」と急に玲音は大きな声を上げた。
「どうした?」と加藤が驚く。
「俺、お好み焼き食べてない!!!広島焼き食べてない!!!」
「…………」千景と時宗と藤堂と加藤と伊集院と齋藤は黙り込む。
それを見て玲音は「あ~。俺達の居ない間に食べたな?
あ~。もしかして、宮島のあの有名な穴子飯も食べたの??」
6人はギクリとしながら「いやぁ~。とごまかす」
そこに電話で席を外していたメアリーがやって来た。
「楽しそうね?」
「ママ?宮島の穴子飯は美味しかった?」
「あぁ、あれは、本当に美味しかったわね?パパ?」
時宗は顔をひきつらせ笑う。
「藤堂君!何とか取り寄せとか出来ないのか?玲音の食べ物の拘りは……」
「…………冷凍の土産用お好み焼きではダメですかね?そこの売店で穴子飯弁当買ってきますよ」と齋藤は駅の売店に走る。
「俺はお好み焼き村で食べたかったんだ!!穴子飯も宮島の旨いと有名な店で食べたかったんだ!」
廉が溜め息をつき「修習試験終わったら、また2人で来よう」と廉が言う。
「俺達の休み合えばその時はちゃんと案内するよ」
齋藤はすぐそばの売店で買って来たお土産用の駅弁と冷凍のお好み焼きを差し出しながら藤堂とフォローする。
「約束だからな?絶対にお好み焼きと穴子飯!!」
「はいはい、観光では無く食べ歩きなのね………」と廉は呆れる。
玲音は新幹線を待つ間に齋藤を連れて売店で、広島名物を教えて貰いながら紅葉まんじゅう全種類とともに広島の銘菓を買い漁っていた。




