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Eternal Return ~永劫回帰~  作者: 天野 花梨
Daily Activities -in University life-
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89/100

Legal kinship

1.Legal kinship.


 藤堂と千景は広い屋敷に帰ってきた。

「なんか広すぎて虚しいですよね」

「そうですね。玲音様の気持ち今なら分かるような気がします」

「取り敢えず明日から仕事なので寝ましょうか?」

「そうですね」

「先輩明日俺、大学に行くんで乗せて行ってあげますよ。朝8時ここ出発でよければ」

「助かります。お願いします」


 玲音と廉と周藤と時宗は明日以降のスケジュールの確認をしていた。

 周藤は当分の間、時宗に同行し、工場視察する。それに併せて、周藤の知り合いのドイツの経済評論家や、ドイツの経済ジャーナリストと会い買収する工場の創業者の評判、その工場資産価値、技術の実力を見聞きし、買収の有無を決める。


 廉達が同行するのは、買収の最終決定の時の下地調査との整合性をその工場で働いている従業員に色々と質問する時となる。

 それまでは、ドイツの大学の講義や司法試験に向けて時間を取る。



 玲音は、先日の言葉通り、時間が空けば勉強を始めた。

 ソファにすわりテーブルの上に教材を広げている玲音に近づきながら、廉は聞く。

「玲音、本気で俺の補助人になろうとか、俺を記憶障害による痴呆症とか精神障害者扱いにとかにしようなんて思ってないよな?」

「ん?さあね。ねね、ここ、これどういう解釈なの?この判例の意味教えてよ?」

「どこ?って先に俺の質問に答えろよ?」

 玲音は、廉を見上げながら言う。

「廉は、【橘】の姓を名乗っていると言うことは親父と養子縁組みしている訳では無いんだろ? 未成年後見人だと廉が二十歳越えると親父達とは、法的には何の繋がりも無くなるだろ?廉が、これからも俺達と法定血族関係で繋がる方法を調べて居るだけだよ」

「養子縁組みして欲しいのか?」

「そうすれば、簡単に法定血族関係になれるから、ちゃんと俺達兄弟になれるから嬉しいけど。【橘】の姓を選らんだ理由も色々有るだろうから……。廉の両親への思いや、廉の考えは俺には分かんないからな。

 ただ、法定血族関係の様な法的な権利ないと、いざと言う時、困るから」

「いざと言う時?」

「例えば、廉が倒れて意識不明の重体になった時とか、廉が重い病気になったら親族しか病状は聞けないだろ?他にも色々制限有るじゃんか!だから 養子縁組み以外で法定血族関係の様な、法的効力ないか?を調べるには、法律をちゃんと知らないとダメじゃん?

 法律なんてどのくらい法律に精通してるかの勝負だろ?なら、勉強するしか無いじゃんか!必要なのは、裁判官を言いくるめられる法の知識と話術だろ?

 あっ!そんな事より、ここの解釈教えろよ!!」

「ん?ここは、確かにわかりにくいけど。ここ、読んで見ろ」と教え、廉は玲音の向かいのソファに座る。

「俺、別に拘りが有って【橘】の姓を名乗って居るわけでないぞ?選べと言われたのが12歳の子供の頃だったから【櫻】と言う苗字に変わるのがピンと来なかったんだ。まぁ、子供ながらにおじさんの財産云々のごたごたに巻き込まれたくなかったのも有るけどな。何人かグループ関係者が病院に調べに来ていたのを見たしな。

 まぁ、今でも財産云々のごたごたには巻き込まれたくないけどな」と言い廉は教材を見始める。

「財産云々は親父が遺言書残せば法的に赤の他人でも相続できるだろ。

 まぁ親族が異議申し立てすると全部は通ら無いが、俺は別に廉なら親父の財産を全部譲り受けても、異議申し立てなんかしないよ。喜んでくれてやる」

「いや、要らないから。異議申し立てしてくていいから。それより、そんなに法定血族関係欲しいのか? 

 俺は、そんなの無くてもお前の事を兄弟だと思って居るぞ。

 それではダメなのか?まぁ誕生日がお前の方が早くて、お前が【兄】になることだけが納得いかないがな」

「廉!法律家目指すなら、法がどんだけ不条理か分かるだろうが!慣習とか、風習とか世間で認められても法律では認められない不条理有るじゃんか!法律は弱い者を守ってくれるんでは無くて、法律に精通してる者だけを守ってくれるんだ!」

 廉は、その言葉を聞いて、びっくりして持っていた本を落とした。

「お前、ドイツ来て何があった?」

「何もねーよ!」

「いや、明らかに、こないだまでとは違うだろ?これっぽっちも法律に興味なかった癖に………」

 玲音は廉の問いかけに無視して勉強を続けてる。

「教えろよ?何があった?」

「こないだ廉が倒れた時、小耳に挟んだだけだよ。法定血族関係が無いと廉が成人すると親父達は法定代理人では無くなって、親父達は法的に廉との関係が無くなると」


「……………」



 調度、玲音がシャワー浴びている時、千景から廉に電話がかかる。

「なんかさぁ~。この家パンダ居ないと静か過ぎてさぁ……。

 まだ、藤堂先輩も帰って来ないし、先輩、足が治ってそっち行っちゃうと俺一人だよ?」

「後藤さんがいるじゃ無いか?」

「俺、帰って来る時間には、帰っている事多いんだよ」

「なぁ、千景。こないだ俺が、入院した時、何があった?」

「ん?何って?」

「玲音の奴、法的に制限にこだわってるから、あれ以来、真剣に勉強してるんだよ」

「あ~。廉が成人するとおじさん法的代理人から外れるだろ?

 もし、成人後、お前が今の様に倒たりしたら、誰がって事さ。

 他人が検査を同意したり、入院させたりは出来ないだろ?

 おじさん達がやりたくても、法律上、出来なくなるんでは無いか?

 本人の同意か親戚?それに病状も本人と親族にしか告知出来ないからな。病院としても困るんだよ。

 確かお前、遠い親戚が居ることは居たよな?」

「まぁ。一度しか会ったことないけどな」

「俺、法律に詳しく無いからよく分からないが、そっちに説明しなければならないんじゃ無いか?」

「それを親父とおじさんが話てたからそれでかな?なんで、養子縁組みしないんだ?」

「なんでって、別に必要無いと思ってたから……」

「廉。お前、案外パンダ以上に脳天気だよな?法律家目指すなら法的な権利よく分かるだろう?お前の様に持病持ちは代理人……。あ~。それで補助人とかパンダ言ってたんだ。お前、パンダに愛されてんな~」

「なんだよ!その言い方……。気持ち悪い」

「養子縁組みを真剣に考えてみたらどうだ?その方がおじさん達も喜ぶと思うぞ」

「そうかな?まぁ、よく考えてみるよ」


 調度、千景との電話を切ったら玲音がシャワー室から出てきた。

「誰と話てたの?」

「千景だよ。家、誰も居なくて寂しいってさ」

「【玲音Jr.】居るじゃん、それに藤堂先輩まだ帰って来て無いの?」

「【Jr.】は喋らないだろ?先輩は最近遅いみたいだよ。バイト1.5人居なくなったからな~」

「なに?その1.5って!俺が1で廉が0.5?」

「反対に決まってるだろ?お前はよくサボるんだから……。ほら、玲音、何度も言わせんな!ちゃんと拭いてから出てこい」

「親父達、帰って来たのかな?」

「さぁ?帰って来たらここに来るだろ?ご飯食べに行こうって」

「そう言えば、おばさんそろそろ来るんでは?」

「あ~。そう言えばそうだ」

 噂をしているとインターフォンが鳴った。

 ドア開けると玲音の両親と周藤が居た。

「ご飯食べに行こう」と時宗。

「はい、廉ちゃん、玲音。これ、おみやげ」とメアリーから包を渡される。

「いつも、ありがとうございます」

「あっ!ママいつ着いたの?迎えに行ったのに!」

「ん?パパが来てくれたから大丈夫よ」

「親父、着く時間を知ってたなら教えろよ!」

「まぁ、昼過ぎに連絡きたから……。さぁ出掛けよう」



 車の中で周藤と廉が話ている。

「交渉はどうですか?」

「まずまずかな?」

「報道に前、居たんですよね?」

「ん?そうだよ?」

「樹里亜、知ってます?」

「藤春樹里亜さん?」

「ええ。玲音のいとこですよ?最近は会ってないけど」

「彼女は頑張っているよ。結構、治安の悪い所でも、進んで取材に飛んでるよ」

「へぇ、あのお嬢様がね~」

「廉君のタイプなの?」

「え?まさか……。勘弁してください。大切な仲間ではありますがそれ以上では有りませんよ!それに多分、本人の口からは聞いたこと有りませんが、彼女が好きなのは千景ですよ?」

「千景君?」

「千景は、気付てないようですが……」

「でも、廉君も頑張れば、彼女の心動くかもよ?頭がよくて、すごい美人じゃないか?」

「残念ながら俺は美人より、心の安息の方が……」

「まぁ彼女は物事はっきり言うからね。ちょっときつい性格だね~」

「ちょっとね………。俺には、あそこにもルシフェル居ますから~」

「ルシフェル……。天使たちの中で最も美しいと言われ、知恵の富んだ大天使。

 創造主に最も愛されていたが、謀反を起こし、自ら堕天使となり、地獄のサタンと変わり果てたと言われる? 」

「そそ。光をもたらす者として、堕天しないように俺は、見張り番です。

 笑っていれば大天使ルシフェルですが、怒り出すとサタンになりかねませんからね」


挿絵(By みてみん)


「なら廉君は差詰め双子の大天使ミカエルだね。双子と言うのはフィクションらしいけど」

「大天使とは、おそれ多いです」

「でも、堕天を止めれるのは廉君だけだよね?」

「どうですかね?」

「なに話てるのさ?」

「玲音が堕天しない方法だよ」

「堕天? Fallen Angel?どういう意味さ?」

「さぁ~。どういう意味かなぁ~」


 食事をしながら廉は時宗に言った。

「おじさん、後でちょっと話したいんだけど…」

「ん?ここでは話にくい事?」

「うん、玲音にはちょっと……」

「え?それって後から玲音にばれると大騒ぎになる?」

「多分、大丈夫かな?多分………」

「でも、一緒に居るから居なくなるとバレるよね?」

「おばさんに玲音の相手してもらって……」

「本当はおばさんにも一緒に聞いてもらいたかったけど……」

「なに?紹介したい娘とか出来たの?」

「それは、玲音が傍にいる限りそんな気は起き無いです。彼女より心の安息とプライベートな時間が一番欲しいんで……」

 時宗は「それは、それで困ったもんだね」と苦笑する。

「なら、帰りドイツのオフィスに寄ろうか?そこでなら話せるだろ?玲音とママと周藤君には先に帰って貰って」

「はい。すみません面倒な事を言って」

「いや、面倒なのは玲音だから………」

 食事中に時宗はメアリーに廉との事を話手筈を整えた。

 周藤にも廉がある程度、説明しておいた。


 食事が終わり皆が車に乗り込もうとした時、メアリーが玲音に「最近の近況を教えてちょうだい」と玲音に一緒に乗るようにいう。

 時宗は「ママ!事務所に忘れ物したからちょっと寄って帰る。玲音、通訳に少し廉を借りるよ?」

「なら、周藤さんは、私達と一緒に」といい玲音から廉を離した。

 玲音は何か不審に思ったが、メアリーが話かけることで逃れた。


 事務所に着き応接室で廉と時宗は、向かい合って話す。

「どうしたの?留学先で何かあった?ドイツ住みにくい?それとも………。やっぱり玲音?」


 廉は時宗に、最近玲音が一生懸命に勉強していること、その理由を話した。

「あ~。玲音の奴、あの時の話、聞いてたのか……まぁ。廉には、相談はしようと思ってたんだけどね」

 廉は、【橘】の姓を名乗ることを決めた理由や当時の気持ちを素直に話した。

「まぁ、まだ12歳の子供だったからね。複雑だよね」と時宗は言った。

「廉は、どうしたいの?」

「う~ん。おじさん達が今でも養子縁組み考えてくれるなら養子にしてもらいたいけど……。財産云々は俺は外して欲しいんです。後、司法試験終わってから手続きして欲しいんです」

「ん?なんで?早い方がよくない?」

「いや、折角玲音が勉強してるんでこのままの方が……。多分。今、この事を知ると安心して、また遊ぶので」

「あ~、確かに……。しかし、財産云々はもうある程度、廉に別けてるよ。

 橘君達から預かっている財産と一緒に弁護士に預けているから。

 財産分与と言っても会社の株だけどね。

 それは養子縁組みしようとしまいと変わらないから。それに私は、まだ死ぬわけにはいかないからね」

「あーぁ。そう言う意味では……」

「廉から、そう言ってくれて嬉しいよ。成人する前までには言わないとって思っていたけどさ、玲音の御守りは嫌です。とか言われて断られたらどうしようかと…」

「すいません。法律を勉強しているのに全然そんな事には、気付て無かったんです。

 玲音に言われてびっくりしたくらいなんで」

「玲音がね~。しかし、玲音が本気で弁護士になるとか言い出したら??のめり込むと手つけられないよ?まだ弁護士ならいいけど、裁判官や検察官だと会社継いでくれないよね?」

「う~ん…………」

「その時は廉、責任持って私の跡を継いでくれよ?」

「え?なんで俺?」

「玲音が、ダメなら廉しか居ないだろ?」

「え?俺が検察官か裁判官になるとか言ったら?」

「廉は、そんな親不孝しないだろ?」

「ええ。おじさん………。玲音そっくりですね考え方………」

「そうかな?まぁ親子だからね。ママには話してもいいよね?」

「え?跡は俺が責任持って玲音に継がせるようにするんで、俺は勘弁してください」

「いや養子縁組みのことだけど、なら2人で継いでくれてもいいよ?その様に体制考えようね」

「いえ、俺、玲音の御守りでいいですから」

「早く試験終わるといいね。何時だっけ?試験」

「本当に親子そっくりですね………」

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