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【第19話:召喚】
「魔王ぢ二号」。胸のプレートには、そう記されていた。
黒鉄の鎧に覆われた三メートルはあろうかという巨人。
かしずくのはやや小ぶりな「え四号」「さ六号」「な二号」「ひ十三号」
その周りを無数の「兵士」たちが取り囲んでいた。
今この世界に召喚しつつあったのは、最強の「××$%」である。
いましも出現しようかというその瞬間……突如として魔方陣に稲妻が走る。
そして……現れたのは……モフモフの虎毛の秋田犬。
彼は、少し警戒感を見せた後、「ワンッ」と吼えた。
すると、そこにいたものはすべて「ポウッ」と音を立て、霧のようにかき消えた。
後に残るのは、一匹の大きな犬のみ。
彼が勝ち誇ったように玉座に上ると、その口から自然と声が漏れ出てくる。
「我が名はマク・・・魔の王なり。」
その声が響いた瞬間、城の壁が震え、魔王城に新たにその名が刻まれ、
《承認しました》という声がどこからか聞こえてきた。




