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未来世界に戦争する為に召喚されました  作者: 堕天の翼のあさぼらけ
異次元からの侵略者(仮

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99/215

第99話 違和感ある復活

 これは西暦9980年のはるか未来のお話。

 この時代の、激しい戦闘が行われた激戦の地、北部戦線。

 そこは人類が宇宙に飛び出して、初めての異次元の敵との遭遇だった。

 人類が宇宙に進出する過程で、知り合った宇宙人も存在する。

 しかし、それはどれも、似たような文明レベルと文化を持っていた。

 それが違う、知的生命体とのコンタクトは、初めてだった。

 いや、公式に記録されてないだけで、すでにコンタクトはあったのかもしれない。

 だが、今回の異次元からの侵略者は、初めて知る種族とも言える。

 その手がかりとなる人物に、ユアとメドーラが遭遇する。

 だが、その謎の人物に、手玉に取られてしまう。

 謎の人物は、マイが投影したユアとメドーラの立体映像に細工し、ふたりの足止めに使う。

 体力の尽きる事のない立体映像との戦いに、メドーラは封印した過去の記憶を掘り起こしてしまい、今は気を失っている。

 ユアもそんなメドーラを連れて、逃げる事しか出来なかった。



 アイツウはメディカルルームへ向かう。

「メドーラ、あんな過去があったなんて。」

 アイツウは前回探った、メドーラの壮絶な記憶を振り返る。


 ここでメドーラの過去話を三回くらいに分けてやるのが、最近のトレンドだろう。

 だが、みんなの読みたい物ではなく、描きたい物を書くのが、この作品である。

 つまり、感動の過去話なんて、この作品ではしない。

 べ、別に、考えるのが面倒だとか、そーゆーんじゃ、ないんだからね。


 メディカルルームに向かうアイツウの足取りは、次第にかけ足になる。

 一秒でも早く、メドーラを救いたい。

 そんな思いしかなかった。

 アイツウは息をきらせて、メディカルルームの扉を開く。

 アイツウがメディカルルームに入ると、マイは目を覚まして、上半身を起きあがらせていた。


「よかった、目が覚めたのですね、マイ。」

 息をきらせたアイツウは、もつれる足取りでマイのベッドに近づく。

 元々サポートAIは、走るようには作られていない。

 メドーラを救いたい一心で、身体を早く移動させる動かし方を模索した。

 アイツウはマイのベッドまでたどり着くと、倒れ込むように両手をベッドについた。

「お願い、メドーラとユアを助けて!

 すぐ北部戦線に来て!」

 アイツウはアイに視線を向けると、現状を共有する。

 ついでに、この部屋にいるミサにも、伝える。

 ミサは他の部屋にいるナコにも、伝える。

「そんな。」

 伝えられたアイは絶句するが、その情報を即座にマイにダウンロードする。

「そんな。」

 マイも、アイと同じ感情をいだく。


「ちゃんとお片付けしなくちゃ、ダメじゃない。」

「ごめんなさい。」

 アイはマイをしかり、マイはアイに謝る。

「謝るのは、私にじゃないでしょ。」

「うん。」

 アイは、マイをせかす。

 マイはベッドから離れる。


「えと、」

 アイツウはふたりのやりとりを見て、少しめんくらう。

「すぐに動いて大丈夫なんですか?

 急いでほしい私が言うのも、なんですが。」

 そんなアイツウに、アイは笑顔を向ける。

「大丈夫大丈夫。ただ意識が戻らないだけで、身体はなんともなかったんだから。

 今はよく眠ったから、元気百倍よ!」

 そう言ってマイのお尻をたたく。

「うん、これは僕の責任だからね、メドーラとユアは、僕が助けてみせるよ。」

 マイは叩かれたお尻をかきながら、アイツウに応える。


 マイはメディカルルームの入り口付近の壁によりかかるミサと、目が合う。

「ミサも、元気出してよ。僕が戻って来れたんだから、マインもきっと、大丈夫だよ。」

「ああ、そうだな。」

 ミサはニヤリと笑うと目を閉じてうつむく。

 ミサのパートナーであるマインは、巨大なメスシリンダーみたいなカプセルに入れられたまま、まだ意識は戻らない。

「じゃあ、行ってくるね。」

 マイは扉を開けながら、アイに手を振る。

 アイもにこりと微笑んで、手を振り返す。


 バタン。

 扉が閉まると同時に、アイの表情がくもる。

 ミサのニヤけたツラも、ひきしまる。

「え、どうしたの、ふたりとも。」

 アイとミサの変化に、アイツウが尋ねるのだが、アイは涙をこらえ、言葉が出ない。

 そんなアイの代わりに、ミサが答える。

「マイの魂は、まだ不安定な状態なんだ。」

「え?」

「いつ魂が抜けても、おかしくない。

 逆に、今魂が戻ってる事自体が、奇跡なんだ。」

「ぐす、ぐす。」

 ミサの説明に、アイは涙ぐむ。

「今度脱出用ポッドを使う事態になれば、マイの魂は耐えられないだろう。」

「うわーん。」

 アイは、マイが寝ていたベッドに、泣き崩れた。


「そんな。」

 アイツウは絶句する。

「アイ、つらいだろうが、この事はちゃんと、マイに伝えるんだぞ。」

「分かってるわよ!」

 アイは泣きながら、ミサの忠告に応える。


 ミサはそんなアイを見て、視線をマインに向ける。

 マインは巨大な筒状のカプセルに、薄緑色の液体の中に入っている。

 両膝を抱えて丸くなった体勢で、全裸になって、口元には呼吸用のマスクが付けられている。


 そんなマインを見て、ミサは思う。

 今のマインと、マイ。

 どちらが幸せなのだろう?

 いつ意識が戻るか分からないマインと、いつ死ぬか分からないマイ。

 ミサには答えが出なかった。

 そして、こうも思う。

 シリウス構想に必要なのは、マインとマイのふたりだけ。

 つまり、このふたりが無事なら、他の者は、どうなってもかまわない。

 ミサは思わず顔をしかめる。


 そして、こう思った。

「ジョー、もしもおまえがこんな考え方をするのなら、私達は黙っちゃいないからな!」

 ミサの脳裏に、ジョーの姿と、それに対峙するサポートAI達、自分とアイとアイツウとナコの姿が浮かぶ。

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