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未来世界に戦争する為に召喚されました  作者: 堕天の翼のあさぼらけ
惑星ファンタジー迷走編

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第62話 報告は頼んだぉ

 これは西暦9980年のはるか未来のお話。

 行方不明になったケイは、千年前にタイムスリップしていた!

 それを知って森から出てきたマイ達を待ち受けていたのは、冒険者のドルクだった。

 ドルクは禍々しい剣の影響からか、凶暴さを増していた。

 その剣も折れ、ローラスの水系マナによって浄化されたドルクは、さわやかな冒険者風に、キャラデザ自体変わってしまった。

 そして、メイド姿のマイに、惚れてしまうのだった。



「あの、あなたのお名前を、お聞かせください。」

 ドルクはマイの名前を聞いてくる。

「それなら、この冒険者の腕輪を使えばよろしいのでは?」

 マイは自分の冒険者の腕輪を、ドルクに向ける。

「だ、駄目ですよ。腕輪で覗くだなんて、失礼ですよ。」

「きゃっ。」

 ドルクは両手でマイの腕輪をはめた左手を握ると、そのままマイの手を降ろす。

「あの、手を離してくれませんか。」

 顔をあからめるマイを見て、ドルクも顔をあからめる。

「す、すいません!」

 ドルクは慌てて手を離す。

「僕の方こそ、ごめんなさい。僕の名前は、マイアミン・スケード・メドローア。よろしくね。」

「ま、マイさんとおっしゃるんですか。素敵な名前ですね。」

「あ、ありがと。」

 ドルクの言葉に、マイも悪い気はしなかった。

「私は、ドルク・マイケラー。」

 ドルクはマイの前でひざまずいて、手を差し伸べる。

「マイさん、私と交際してください!」


 マイは差し伸べられた手を、思わず握ってしまう。

 そしてドルクの身体を引き起こす。

「交際だなんて、そんな。

 僕は任務でこの地に立ち寄っただけで、すぐ旅立たねばなりません。」

「そ、そうですか。」

 マイに手を握られ喜んだのも束の間、ドルクの顔色も曇る。

「なら、私もあなたの旅に、同行させて下さい!」

「そ、それは。」

 マイはドルクがぐいぐいくるので、たじろいでしまう。


「駄目に決まってますわ。」

 マイとドルクの間に、メドーラが割り込んだ。

「いつまで握ってるのですか。とっとと離しなさい!」

 メドーラはマイの手を握るドルクの手を、乱暴に引き離す。


「なんですか、あなたは。」

 ドルクはそう言って、メドーラに冒険者の腕輪を向ける。

「メドーラ・ミツエーモ・トクナーガさんですか。

 ちょっと美人だからって、私とマイさんとの邪魔をしないでください。」

「あら、冒険者の腕輪で覗くのは、失礼ではありません事?」

 それは、少し前にドルクが言ってた言葉だ。

「何言ってるんです。冒険者同士の挨拶みたいなもんでしょ。」

 ドルクは、こんな事も知らないのかって言いたげに、メドーラを小バカにした口調で言ってくる。

 それに対して、メドーラもカチンとくる。


「あのー、僕も冒険者なんですがー。」

 険悪な雰囲気なふたりの間に、マイも入ってみる。

「いえ、マイさんは私の人生の伴侶となるお方です。

 ただの冒険者とは違います!」

「ドルクさん、僕は人生の伴侶になる気なんて、ありませんよ。」

 マイは真剣な表情で、ドルクに告げる。


「そ、そんな。」

 ここにきて、ドルクはやっと、マイにその気はないのだと気づく。

 かと言って、このまま引きさがりたくはない。

「マイさん!」

「は、はい!」

「マイさんが私の事を、なんとも思っていなくても、構いません。

 ただ、私に出来る事があったら、なんでも言って下さい。

 マイさんのお力になれれば、それで私は満足です!」


 なんでもやってくれるならと、マイはどうしたもんかと思ってた事柄を、ドルクに押し付ける。

「それなら、ギルドへの報告を、お願い出来るかしら。」

「報告、ですか?」

 なんでもやると言ったドルクに対しての、マイの提言。

 それはドルクにとって、以外すぎた。

「僕達、もうあのギルドには、行く気ないし。」

 マイ達は以前のギルドでのやりとりで、二度と行きたくないと思ってた。

 それに、先を急ぐ理由も出来た。

 だから、ギルドには寄りたくないのだが、報告義務をどうするか。

 それを決めかねていた。


「ギルドの連中も、根はいい奴なんですが。」

 ドルクはギルドの冒険者達を擁護する。

 だが、マイ達とは色々やりあってしまったから、あまり会いたくなかった。

「受付のお姉さんにも、受け悪かったし、僕達、先を急ぐ理由が出来ちゃったんだよね。」

「あの気立てのいいと評判の、お姉さんですか?」

 ドルクはマイの言葉が、にわかには信じられない。

 だが、マイさんが言うからには、何かあるのだろう。


「うん、ちょっとやりあっちゃったからね。

 だから、伝えてほしい。南の森のドラゴンは、もういないって。」

「なんと、退治したんですか?凄いです、マイさん。」

 マイの言葉に、ドルクは少し興奮する。

「いや、退治なんてしてないよ。

 普通に話しあって、解決してきたから。」

「す、凄いです、マイさん。ドラゴンと話しあうだなんて、普通思いつきませんよ。

 それなのに、話しあいで解決してしまうなんて、凄すぎます!」

 ドルクは興奮する。

 マイはギルドでの冒険者達と受付嬢との反応から、ドルクも同じ反応をするのかと思った。


「ドルクさんは、信じてくれるんですね。」

「当たり前じゃないですか!」

 マイは、ドルクの言葉が、素直に嬉しかった。

「ギルドでは、ドラゴンは退治してこいってうるさかったからね。

 だから逆に、ギルドを退治するぞって、言っちゃったのよ。」

 マイはギルドでの顛末を、ドルクに話す。

「そんな事があったのですか。まあ、無理もないですよ。」

 マイの話しを聞いたドルクだが、ギルドの冒険者達にも理解を示す。

「マイさん達みたいに、高レベルではないですからね。

 ドラゴンはただ、脅威の存在ですよ。

 恐怖の対象でしかないのだから、話しあうだなんて、思いもしませんよ。」


 マイ達も、ドルクの言葉に納得する。

 そしてドルクも、理解した。

「なるほど、これはマイさん達が話しあいで解決したと言っても、伝わりませんね。

 下手したら、ギルドの冒険者達を全員、退治する事にもなりかねませんね。ははは。」

 ドルクはその様子を想像すると、思わず笑ってしまう。

「笑い事じゃないですよ。」

 マイにも、その想像はたやすかった。

 特にメドーラなんかは、本当にギルドを全滅させかねない。


「ならば、この私がしっかりと報告しましょう。

 ギルド最強のこの私が丁寧に説明すれば、納得するでしょう。

 って、今は最強ではありませんね。元最強ですね。」

 ドルクはそう提言する。

 マイもそこまで考えて、ドルクに頼んだわけでもなかった。

 ただ報告がめんどくさかっただけだった。

 書いてるうちにこうなったのだが、ドルクはマイの思慮深さに、ますます惚れるのであった。


 ドルクは一応確認のために、森の奥へと向かった。

 マイ達は、馬車で街へと戻る。

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