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チート魔王vs最強の敵

「テミス殿が月を力に変えるというのなら……私は、自分の持てるすべてを出し切るしかないようですね」

清兵衛は深く息を吐き、懐から黄金色の輝きを放つ特別な形代を取り出した。その表情には、もはや迷いはない。

「今の私の最大最強の奥義……見せて進ぜよう。☆式神憑依!」

清兵衛が形代を自身の胸に叩きつけると、巨大な猫の式神「ニャ王まにゃおうまじん」の幻影が彼を包み込んだ。清兵衛の瞳が獣のように縦に割れ、その背後には燃え盛る二股の尾が揺らめく。

「ニャ王ま神の敏捷性と、我が陰陽術を掛け合わせる……。さあ、その光の矢、捌いて見せましょう」

テミスは、猫の耳が生えたような清兵衛の姿を冷ややかに見つめ、再び巨大な弓を引き絞った。

「また奇っ怪な事を…

いいでしょう、奥義には奥義を。……死ぬまで獲物を狙い、魂を穿つ最強の一射。奥義・一矢想伝いっしそうでん!」

テミスの指が放たれた瞬間、矢尻に月光が極限まで凝縮され、一本の「細い光の糸」のような矢が放たれた。


「ふっ……。テミスの矢は、一見すると、何の変哲もない普通の矢。だが、その内部に宿る魔力は恐ろしいほどに高密度……。月光がテミスに無限の力を与えている

彼女が月下の射手と二つ名で呼ばれる言えんよ…」


ビシュッ!!!!


ニャ王ま神の力を宿した清兵衛の動きは、もはや人の域を超えていた。

残像を残しながら横に跳び、光の矢を紙一重で回避する。

しかし、矢は空を切った直後、まるで意志を持っているかのように急旋回し、蛇行しながら再び清兵衛の背後から迫った。


(逃げても無駄だ術師……その矢はお前の魔力を辿り どこまでも追尾する……)


「ですよね……。奥義がこんなに単純なら、四天王の右腕なんて務まりませんからね!」

清兵衛は、背後に迫る死の気配を気にしながらも、決してテミスから目を離さない。追尾する矢を翻弄するように城内の柱を駆け抜け、反撃の隙を伺う。

梁の上でジャグリングをしながらそれを見ていたサヤカは、瞳をキラキラと輝かせていた。

「あの子、何をするつもりかしら……。まさか、あの追尾機能を逆手にとって、何か『映える』大技でも繰り出す感じ? 超ワクワクするんですけど!」

だが、その「観戦タイム」は長くは続かなかった。

「……人の戦いに見惚れている余裕があるのかしら? この泥棒猫」

サヤカの背後に、冷え切った殺意が立ち込める。

紫光のシェリーが、その手に禍々しい魔力を纏った紫の槍——魔槍「バイオレット・デス」を具現化させ、サヤカの首筋を狙って突き出した。


キィィィィンッ!!!!


サヤカはお手玉を放り投げ、手元にあった魔導フォン(試作一号機)の角で、シェリーの魔槍を弾き返した。


「……ダル。マジ、そういうの不意打ちとか言うんだけど。ルール違反だし、空気読んでくんない?」

サヤカは梁の上に立ち上がり、気だるそうにシェリーを見つめた。仮面の奥の瞳には、面倒くさそうな色が浮かんでいる。

「四天王だか何だか知らないけどさ。あんた、さっきから見てれば、自分の部下にばっかり戦わせて、自分はズルいことばっかり。そういうの、ギャルの世界じゃ一番嫌われるタイプなんだよね」


「……黙りなさい。その余裕、いつまで持つかしら?」

シェリーの魔槍から紫の電光がほとばしる。

「私の正体に気づきながら、その不遜な態度……。貴様、ただの道化師ではないわね? ムーン・サウンドの残党か、それとも……」


「あー、もういいから。あんたの話、長すぎ。……清兵衛くんが頑張ってるんだから、あたしも少しは動かないと、亜美ちゃんのパフェに顔向けできないしね」

サヤカは、ピエロの衣装の袖をゆっくりと捲り上げた。その白い肌には、魔王の紋章が淡く浮かび上がる。


「四天王のおばさん。あたしの名前、勝手に使った慰謝料……パフェ1000年分くらい、その命で払ってもらうから」

「……生意気な小娘がぁっ!!」

シェリーが魔槍を振り上げ、紫の閃光となってサヤカに襲いかかる。

月下の王城。二組の激闘が、スターダストの運命を懸けて激化していく——

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