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廊下やら他のフロアやらをウロウロ歩き回って、たどり着いたのは食堂。
「メシは部屋に運んでもらってたから気付かなかったけど、ちゃんと食堂もあるんスね」
とはいえさっき朝食を済ませたばっかりだし、昼食にはまだまだ時間がある。
(誰もいないかもしれねえけど、もしいたら茶でも飲みたいッス)
なんて軽い気持ちで中に入ると、テツヤの予想に反して何やら盛り上がってる様子。
「……?」
食堂は酒場を兼ねてるらしく、カウンター席とテーブル席がある。
そのテーブル席の1つに、宿泊客らしい5人の男が集まってる。
「何やってるんスか?」
テツヤが尋ねると、5人の中でも最年長の老人が顔を上げた。
「何って、見りゃわかるだろうがよ」
言われてテーブルの上を見れば、ティーカップが1つ。カップの中にはサイコロが2つ。
「ははあ、バクチッスね」
「そういうことよ」
ニヤリと笑う老人。




