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#34
「やった、助かったッスよ!」
「これもワタクシのエルフ徳のおかげですね!」
どうやら森から脱出できそうで、手を取り合って喜ぶ2人。エルフ徳って何だよとかいうクエスチョンはいったん忘れる。
実際、あんなにこんもり茂りまくってた木々もすっかりまばらになって、いつの間にか森を脱出してた模様。
「これでもう、このクソみたいな森ともオサラバですわ! こんな木ばっかりのところ、飽き飽きしていましたの!」
「エルフの発言とは思えねえッス」
テツヤのツッコミもスルーして、勝手にずんずか進むハギ。テツヤが後を追うと、木々はどんどん少なくなって、草地には小屋みたいな建物も見え始める。
「なんか人が住んでるっぽい感じになってきたッスよ。この調子なら、その王都ってとこもそう遠くなさそうッスね」
「ええ、ですがどうも様子が違うような……」
暗いから断言できないのか、ハギは微妙に首をかしげる。




